CSRコンテンツのウェブマガジン化
日立製作所とキヤノンマーケティングのCSRコンテンツが、なかなか攻めてて良い感じです。
最近、「社会イノベーション」(日立)と「Business with CSR PORTAL」(キヤノンマーケティング)というウェブマガジン形式のCSRブランドサイト(?)に注目しています。
僕の専門はCSRコミュニケーションということで、企業の「CSRコンテンツ」(ウェブサイト)や「CSR報告書」(冊子・PDF)の動向は常にチェックしており、こういう先進的な取組みは気になるんですよね。というわけでご紹介。
社会イノベーション
「社会イノベーション」は、コーポレートサイトのファーストビューに「ブランドキャンペーン」というバナーがありそこからジャンプできます。
「ボートがバングラデシュ人に希望と幸福をもたらす?」とか、「電池までもオーガニックに」とか、文章は短くだからどうしたの?感はありますが、テクノロジー系のソーシャルアクションに興味がある人ならグイグイ読んじゃう記事が並んでいます。
週1本くらいの更新頻度のようです。この頻度でも、十分だとは思いますので、このまま継続して更新していただきたいです。僕はRSS登録しました。日本で数十人くらいは登録してるっぽいです。
Business with CSR PORTAL
「Business with CSR PORTAL」は、キヤノンマーケティングジャパンのCSRコンテンツ・トップページに大きなバナーがありジャンプできます。
あー、オープンしたの今週だったんだ。もっと前にオープンしたんだと思ってた。
こちらのサイトも1記事ずつに豊富な情報があるというより、自社の実績やテクノロジーの紹介みたいな形です。
まだオープンしたてなので記事本数は少ないですが、ステークホルダー別に絞り込めたり、情報の検索性は高いのが良いですね。
今後、どういう形でコンテンツを増やしていくのか知りませんが、コンテンツの作り方次第では、結構アクセス稼げそう。ただ、自社の話ばかりだと、取引先は多分興味を持ってくれるけど、大学生には面白くないでしょうね。
リクルーティング等への影響は皆無でしょう。もう少しカジュアルなネタや従業員の顔が出てくると、いいのかもしれません。
CSRコンテンツの方向性
僕はこの方向は何年も前から支持しております。特にBtoB企業は。
BtoC企業の場合は、多くの会社がやっているような、いわゆる「オウンド・ニュースメディア」の中にCSR的なコンテンツをぶちこめばいいのですが、BtoB企業の場合、一般生活者に情報を届けてもしょうがなく、CSRの専門性をどう表現に非常に悩みます。
例えば、コカコーラの「Coca-Cola Journey」なんかもコーポレートサイトがウェブマガジン化しており、CSR関連情報も豊富なのですが(その質は別として)、カジュアルすぎてBtoB企業では難しいトーンです。
コーポレートサイトのCSRコンテンツを充実させるのはもちろんなのですが、いかんせん、企業主導のCSRコンテンツは読んでいて面白いと思えない(苦笑)。
より読者視点にたって、好奇心を満たせたり、新しい視点や知識を提供できたりするCSRコンテンツサイトは、読者理解(読者教育)を進める上でも非常に重要です。極端な話、コンテンツ・コンセプトに近ければ他社のCSRなんかも紹介するイメージです。
企業によっては、CSRコンテンツ単独でFacebookページやブログを立ち上げています。それのパワーアップ版と考えればいいでしょう。BtoB企業なら、間違いなくブログ形式よりこっちですね。どちらにせよ、多くのサイトはインパクト(アクセス数)はなさそうですけど。
余談ですが、以前、某企業のCSR系Facebookページが先進的だったので、取材申込みしたら断られました。取材記事を書かせないって逆に悪い事でもしてるのかと思ってしまいます。お堅い所だったけど、Facebookページ開設したくらいだからお話聞けるかな…と思ったのが間違いでした。
情報発信はするけど、外部とのコミュニケーションはしません、というのは非常によろしくないと思いますよ。なんのために情報発信してるねん?って。そういう意味では、日立もキヤノンマーケティングのサイトも、読者とのコミュニケーションの方向性はいいと思います。
まとめ
僕は年間100社以上の企業のCSRコンテンツを見てますけど、とにかく「読者視点」が足りないといつも感じます。
自社の言いたいことを言うだけでは、ただの「独り言」ですからね。読者の方をちゃんと向いてコンテンツを作りましょう。CSR報告書も同じです。
天の邪鬼的には、いつ更新頻度が落ちるのかな…と。サスティナブルって言っている側のコンテンツに持続性がないのは話になりません!というわけで、中の人、お疲れさまです。陰ながら応援しております。
今回紹介した2社の取組みは先進的すぎてマネできない企業のほうが多いと思いますが、CSRコンテンツの作り方事例として、頭の片隅に置いておきましょう。
あと、この企業のCSRコンテンツが面白い!というのがあれば、自薦他薦問いませんので『お問合せ』よりご連絡くださいませ!
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