ホームページ充実度
CSRの情報開示は紙ではなくウェブが主戦場になっている中、上場企業としてはIRとの連携も含めてウェブでの情報開示は気になるところだと思います。
というわけで今回は先日発表になりました「ホームページ充実度ランキング」を紹介します。
・ホームページ充実度ランキング(2016年12月)
評価項目は178項目にもわたり「分かりやすさ」「使いやすさ」「情報の多さ」の調査項目でチェックされています。この調査は全上場企業が対象なので、CSRとIRのウェブコンテンツでの融合がデータとして見えるのが学びがあります。
カテゴリ別ページの設置状況
ガバナンス専用ページ・コンテンツを設置している企業は48.7%と昨年の41.1%から大きく上昇 いたしました。昨年のコーポレートガバナンス・コード導入に伴い、ガバナンス関連の開示が進み、 コーポレートガバナンス報告書のHTML化を実施する企業が増加しています。
IR情報の掲載状況
ガバナンス報告書は42.8%と昨年の32.0%から大きく上昇しました。有価証券報告書も79.6%と上昇しましたが、決算説明会等の資料(59.1%)、株主通信(67.8%)、CSR レポート(21.8%)の掲載率は、昨年に比べてやや減少しました。
雑感
「CSR・環境対応」のカテゴリーページの掲載率が落ちているだと…!?これはどのようにみればいいのでしょうか。新規企業が70社近く増えているので、CSRを無視した新規上場企業がほとんどなので、それでパーセンテージが減った、ように考えればいいんですかね。
「IR情報の掲載状況」のCSRレポートの掲載率も減っているとか。統合報告書(アニュアルレポート、コーポレートレポート)をどのように換算されているのか詳細はわかりませんが、こちらは、統合報告書の普及によってCSR専門のレポートが減っていてもおかしくはない、むしろ減らなければならない、ということで違和感はありません。
不祥事だ炎上だとニュースで話題にならない日はないですが、ガバナンス推進だけでそれらが防げると思えず、CSRを含めて人に関するカテゴリーの対応も必要だと思うのですが。
まとめ
日本ではまだまだCSR情報とIR情報の融合は進んでいない。これが3,600社の現実です。
今後、コーポレートガバナンスコードなどを含めて対応の広がりを期待されるものの、半分以上の上場企業ではCSRは軽視されており、適切な投資家・株主への情報開示ができていません。そんなに非財務情報って興味ないですか?ガバナンスコードでも開示が推奨されてるのに?
逆に言えば、今、CSR関連情報の開示ができている、もしくはやろうとしているのであれば、競合を出し抜くチャンスはまだあるということですね。
上場しているならCSR活動はやらない理由はないと思うのですがいかがでしょうか。それとも日本は“上場ゴール”でCSRとか関係ない企業のほうが多いというか、〇〇な企業しか上場していないとか、そういった残念な市場なのでしょうか。引き続きウォッチしてまいります。
・ホームページ充実度ランキング(2016年12月)
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