食品業界の暗黙CSRルール

突然ですが、僕はCSRの中でも食・農の分野のCSRに非常に興味があります。

今月始めに「2013年7月より、3分の1ルール「納品期限」がテスト的に2分の1に」という話題があり思う所があるのでまとめてみます。

2013年7月より、3分の1ルールの「納品期限」が、菓子・飲料に関して、一部の地域でテスト的に「2分の1」に延長されます。3分の1ルールとは、賞味期限の期間を3分の1ずつに区切り、最初の3分の1で、食品メーカーと卸店は小売店に納入し、最初から3分の1までを「販売期限」とし、そこを過ぎたら棚から降ろす、というものです。

この「納品期限」と「販売期限」の存在により、1500億円以上ものロスが生じています。これが「もったいない」ということで、食品ロスを減らすために、この商習慣「3分の1ルール」の見直しが昨年から始まりました。
(2013年7月より、3分の1ルール「納品期限」がテスト的に2分の1に)

という話です。

こういった環境への負荷低減などはもちろん、CSR活動の重要な部分ですよね。

今までの商習慣が社会全体を考えた時に、ベストな状態とは言えないのだと思います。

食品廃棄物

平成22年度の食品産業全体における食品廃棄物等の年間総発生量は2,086万トンとなりました。これを業種別にみると、食品製造業が1,715万トンで食品産業全体の82%を占め、食品卸売業が22万トン、食品小売業が119万トン、外食産業が229万トンとなりました。食品循環資源の再生利用等の実施率については、業種別にみると食品製造業は94%、食品卸売業は53%、食品小売業は37%、外食産業は17%でした。
平成22年度食品廃棄物等の年間総発生量及び食品循環資源の再生利用等実施率について|農水省

食料廃棄は外食が一番だと思っていたのですが、全然見当違いでした。

食品製造業が、廃棄発生がダントツなんですね。

そのせいか、資源の再利用も進んでいるようですが、食料廃棄物の80%以上を占めるなど、かなりな負のインパクトなようです。

ですので、今回の「3分の1→2分の1」の食品納期の変更など、消費者が少し我慢すれば(実際我慢してもほとんど影響はない)、多くの廃棄物が削減できるのかぁ、と素人ながらに思うわけです。

廃棄物とCSR

大塚食品や、日清製粉などは、
CSRコンテンツの中で、食品廃棄物の資源の再利用について言及しています。

食品廃棄物のリサイクルを進めるために食品リサイクル法が2001年に施行され、事業者に排出抑制とリサイクルが義務づけられたのですが、実際にアクションをして、CSRレポートなどで報告している企業は多くないです。

日本のCSRというと、何か新しい事を始める印象がありますが、今までと今後の自社の根幹のビジネスを振り返ることも重要なようです。

つまり「What」(何をするか)のCSRではなく、「How」(どうやってするか)という自己に答えを求めるCSR活動です。

近々で“ゼロ”にすることはできないかもしれませんが、こういう考え方をもって、それを実行していくことはめっちゃ大切ですよね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

あなたがコンビニで買ったお菓子が賞味期限まで間近という商品だった、ということが今後起こるかもしれません。

しかし、その便利さや過剰な意識が、食品業界の「3分の1」ルールを作ってしまったのでしょう。

ただ文句をいうだけではなく、受け入れる部分は受け入れて、誰かに負荷をかけ続けるような仕組みはなくしていきたいものです。

あなたは、このニュースを聞いてどう思いましたか?ぜひ、家族・友人・同僚・CSR関係者などと、話をしてみてはいかがでしょうか。

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