ISO26000の「7つの原則・7つの中核主題」は効果的なツールなのか

ISO26000の、7つの原則・7つの中核主題

「ISO26000」(社会的責任の手引き)発行から丸4年となり、日本企業の取組みにも随分浸透してきているようです。

2010年年末に発行された直後は「CSR報告書のガイドライン」的なポジションだった、CSR/SRの国際規格「ISO26000」。

最近は、情報開示の枠組みというだけではなく、自社のCSR活動のアクションプランを考えるのに使う企業が増えています。枠組みが明確なので(内容そのものは抽象的ですが)情報整理に便利なんですよね。

他にも「ISO20400」(CSR調達のガイドライン、作成中)、「ISO20121」(サスティナブルなイベントのためのガイドライン)など、CSRが大きく関わる国際規格が、ここ数年でどんどんできていきます。もう無視できないフェーズにきていると言えるでしょう。

僕も仕事でISO26000を使った情報開示や、アクションプラン策定なんかのお手伝いをさせてもらったります。というわけで、最近の動向も踏まえながら、ISO26000を再度確認してみましょう。

ISO26000とは

まずISO26000ですが、ISO26000を日本国内で普及・拡大させることを目的に、経済産業省(経済産業大臣)がISO26000の内容をそのままに日本工業規格(JIS)化を進め、2012年3月に「JIS Z 26000」が官報に公示されました、と。

また、経済産業省だけではなく、経団連も「経団連企業行動憲章」を、ISO26000を意識した形で2010年に改正しています。つまり、日本の経済界トップの業界団体もプッシュするガイドラインなんですよ、ってことです。

7つの原則

説明責任
透明性
倫理的な行動
ステークホルダーの利害の尊重
法の支配の尊重
国際行動規範の尊重
人権の尊重

7つの中核主題

組織統治
人権
労働慣行
環境
公正な事業慣行
消費者課題
コミュニティへの参画

ざっくり言えば、ISO26000の言いたいことは、「7つの原則」、「7つの中核主題」を重要視しなさいよ、というものです。原則はCSRの基本的概念、中核主題は具体的なCSR活動の枠組み、といった感じです。どちらかを選ぶとか、そういう話ではありませんので、あしからず。

ちなみに、中小企業でもCSRを考える上で、このチェックリストが使えます。CSR報告書は作らなくても、コーポレート・サイトにCSRのコンテンツページを1つ作り、「私が思うCSRとは(代表メッセージ)」、「ISO26000対照表」くらいは掲載しましょうね。

ISO26000というツール

では企業としてどのように活用すればいいのか。例えば、東芝トヨタ三井化学伊藤園などの「ISO26000対照表」は参考になると思いますので、お時間ある時にチェックしてみて下さい。

ウェブで「ISO26000 対照表」とか、「ISO26000 〇〇」とか検索すれば色々な企業の情報が出てくるので参考にしましょう。

ただ難しいのは、これらを情報開示の枠組みとするだけではなく、実際のアクションプランに落とし込むことですね。こうなると、ただ照らし合わせるだけではうまくなく、カスタマイズが必要になってきます。

ですので、CSR報告書の制作会社とよく話をして、実際のアクションプランを決める過程でアドバイスをもらうようにして下さい。CSRは特に社会性やステークホルダーの視点が重要になるので、第三者のアドバイスは絶対に必要です。独りよがりなアクションプランを作っても、CSRとは呼べないですからね。

CSR報告書

もちろん、CSR報告書でも参考ガイドラインとしてGRIと2トップとなってきている印象です。フレームワークが明確だし、ISO26000と自社の活動の対照表(項目)が作りやすいですよね。

活用が進んでいる企業では、ISO26000をフレームワークとしてアクションプランに落とし込み、PDCA設定とKPI設定を行い、その情報開示をしています。

グローバルで事業活動をする上場企業などでは、国をまたいでCSR活動をするため、グローバルな自社のCSRルール作りが必要になります。そうなると、日本独特のCSRルールから離れる必要があり、国際的なガイドラインに準拠する必要性がでてきます。

という流れで、多くは企業は今ISO26000を中心とした、CSRの概念作りを始めたよん、ということ。2010年の発行から時間がたって随分浸透してきたというのもあるんじゃないですかね。ただ、現実的には、ISO26000を実践活動に活用できておらず、CSR報告書のガイドラインとして使うというだけの企業の方が多いと思います。

まとめ

ISO26000を改めて振り返ってみると、かなり便利なツール(ガイドライン)だと再認識しています。

もちろん、これは企業の規模には関係なく「7つの原則・7つの中核主題」をそのまま、自社ウェブサイトに1ページでもいいので掲載すべきでしょうね。

ISO26000の自社チェックシート(セルフチェックシート)や、CSR調達用のアンケート(質問表)もクライアントからの要望で作ったこともありますが、便利っちゃあ便利なガイドラインだと思います。以下の記事もご参考までにどうぞ。

「GRI/G4」から「GRI/Standards」へ–CSR報告ガイドライン競争に終止符を打てるか
CSR調達におけるガイドラインと顕在化するリスク
SDGsと企業CSRとの整合性の接点「SDGコンパス」



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