CSRマーケティングで儲かるんすか?コーズマーケティングの5つの本質的な価値。

マーケティングの本質

まず、マーケティングとは何でしょうか。

ドラッカー氏がマーケティングの定義を確定させたとも言われていますが、
彼によると「セリングをなくすこと」がマーケティングの定義だそうです。

つまり、「買わないことを選択できる第三者に、
喜んで自らの購買力と交換してくれるものを提供する活動」であり、
こちらから売りに行かなくても買ってくれることです。

また、
「マーケティングの狙いは、顧客というものをよく知って理解し、
製品が顧客にぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすること」
ともしています。

僕が重要だと思う、CSRマーケティングの5つの価値。
1、コーズマーケティング
2、ブランディング
3、ストーリー・テリング
4、エシカル
5、信頼度

ひとつひとつじっくり見て行きましょう。
今回はちょっと長めの記事となっていますので、
お時間のある時にどうぞ。

1、コーズマーケティング

まずは、コーズ・リレーテッド・マーケティング
(コーズマーケティング、寄付付き商品販売)と寄付の関係。

アメリカ・ミシガン大学ビジネススクールのデータですが、
コーズ・マーケティング商品を購入した人は、
通常の寄付が減る傾向にあるとのこと。

もしかしたら、トータルの寄付金額は変わらないかも、と。
でも、これはアメリカの話し。では日本でも同様の事になるのだろうか?
確かにそういう傾向はあるかもしれません。

しかし、あるデータでは、阪神淡路大震災の当月・翌月は、
一人当たりの寄付額が倍増したが、
翌々月から通常の寄付金額(たしか3,000円程度)に戻ったとか。

ちなみに寄付の動機は、「良い事をしたい!」というわけではなく、
「友人に勧められたから」がダントツの理由だそうで。
これは、国内・海外問わず、上位の理由みたいですよ。

つまり何が良いたいかというと、
コーズ・マーケティング商品を半年間から一年間、
継続的に消費者が買った場合はトータルでは増えるのではないかと思うのです。
根拠になるデータはこれから出てくるので推測でしかありませんが。

今、震災の影響で、企業のコーズ・マーケティング商品が増えています。
色々な理由から2011年6月一杯までなんて所も多かったですが、
今年度ずっとアクションをする企業も複数出て来ています。
単発(期間限定)なキャンペーンでどうこうできるわけではなさそうです。

寄付という切り口からすると、
継続的なコーズマーケティングなら、売上げが上がる可能性があると。

参照:売上倍増も可能!コーズ・リレーテッド・マーケティングという方法

2、ブランディング

最近ではコーズマーケティングがありますね。
コーズマーケティングとは、寄付付き商品・サービスのマーケティング戦略です。

社会問題に自社のブランド・サービスを関連づけてキャンペーンを行い、
経済的・人的に支援することで、
結果として営業利益を上げるマーケティング活動として、注目を集めています。

企業の提供する価値や理念、フィロソフィーを再確認するという根本的なところから始まり、
その企業の固有性を持ったCSRマーケティングを構築することが大切です。

自社以外の誰でもできることを実践しても、消費者は振り向いてくれないでしょう。
ちょっと乱暴な言い方ですが、オリジナリティのない企業は
そもそも社会からなくなっても多くの人は困りません。

類似のサービスが他でもあるからです。

特に東日本大震災以降、様々な調査で企業のCSR的側面に注目が集まっています。
ヤマト運輸、ユニクロなどはコミュニケーションもうまく、
ブランドイメージを格段にあげました。

NTTレゾナントの調査では、震災前より3割以上の人が、
「企業の社会貢献事業」を重視し始めたなんて結果も出しています。
日本企業のすぐそこに、”ニーズ”があるんですね。

これらをふまえると、コーズ・マーケティングは、
マーケティング的側面より、ブランディング的側面のほうが強いかも、と。

例えば、ボルビックが「1l for 10l」キャンペーン
(日本で1リットルの水を買うと、アフリカに10リットルの水が提供され、
水問題に苦しむ人々を救うことができるという内容)で売上げと知名度を拡大させました。

最近はうまく結果につながっていないようですが、続けることも意義あることとし、
2011年もキャンペーンをしていましたね。露出が震災への配慮のためか若干減っていた気もしますけど。

東日本大震災以降、アパレル業界はチャリティTシャツということで、
売上げの一部または全額を義援金にまわすという方法論をとり、
数千万から数億の売上げを上げた有名人、企業もいたようです。

BtoC事業が多く、BtoBの動きでは一部留まっているようです。
上記の例は一部の事例ですが、環境活動へのコミットメントも含め、
企業のCSRの取り組み・マーケティングが
非常に重要なポジションにきていることは確かなようです。

参照:CSRブランディングで信頼を勝ち取れ!“ウッフィー”という価値指標のポイント3つ

切り札になりうる?

しかし、本当に「共感」は人々の心を掴む事が出来るのか。

コーズマーケティングで必ず出てくる事例のボルビックでは、
前年比130%という売上げをたたき出した事もあるそうです。

しかし、その後、ボルビックは前年比を超えられていない何て噂もチラホラと…。
大震災以降は戦略を変えたというのもあるでしょうから何とも言えませんね。

他社の事例でも過去の成功事例はあっても、
現在、めっちゃ売れているという物はなさそうです。

マーケティングでは、戦略的に模範解答を求めていきますが、
実際のところコーズマーケティングの手法を取り入れて、
販売個数のみを拡大させようというのは難しいようですね。

コーズマーケティングが”販促の切り札”みたいな、
なんだかとてもすごいことだというリサーチデータもなさそうです。

それよりは、前年比でもそこまで悪くない数字で、
社会貢献にもつながる商品を販売しています、
というある種のブランド力を付けるのはよい方法かなと。

単純比較ですが、個人より、企業寄付の方が、パワーがあります。
(個人の宗教関連の寄付は別ですよ)企業のアクションが、
人々の注意喚起にもあるとすると、昨今のコーズマーケティング事情は
寄付のありかたにも、一石を投じるものとなるでしょう。

3、ストーリー・テリング

コーズ・マーケティングにせよ、寄付にせよ、
そこに「ストーリー」が必要だと思います。

想い、戦略、原体験、様々なものを
「ストーリー」として明文化すべきなのです。
そして、その想いにより、社会的課題の解決に貢献する。

その初期衝動が形として見えてくると、
共感しやすいなとも思います。

それに、マーケティングの手法は熟知しているのに、
コーズマーケティングになるとあたふたしちゃうマーケター多いです。

ストーリーがないコーズマーケティングは
たいして意味がなさそうなのでやめましょう。

結局マーケティングもコーズマーケティングも、
絶対の正解なんてないんですね。

マーケティングもコーズマーケティングも、
売上げアップまでの仕組みを考え・実行するという点では、
根本は同じものであると考えています。

結論としましては、
手法に過度な期待をするより、
商品・サービスの本質を見直した方が売上向上につながりそう、
ということですね。

4、エシカル

エシカルとは、倫理的な、という意味です。
現在では「エシカル=環境保全や社会貢献」という意味合いだと思って下さい。

震災による被災地の商品を買って応援しよう!という、
応援消費もエシカル消費の一部です。

アパレル・ジュエリー・日用品などの直接消費材に多いようです。
あまり、BtoBでエシカルというのは聞きません。
BtoCの社会貢献型マーケティング用語として、ロハスと同じようなポジションのようです。

「エシカルを知らないあなたへ」という本もありますますね。【書評記事はこちら
統計などもあって非常にわかりやすい、エシカルの解説本でした。

「エコ」や「グリーン」などの単語は、環境への配慮を表すことができますが、
社会問題全体を扱うことはできない。できたとしてもごく一部。

また「ロハス」の場合も、社会問題全般を扱うにはやや範囲が狭い。
ライフスタイルの総称でもありますし。
個人に使う場合が多く、BtoCマーケティングで使われるようです。

エシカルは、これらの言葉がカバーできなかった社会問題や社会的責任、を一言で言い表せる。
かなり範囲の広い考え方。マーケティング的には、使い勝手が良いということでしょうか。

エシカルなどの、CSR視点からのマーケティングは、
海外(特に欧米)だけでなく、日本でも徐々に広がりを見せています。
ソーシャル・マーケティングの一つとして、
マーケター・プランナーは一度調べておく事をおすすめします。

ただ日本文化的に「倫理」という、「神との約束」のような考え方はないので、
コミュニケーションのクリエイティブには誤解のないよう気をつける必要があるでしょう。

5、信頼度

立教大学経営学部准教授の高岡美佳氏が、
面白い例え話をしているので引用させていただく。

匿名の出品者が発信する商品情報(文章や画像)のみを見て、多くの人が購入(行動)するのは、商品の品質・価格などの属性情報がしっかりと伝わっているだけでなく、その匿名の出品者名の後ろに載っている取引回数を、信頼情報として受け止めているからである。つまり、後者について、CSR活動に置き換えてみると、環境に配慮した製品であるという情報の発信者が正しいことを述べている、という信頼情報が消費者に届いていないから、「本当に環境に良いものかどうか、信用できない」「企業の活動内容が見えない」という評価で終わってしまっているのである。

ここは、コミュニケーション、ブランディングと関係してきますが、
信頼のできないCSR活動ほど意味のないものはないと考えています。

ステークホルダー(関係者)とコミュニケーションが成立していないと言いますか、
一方的な関わり方では、信頼をもらい購買につなげることは難しいでしょう。

マーケティング・コミュニケーション戦略を考えるときも同じ事。
ただ一方的に「社会にイイものですよ!」と言っても響かない。

逆に、ミッションとストーリーがあれば、共感を引き出し、
消費者も企業も自社に引き込むことができる。

このあたりの詳細は、ポーター氏の「CSV」や、
コトラー氏の「社会的責任のマーケティング」を参考にしていただきたいです。

CSR活動を単なるチャリティーというポジションから、
企業理念の具現化というポジションまで昇華できたら、
CSR的マーケティングは半分成功したと言えるかもしれませんね。
「企業にCSRが必要か?」というそもそもの命題に答える一つにはなりそうです。

まとめ

CSRマーケティングの5つの価値。
1、コーズマーケティング
2、ブランディング
3、ストーリー・テリング
4、エシカル
5、信頼度

いかがでしたでしょうか?

CSR視点のマーケティングのポイントは、
コーズマーケティング、ブランディング、
ストーリー・テリング、エシカル、信頼度の5つと言いましたが、
実は他にも大事な要素がたくさんあります。

上辺だけなぞって、マーケティングするのではなく、
企業のストーリーエッセンスを表現することも大切です。
つまりクリエイティブ・パートとの連携も非常に重要だったりします。

社会貢献して、自社も儲かりながら、社会にも良い影響を与えるマーケティング。
どの企業も気付き・考え・実践することができたら、
世の中もっとハッピーになりますね。皆さんも「儲かるCSR」を実践していきましょう!


<お知らせ>
・2021年3月30日:参加者募集中!次回勉強会「テーマ:デジタル時代のCSR報告」(4/14)

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