食品・飲食(外食)のCSRは「食の安心安全」だけでいいのか?

CSR食品・飲食

食品・飲食・外食のCSRとは何か

安全・安心に絶対はありません。

2014年、2015年と様々な食品・食に関わる企業の不祥事がありました。例えばマクドナルド、まるか食品(ペヤング)などが代表例です。

一部では、異物混入などは消費者の故意の混入の可能性もあるとして、企業の責任ではないという意見もありますが、“企業のせい”ではなくても、“企業の責任”であることは間違いありません。食品を提供する企業すべてに存在するリスクです。

各社の報道のみで詳細や現場の状況などのすべてはわからないため判断しにくい部分はありますが、こういう報道が続くと消費者も敏感になり、今までは素通りされていたものも表面化するようになります。

この絶対的なリスクには、毎日なんらかの形で対応していくしかないのですが、CSR活動となると、もう少し大きな枠で考える必要があります。

食とCSRと社会貢献

食の安全・安心企業ブランド調査2014-2015

食品偽装に関する最近の事件では、2014年7月に報道された上海の食肉加工工場での使用期限偽装事件が記憶に新しい。この事件の影響からか、同工場と取引のあった「マクドナルド」は総合スコアを44.9から33.8へと大きく下げた。
下げ幅11.1ポイントは、全160ブランド中、最大である。同じく取引のあった「ファミリーマート」も総合スコアを下げたが、下げ幅は3.1ポイントにとどまった(55.0から51.9)。食に関するブランドは、事件に巻き込まれると一気にブランド力を落とす。
2年連続首位のサントリーにキユーピーが肉薄 事件に巻き込まれたマクドナルドは大幅ダウン「食の安全・安心企業ブランド調査2014-2015」

食の安全・安心企業ブランド調査(日経BPコンサルティング)とは、「食」に関する国内主要160ブランドを、7つの評価指標に基づき、消費者約1万人に評価してもらい、総合指標となる「食の安全・安心企業ブランド総合スコア」を算出しランキング化したものです。

今回は、1位サントリー、2位キユーピー、3位カゴメ、4位キリンビール、5位キッコーマン、6位日清食品、7位ヤクルト、8位日清製粉、9位カルピス、10位アサヒビール、となっています。

記事の『食に関するブランドは、事件に巻き込まれると一気にブランド力を落とす』というのはまさに、巨大で最大のリスクともいえ、サプライチェーンマネジメント(CSR調達)の重要性を浮き彫りにしたとも言えるでしょう。ちなみに「食の問題に対する不安度」の1位は「食品偽装」でした。

食品企業物流プラットフォーム

F-LINE(食品企業物流プラットフォーム)の構築により、効率的で安定した物流力の確保と食品業界全体の物流インフラの社会的・経済的合理性を追求することを理念とし、この理念を共有する多くの食品メーカーが参画できる形をとった。
食品業界では、物流体制が企業毎に個別化していることが多い。最近ではトラックドライバーの不足や行政指導の強化に対する取り組みが大きな課題となってきている。またCO2削減などの環境保全に対する社会的責任も果たしていく必要がある。今回の食品メーカー6社はF-LINEを通じて食品物流の諸課題を解決するための戦略を協働で立案していく予定だ。
食品メーカー6社が物流プラットホーム「F-LINE」構築

記事によれば、参加する企業は、味の素・カゴメ・Mizkan・日清オイリオグループ・日清フーズ・ハウス食品グループの6社です。食の安心・安全に配慮することは当然として、こういった食品メーカー(食品系企業)が社会的配慮をしたシステムで動いて行くことは、社会的なインパクトという意味では非常に大きいと思われます。

食品業界としては社会貢献的でもあり、実利をともなった仕組みとして活用していきたいということなのでしょう。

顧客を巻き込んだ社会貢献活動

フェアトレードとは、途上国の産品を公正な価格で購入することで、立場の弱い生産者や労働者を守ろうとする取引を指す。割高な値段設定にもかかわらず、お菓子が飛ぶように売れるのは、企業が進めている社会貢献を顧客が追体験しているから。企業と顧客が善の“共犯者”になっていると言い換えてもいい。
1個350円のチョコ菓子なぜ売れる?「善い会社」は客を“共犯者”にする

このバニラビーンズという会社はチョコレートの物販も実店舗(イートイン)も構えています。顧客をいかにファンにできるか。CSRとか社会貢献という枠を超えて、どれだけビジネスにできるか。

こういう仕組みは、一般事業会社と同じく、飲食業・飲食店においてもCSRの概念は必要で重要なものであることは間違いありません。これに対して反対する人はいないでしょう。問題はどうやって考え実践するかだとは思います。バニラビーンズのCSR事例(?)は飲食店にとって参考になるでしょう。

まとめ

もちろん、何をもってして外食・飲食のCSRの失敗・成功を定義するのか、というのもありますが、そのCSRの必要性とか重要性をまずは認識することがとても大切なことだと思っています。コンプライアンス以前の問題とも言えるかもしれません。

他にも「食料廃棄」や「労働問題」なども大きなリスク・課題といえます。店舗で使う割り箸をエコなもの、社会貢献的なものにするだけではなく、日々のオペレーションの中でどれだけ高い倫理観を維持できるか。現場マネージャーの倫理観が現場ではすべてなので、企業担当者には研修を含めた対応をしっかりしてもらいたい所です。

一回の大きな事件で色んなのが一気に吹っ飛ぶリスクがたくさんあり、食に関わる企業経営は大変だと思いますが、適切な情報開示をしていただき、消費者にできるかぎり安心・安全なものを届けていただければありがたいです。

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