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日本人はどんどん利他的になっている? 「日本人の国民性調査」(2014)

利他的

日本人の国民性調査2014

自然界で、人間は最も社会性の高い動物である。

と、誰かが言ったような言わないような。

冗談はさておき、日本人は利己的ではなく利他的だった、なんてデータ発表されたのでシェアします。

東日本大震災から3年以上たち、ボランティアやソーシャルマインドは少し前の状態に戻ったのかとおもいきや、実はまだまだあるんだぜ、っていう話です。

他の利他的な情報や、ソーシャルマインドを計る統計データなども合わせて確認してみましょう。

日本人は利己的ではなく利他的

日本人は利己的ではなく利他的-。30日公表された統計数理研究所の国民性調査で、「日本人は他人の役に立とうとしている」と考えている人が過去最多の45%に上ったことが分かった。逆に、「日本人は自分のことだけに気を配っている」とするネガティブな考えは42%にとどまり、調査開始以来初めて、肯定的な回答が否定的な回答を上回った。
日本人は「利他的」、過去最高の45% 初めて「利己的」上回る 国民性調査

産経の記事です。東日本大震災の影響が大きいとのことですが、大災害とはいえ、一つの社会現象(自然現象)が国民性や社会全体の流れを変えてしまうというのは、良くも悪くも、色々考えさせられる所でしょう。

CSRや社会貢献的には、追い風のデータであることは間違いないでしょう。ただ、社会貢献をしたほうが良い思う人はたくさんいるけど実際行動する人は少ない、みたいな傾向を覆すことが出来ていない以上、参考程度の情報にしかならない、ということなのかもしれませんが。

データの詳細については、統計数理研究所「日本人の国民性調査」へどうぞ。統計数理研究所では、1953年以来5年ごとに「日本人の国民性調査」という社会調査を継続実施しています。

利他的行動のデータなどは、以下の記事も参考にしてみて下さい。

社会貢献活動が、なぜ幸福感向上につながるのか
ステークホルダー・エンゲージメントと幸福度の関係性
社会貢献は新しい幸福論か? CSR的未来がわかる本「新・資本主義宣言」

「大勢の命」からは目をそらしてしまう理由とは

少女に対して助けの手をさしのべようと思うのは、その行動をとることによって自分がよい気分になり、温かい気持ちになるからだとのこと。そのため、統計データの規模が大きくなると、飢えに苦しんでいる人々の存在が非常に大きなものであることを感じ、「自分にはどうすることもできない」と考えるようになると論説しています。

言い換えれば「人は、何かできることがあると思っても、一方で何もできない事柄に直面すると、行動を起こすことそのものを止めてしまう」となるわけですが、スロヴィック教授はこれを「効率性」の感覚によるものと指摘。「仮に私たちの脳が『非効率的である』という幻想を抱くと、『これは大きな問題だ。私が寄付したところで効率的になるのだろうか』と考え、寄付するモチベーションが下がってしまうのです」とその現象について語っています。
「ある少女の命」は助けても「大勢の命」からは目をそらしてしまう理由とは

ライフハック系メディアのgigazineに非常に興味深いレポートの和訳記事があったので、シェアします。

要は、脳と感情の問題で、「少女」を救おうと思う人でも、「1億人の子ども」は救おうとは思わなくなると。CSR活動でも他社からの寄付を集めるプログラムを運営する企業の方は必見です。こういうデータを見ると、人間って本当に気まぐれだよなぁ、と思います。

社会起業家、NPOスタッフ、熱意のあるCSR担当者。彼ら・彼女らは熱心にソーシャルマインドについて、講演・セミナー・書籍・ブログなどで発信しますが、結局、人の心を動かせる人って、こういう所を経験則で知っているのかもしれませんね。

寄付と行動心理学の話は以下の記事も参考にしてみて下さい。

幸福とCSRは相関する?心理の本質を捉える「幸福の戦略」
なぜ企業はCSRを求められるのか〜性善説と倫理観はコミュニティのためか?

ソーシャルな生き方・働き方

現実の、生活とか働き方の調査は、以下のレポートなんかが参考になると思います。もちろん、ソーシャルな領域もしっかりレポートされています。

生活定点2014
未来の働き方‐2022年までの変遷と展望(PDF)

特にPwCのレポートは興味深いです。世界的に消費者は企業にCSR的なものを求めるようになる、という話なのですが、2022年でどうなっている未来予想図がまた面白い。グローバルな世界の潮流に興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。

他には、人はなぜ利他的な行動を取ると幸福感を得られるのか、みたいなデータもまとめていますので、気になる方は以下の記事もチェックしてみて下さい。

コンシャス・キャピタリズムの解説書「世界でいちばん大切にしたい会社」
お金がなくてもできる社会貢献? 仏教的ライフハック「無財の七施」

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回のまとめは、CSRとは直接関係ないですが、こういった行動心理学とか行動経済学的な部分もCSR担当者は知っておくべきだと思うんですよね。CSRコミュニケーションとかにも、実際役に立つし。

CSR報告書やCSRコンテンツサイトも、優等生な「悪くないけど、良いというほどでもない」みたいなコンテンツではなく、感情にドーンと訴えるようなものにしないとダメですね。「社会を変える!」みたいなコピーを書く企業も多いけど、それ、本気で思っているの?みたいに感じる所が大半。

「CSRで社会を変える!」というポーズだけではなく、こういうデータ分析をしっかりコンテンツに反映して、実行してもらいたいですね。言うだけなら、だれでもできる。それを実行することにこそ価値がある。

というわけで、摩訶不思議な人間の利他的行動についてでしたが、あなた自身はどう思いましたか?ぜひ、まわりの人と話をしてみて下さい。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]