世界で最も賞賛される企業

世界で最も賞賛される企業

人材と組織のグローバルアドバイザリー企業コーン・フェリーのヘイグループ部門は、米ビジネス誌「フォーチュン」と毎年共同で実施する調査、第19回『世界で最も賞賛される企業(World’s Most Admired Companies)』(2016)を発表しました。

『世界で最も賞賛される企業 2016』を発表|ヘイグループ

このランキングの評価項目にCSR関連のものも多いので、確認がてらご紹介したいと思います。

世界で最も賞賛される企業・トップ10

1、Apple
2、Alphabet
3、Amazon.com
4、Berkshire Hathaway
5、Walt Disney
6、Starbucks
7、Southwest Airlines
8、FedEx
9、Nike
10、General Electric

評価方法・評価基準

1、Ability to attract and retain talented people (人材活用)
2、Quality of management (経営層の質)
3、Social responsibility to the community and the environment(社会的責任)
4、Innovativeness (革新性)
5、Quality of products or services(製品・サービスの質)
6、Wise use of corporate assets (企業資産の活用)
7、Financial soundness(財務健全性)
8、Long-term investment value(長期投資価値)
9、Effectiveness in doing business globally(国際競争力)

※「()」内の日本語は筆者訳

昨今言われるCSRの中でも重要な「人材活用」、「社会的責任」、「長期投資価値」あたりが入っています。長期投資価値は厳密にいうとCSRではないのですが、いわゆるESG/SRI投資におけるCSR情報の価値、という点で考慮となるのかなと思います。

総合ランキングの日本企業トップはトヨタで28位。さすが世界のトヨタ。

業界別ランキングでは、優秀企業に、日本企業は、12業界/18社が入選。入選企業は、サントリー、キヤノン、コマツ、日本郵政、パナソニック、ソニー、日立製作所、富士通、三菱重工、三菱UFJフィナンシャル・グループ、新日鉄住金、JFEホールディングス、豊田自動織機、デンソー、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、NTT、です。

各種CSRランキングの上位企業が多いので、CSR関係者には馴染み深い顔ぶれかと思います。

まさに「賞賛される」という、CSRの最終ゴールみたいな所で評価されるランキングって面白いですね。ここまでくれば「CSRでブランディングができている」と言えるでしょう。日本の口だけの“CSRでブランディングしてます!”企業とは別次元ですね。

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まとめ

CSRって結局は企業経営の1つの側面でしかないし、このランキングのように企業を総合的に評価する時に役立つ指標なのかもしれません。だとすると、ESG/SRI投資だって企業評価の時に財務面も重要なファクターとなりますし、財務・非財務の両輪が優秀な企業こそ優秀という考え方は正しいのかもしれません。

来年は国際的に“賞賛される”日本企業は増えるのでしょうか。減るのでしょうか。来年の発表が今から楽しみですね。

World’s Most Admired Companies Top50
・FORTUNE World’s Most Admired Companies(英語)