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東洋経済CSRセミナー

昨日、第三回東洋経済CSRセミナー「本当のダイバーシティ」に参加してみましたので、まとめます。

今回はダイバーシティの話というか、基本的にLGBT関連の話でした。

基本的なスタンスは、LGBT対応はリスク対応であると。従業員にも顧客にもLGBTはいる(全人口の5%以上いて、どのコミュニティにもいる)。だから配慮すべき、と。

で結論からいうと、LGBTへの理解があり支援が出来る人「ALLY(アライ)」を社内に増やす事が重要であると。CSRとしてLGBT対応するなら、このアライという支援者・理解者の存在がかなり大きなインパクトを持つと思いました。

では、以下、セミナーのメモです。あなたの気付きになれば幸いです。

あっ、一応有料セミナーなので、資料や詳細は公開しませんのであしからず。

ダイバーシティとLGBT

ダイバーシティは色々な枠、「テーマ(カテゴリー)」、「働き方」、「セクター」が必要。

ダイバーシティが、ガイドラインがあるからするのではなく、企業が哲学(トップの理解)をもって対応すべき。

対処療法でのダイバーシティは日本でも進み始めているのかもしれない。

今後は海外のアクティビスト(NGOなどの活動家)から叩かれる。リスク対応としてのダイバーシティ。

LGBTは人権の問題。LGBTの日本のマーケットは5兆円とも言われる。

そもそも仕事をどう評価するか、がマイノリティ対応なのかもしれない。外資系は能力主義と言われるが、こういった趣向が強いのかもしれない。

海外ではLGBTのカミングアウトは少なかったりする。そもそも隠してないから。だから受ける差別もなくはない。

トップのコミットメントがあれば浸透する(当たり前)。社内でアライをどう見つけるか。

チャレンジをする文化を作ること。フェア(公平)な文化を作ること。誰もが使える制度を作る。

たった5%のために施策をすると考えると、基本企業は対応できない。しかし、従業員一人ひとりを大切にしようと思い対応することが重要。

会社の支援が重要。福利厚生の拡大。

まずは、LGBTに関する「成文規定」をすべき。ほんの一文でも、LGBTへの対応ができる。

同性結婚がゲーム中でできないだけでも、ネガティブ・プロモーションが行われることになる。とにかく、同性結婚はナイーブなもので、これに寛容な姿勢を見せないと、コンプライアンス的にマズいと。叩かれるという意味で。

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パネルディスカッションの様子

CSRとしてのLGBT対応の雑感

ここからは僕の雑感です。

現実的には、セクハラ・パワハラの研修の中で、LGBT差別につながる発言もセクハラですよって話をすることでしょうね。

ただ、会社の外に出て飲み会すると、セクハラトークするオヤジ達が多いですよね、女の子いるのに、彼氏とはどうなの?的なことから、彼氏の男性器のサイズはどうとか…。そういう社外の無法地帯を仕切るには、その人の意識をどうにかするしかないとも思いますけどね…。

ただ、LGBTだからすべての権利を認めろ!と言われても、実際問題として企業としては対応が難しいのかなと。言葉は乱暴ですが、そこまで突っ込まれると、じゃあ君いらないから、どこでも好きな所行ってくれとなってしまう気持ちもわからんでもない。

もちろん、差別はしていけないし、職場でのLGBTへの差別は絶対してはいけませんが、すべての権利を企業が受け入れられるかというと、大手だけかなと。地方の中小零細企業が対応できるとは思えません。だから企業の多くは、根性論が通じる男社会になったとも言えますが。現実的に。

では、実際はどうしたらいいか。

日本では、カミングアウトが難しいため、個人をフィーチャーできない。よって当事者が見えにくい。だからこそLGBTへの理解があり、支援が出来る人「ALLY(アライ)」が増やすことが重要。

理解者です、と社内のパワーがある人が支援者宣言をすることで、カミングアウトする人を増やすことも重要。あとは、その人たちからフィードバックをもらいながら進めて行くことも必要。

配慮する(許容する)文化ができてくれば、職場の飲み会のセクハラも減るんでしょうかね。下ネタはコンテクスト(文脈)が合えばめっちゃ盛り上がるのですが、職場の飲み会ではリスクでもありますかね。

CSR界隈だと女性活用はメリット(経済性)の話も結構出てきますが、LGBTはコストというか配慮すべき対象者という印象もありました。リスクを減らすというのは重要なコスト戦略なんでしょうけど、もう少し定性的な話ではなく、定量的な話も聞きたかったかなぁ。

LGBTフレンドリーって何ができたらそうなるのか、というのも知りたかったかも。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

現実的には、LGBT対応をダイバーシティと対応するには、「リスク・マネジメント」として経営者が理解することが一番早いのかもしれません。任意の社会正義としての対応となると、コストにしかならないので、現実的にはほとんど動かないでしょう。

今回学んだことは、コンプライアンスというか、リスク・マネジメントとしてLGBT対応について社内で話合いましょう、ということでしょうかね。

具体的な施策としては、LGBT支援者であるアライを社内に増やす事。「LGBTの人は手を挙げて下さい!」なんて日本企業じゃできないだろうし、社長を中心としてアライもいるし、支援できる仲間がいるんだよと、隠している人にメッセージを届ける事。

CSR全体でも言えることですが、「What」(どんな活動をするか)ではなく、「How」(どうやって活動をするか)という、現在ある組織戦略プロセスを見直すことが必要なんでしょうね。

ちなみに、無料ブログサービスのアメブロには「LGBT(セクシュアル・マイノリティー)」というジャンルがあるんですね。すげー。こういう自社サービスに要素を組み込むというのはアリですな。

メモ的ではありますが、あなたの気付きになれば幸いです。ちなみに、次回は12月上旬を予定。あくまでも予定ですが。

■過去開催のレポート
・第一回レポート:現場経験者が語る、企業が社会貢献をすべき理由
・第二回レポート:結局、戦略的なCSRは競争戦略として成り立つのですか?

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