社会性を認証する「Bコーポレーション(ベネフィットコーポレーション)」

Bコーポレーション

社会性を認証するBコーポレーション

Bコーポレーションだと、利益を追求しなくても株主に怒られないそうです。

ノーベル賞教授も語る、新しい社会貢献型法人「ベネフィット・コーポレーション」』という記事を去年書きましたが、またちょこちょこ記事が上がっていたのでまとめます。

Bコーポレーション(ベネフィットコーポレーション)とは何か。アメリカの「B Lab」という非営利団体が、独自に発行している証明書を得た企業群またはその認証制度のこと。

2006年に設立されたB Labは、独自指標を通じて、各企業が「社会や環境によりよい企業活動を行うことを表明し、行動する会社」であることを証明するための評価を行っており、現在、約1,200社が認定を受けています。

世界では、会社法関連でCSRまわりの法制化が進み、Bコーポレーションはソーシャルビジネス的企業認証みたいなものですね。CSR法制化は、CSR推進企業でなくとも従わなければならない強制力があり、Bコープは任意の認証です。

第4セクターのベネフィットコーポレーション

B Corp.の証明を得たことで、次の3点を利点として挙げている。
1)人材確保:社会にインパクトのある企業で働きたいと考える若者が増えている中、企業として同様の志を持つ人の確保が可能となった。
2)企業としてのブランド価値上昇:消費者やマーケットのベンダーまでもが、良い印象を得ることができるようになった。
3)同じ理想を掲げる企業との協業:志を共有できる企業との、積極的なコラボレーションがしやすくなった。

国連グローバルコンパクトに署名する、みたいなノリでしょうね。とりあえず認証されれば、最低限の社会性は第三者認証がつく、と。

このように利点が多いと考えられるB Corp.の証明書発行が、なぜもっと広まらないのだろうか?その原因はいくつか考えられる。
1)全米ではなく、一部でしかまだ認められていない:米国内で、カリフォルニアやワシントン州をはじめとした、26州と南米のコロンビアのみ、企業形態として認められている。
2)証明書発行までのプロセスで用いられる独自の調査テストが、一部の社会的企業家からは、フェアトレード協会の調査内容に比べ、不明瞭だというだけでなく、その後のモニタリングについてもまだ不十分だという考える人もいる点。
3)特にアパレル業界においては、複雑なサプライチェーン、とくにグローバルな動きの中で、すべてのプロセスをB Corp.化することが非常に困難。そのために、現在アパレルメーカーとしてB Corpの証明書を得ているのは、いづれも小規模の少量生産中心の企業ばかりだという点。

第4セクターとも言われる有名な認証制度ですが、これからが普及期ということもあり、現状ではメリットを確立できない企業も多いということでしょう。アメリカ的である、中小企業の認証が多い、民間認証規格である、などが問題点ということでしょうか。

参照:「B Corporation(Bコーポレーション)」という形態の良し悪しを考える

ベネフィットコーポレーション事例

わたしたちは、社会的な責任を果たすというビジネスムーブメントを四半世紀にわたって開拓してきました。その結果、ベン&ジェリーズはB協同組合の認定を受けました。B協同組合は新しいタイプの協同組合で、ビジネスのパワーを社会問題や環境問題の解決に役立てます。
ベン&ジェリーズはいつも「共存共栄」を意識してきました。ビジネスが成功することで、すべての株主が、材料を生産している人が、商品を作る従業員が、企業が運営するコミュニティが成功することができるのです。
B協同組合|Ben & Jerry’s

日本でも有名なアイス屋さんのベン&ジェリーズもBコープです。

創業者イヴォン・シュイナードはこう話しました。「パタゴニアは100年つづく会社を作ろうとしている。そしてベネフィット・コーポレーション法案は、起業家が据えた価値、文化、工程、高水準などを制度化することによって、パタゴニアをはじめとした使命感に燃える会社に、相続や資本金集め、そして所有者の変換などの際にも使命を継続できるために必要な法的枠組みを与えてくれる」
Bコーポレーション|パタゴニア

法的な仕組みが、企業の事業活動を後押しするのはいいことです。ベン&ジェリーズやパタゴニアのように、創業者のソーシャルマインドが高い企業には特に良い影響が出やすいようですね。

オーナー企業ではない企業となると、まだまだグローバルコンパクトなどの署名とは違い、まだまだ導入は難しいのかもしれません。あとは、登録企業がフットワークの軽い中小企業がメインだそうです。

世界中の大企業は現在様子見というところなのでしょう。もう一点懸念点があるとすれば、アメリカ企業が中心ということでしょうか。つまり、ルール・メイクが得意なヨーロッパでは急拡大は見込めないかもしれないということです。細かい部分はよくわからないので、今後に注目という所です。

B Corp Anthem – B The Change

B Corps are leading a global movement of people using business as force for good.
Bコーポレーションは、世界的な社会貢献ムーブメントをリードしています。

まとめ

法的影響力があるとはいえ、民間認証制度ですので賛否があるのは間違いありません。

認証による税制面優遇もないし、評価のためにはそれなりのプロセスが必要(ようは認証が面倒である)であり、まだまだメリットとデメリットの折り合いがついていない企業が大半なのでしょう。

また、エシカルやフェアトレードで日本でも有名な「People Tree」も、現段階では「アメリカ企業の自己診断」の粋を超えない、とう見解を示したとも言われており、今後のヨーロッパ企業の動向次第という感じもします。

企業の社会化が進んだ未来にはどんな世界が待っているのでしょうか。賛否ある枠組みでもあるとは思いますが、日本も同様の流れが来ることを願っております。

Bコーポレーション(英語)

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