CSVを正確に解釈できてますか?
あなたは、CSV(Creating Shared Value:共有価値創造)という概念をご存知でしょうか。
知らない?ノープロブレムです。これから学べばいいのですから。
最近、「CSRではなくCSVだろ」という業界(?)の動きがあるのです。つまり、慈善だったCSRから、戦略的CSR(≒CSV)に移行せよ!ということです。ちょっとそのあたりを再度確認してみましょう。僕の個人的な思考フィルターがかかってますが、ご愛嬌ということで。
ちなみに、CSVを訳す時、「共通価値創造」と「共有価値創造」の2種類がありますが、僕は共有価値とすることが多いです。ダイヤモンド社さん系の記述では、共通価値としているのが多いようです。シェアって共通ってより、共有のほうが皆さんもイメージしやすいかと。
追記:2015年3月
・宣伝会議2015年3月号「CSVでソーシャルグッド 社会と共に成長する企業」
・社会的責任(CSR/CSV)の意味・定義って結局なんなの?
CSRとSRとCSVと
ISO26000(CSRの国際基準)では、CSRは企業が主体だがどのような組織も社会に関わっているので、社会的な役割を果たすべきとしています。
つまりSR(Social Responsibility)なのです。大きなSRの円の中にCSRという中くらいの円があるというイメージ。しかし、日本では、SRはほとんど考慮されない。意味を伝えるアイコンとしても、CSRのほうが良い。
そんな中でCSVと偉い先生が言っているし、考え方もそれっぽいからCSRではなくCSVを使おう!と言っても、まだまだ浸透はしていませんね。
「CSR」という単語が浸透するのに、約10年かかりました。10年というのは2003年の「CSR元年」と呼ばれる年から数えてということです。それでも10年たっても、そこまで浸透していないといえば、してないですが。
なぜCSRはダメなのか
前述のCSRの流れがあって、CSRはダメなので、新しい語で、新しい価値観を提示すべきだという風潮がでてきて、発表されたのが、マイケル・ポーター氏の論文。そして、その考え方がCSVだったというわけ。
マイケル・ポーター氏は本人が以前、「戦略的CSR」と呼んでいたものを整理したものだとも言っている。参考として以下にCSRとCSVの違いをまとめたものを紹介。
(日経ビジネスオンライン:CSRの呪縛から脱却し「社会と共有できる価値」の創出を)より
CSRがダメってわけじゃないけど、CSVより、その理論の成り立ちを理解することも重要です。
CSVをロジックとする方法
詳しいCSVについては下部のポーター氏の論文記事を参照してほしいですが、論理がどうこうだけでは先に進めませんよね。
では、企業はCSRではなく、CSVをすべきだとして、一体何をしたらよいのだろうか。僕がお話をさせていただく時によく言うのが、「まずは“価値”を見直す」ということです。
私たちは、何に“価値”を見出しビジネスをしているのか。顧客は、私たちの何に“価値”を見出し購入しているのか。社会から見て、私たちの何が“価値”として認められているのか。
隣の席に座る従業員に聞いてみて下さい。「あなたは“企業の価値”をどう考えていますか」と。いきなり聞いてはダメですよ。こいつ暑さで頭がおかしくなったと思われますから(笑)
まとめ
マイケル・ポーター氏は、CSRとCSVはまったく異なるものであるとしています。僕もそう思います。
ですが、共通点もあると言いますか、概念としてどちらが上位だとかは、現場にはあまり関係ない気もします。
私たちの“価値”とは何か。現場で真摯に価値と向き合うことから、CSVという歯車が回り始めるのかもしれませんね。
そして、それは、いつしか、ブランドと呼ばれるものになったとさ。
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