コンプライアンス違反事例とCSR的なリスク管理の違い

コンプライアンス違反事例

企業コンプライアンス違反事例

コンプライアンスが、企業経営においてリスクとしてやっと認識され始めた感じがします。

コンプライアンス違反が違反だと理解していない。ブラック企業と呼ばれるところが事例と挙げられますが、まずトップが現場に数字ばかり押しつけ、結果、労働関連法の違反が起きるというのは誰でもわかりそうですが、なかなか改善はできません。

今回は、コンプライアンス違反事例として、従業員と社長(代表)の事例を取り上げます。決して他人事ではないので、皆様お気をつけ下さいませ。

NHKの従業員のコンプライアンス違反事例

同社の社員が、出会い系サイトで知り合った女性の財布から現金を盗んだ疑いが持たれたり、酒気帯び運転で逮捕されるという事件が相次いで起こり、同社会長が謝罪会見を行う事態にまで発展しています。おそらく、ほとんどのNHKの社員は真面目に勤務されていることでしょう。しかし、ごくごく一部の人が起こした事件によって、企業イメージは大きく傷ついてしまうのです。
不祥事続くNHK、コンプライアンスを浸透させるには

企業側の直接的な責任ではない従業員個人の法令違反行動で、企業名がメディアに出てしまいブランドに傷がつくということもあります。すべては防げないとしても、最低限の教育・研修は実施すべきなのでしょうね。

コンプライアンスはCSR調達やサプライチェーンマネジメントのように、取引先に求めるものもありますが、多くは社内コンプライアンスの話。発注先からすれば、CSR調達をされる側にもなりますし、非常に重要なポイントになります。

大手企業で従業員が数万〜数十万人いる所は大変だと思いますが、レピュテーションリスクもふまえ、ある程度のコストはかけるべきでしょう。

ここまでくると、コンプライアンスというより、CSR的なリスク・マネジメントというポジションなのかもしれません。

たかの友梨ビューティークリニックのコンプラ違反事例

私の食事会での発言については、録音の一部がマスコミ等に流出しており、私が労働基準法違反を容認しているであるとか、組合活動に圧力をかけた、などと報道されています。これはひとえに、私の、労働コンプライアンスに対する知識や意識が未熟だったからであると深く反省しております。
たかの友梨社長「コンプライアンスの意識が未熟だった」従業員への「謝罪文」

コンプライアンス違反企業事例として、まさにうってつけなコンプラ事例となってしまいました。37年間ビジネスをするという、まさに老舗だったと思うのですが、その慢心が逆に、従業員の締め付けに向かってしまったのかもしれません。

企業は会社法を中心に、様々なハード・ロー(法律)やソフト・ロー(ガイドライン)に従う必要がありますが、これがなかなか難しい。ただし、当事者も多い、人権・労務関連の部分は絶対に遵守する必要があります。ブラック企業と言われて労務問題を抱える企業で、従業員やその家族が訴えられて敗訴している所もありますし。

僕は、コンプライアンスに関しては、トップがリーダーシップを取り、積極的に推進する姿勢を“継続的に”見せていくことが必要だと思います。コンプライアンス憲章みたいな冊子を渡されても誰も見ませんもの。

もし、トップの価値観がブラック企業的(?)だと、企業の規模を問わずもう終わっているとしか言いようありません。オーナー社長の「鶴の一声」で、平気で労働関連法違反が行なわれることなんて、よくある話ですから。

コンプライアンス関連の記事は定期的に書いておりますので、こちらもお時間がある時に確認して下さい。

あの企業もギリギリ!? コンプライアンス違反最新事例と、まとめ記事紹介[2014年]
CSRにおける労働衛生問題とコンプライアンス事例
コンプライアンス事例? コンプライアンス違反と意識調査の3事例
不祥事で注目のレピュテーションリスクマネジメント
マクドナルドのナゲット問題をナゲット食べながら考えてみた

まとめ

従業員は、重要なステークホルダーの1人。で、ステークホルダーとは、利害関係者のことで、基本的に企業と利害が対立する存在です。

従業員が超高待遇な福利厚生をうければ、会社は損失を出します。福利厚生を充実させた所で売上(利益)が、ほどほど充実させた時とたいしてかわならいないでしょうし。

ステークホルダーと企業との利害は対立する。企業はコストを出来るだけ減らそうとするので、ステークホルダー対応はできるだけしたくないと考える。CSRにおいて、「ステークホルダーを重視する」はただのポーズであることが多いのはそのせいもある。

CSRってのは、「△」が多い。

ステークホルダーと企業の正義(利益)は基本対立するので、どちらの言い分も「○」となる。どちらの言い分もその視点では正解となるため、その均衡を保とうとする動きがCSRの一つの役割なのかもしれない。だから、CSRはどちらの「○」も加味した、どれだけキレイで倫理的な「△」を描けるかとなるのかも。

ただし、パワーバランスは平等ではなく、企業側が圧倒的に強いので、いつも従業員が泣きをみるのですが…。

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執筆者安藤光展/CSRコンサルタント
CSR/SDGs経営の専門家。著書は『創発型責任経営-新しいつながりの経営モデル』(日本経済新聞出版社)ほか多数。日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」主宰。1981年長野県生まれ。

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