CSR報告書の参考にすべきCSRガイドライン7選[2013年版]

CSRガイドライン

CSRガイドラインの役割

あなたはCSR報告書のガイドラインと言われたら、何を思い浮かべますか?

今回は「CSR報告書の参考にすべきCSRガイドライン7選」と題しまして、注目すべきガイドラインをまとめました。

もちろん、CSRに関するガイドラインはCSR報告書を作成するためだけにあるのではなく、CSR活動を俯瞰してみて、過不足なく推進するためのフレームワークともなります。

というわけで、CSR担当者・CSR報告書担当の方にオススメの記事となっておりますが、CSRを支援する方はもちろん、NPOの方にもしっかりとチェックしてもらい記事です。

企業がどのようなガイドラインで動くかを知る事で、NPOとして企業にどう価値提供ができるかを探ることもできますし。

他にも以下の記事がさんこうになるでしょう。

CSR報告書担当者必見! CSR報告書の報告書からみる未来図[2014年版]
2013年のCSR報告書動向を振り返る「KPMGによるCSR報告に関する調査」

CSR報告書の参考にすべきCSRガイドライン7選

1、ISO26000

ISO26000(SR/CSRの国際規格)とは何か。

ISO26000とは、2010年11月1日に発行された、社会的責任を実施する上で組織が何に、どのように、取り組むべきなのかに関する手引きを提供する国際規格です。

組織の規模・業種を問わず利用できるものであり、この規格は手引きであり、第三者認証を目的とした規格ではありません。CSR(企業が主語)だけでなく、様々な組織に関わるものです。

メインとなる考え方は、「7つの原則」と「7つの中核主題」です。

7つの原則「説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人権の尊重」
7つの中核主題「組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画」

極論で恐縮なのですが、これらは事業活動において本来“当然されるべきこと”なのですが、フェアトレードやエシカルなどというマーケティング用語で置き換え、それが偉いみたいな風潮があるのも事実。

また、中小企業の場合にもこのフレームは重要です。実施内容は大手とは異なりますが、全ての事象について考慮する必要があります。最近は、CSR報告書で準拠したガイドラインとして定着しつつあります。

ISO26000発行から丸二年ーISO26000のトレンド再考

2、GRIガイドライン

GRIとは、Global Reporting Initiativeのことで、CSR報告書のためのガイドラインの作成・普及を目的としたNGOです。世界のCSR報告書でも多くの企業が採用するガイドラインです。

CSR報告書ガイドラインづくりを目的とする国連環境計画(UNEP)の公認協力機関でもあります。「GRIサステナビリティレポーティングガイドライン」とも呼ばれます。最新のG4の日本語訳を日本財団が発表しています。

GRI Sustainability Reporting Guidelines(G4)日本語版(暫定版)の発表について

歴史あるガイドラインですので、準拠するかどうかは別としても、必ずチェックすることをオススメします。上記のリンクページの資料は日本語ですので、安心して読みふけって下さいね。

3、グローバルコンパクト

グローバルコンパクトのガイドラインは、主流とまではいかないものの、メジャーなCSRガイドラインです。GCの某部会で講演(?)をさせてもらったこともありますが、かなり良い感じのガイドラインです。

ガイドラインの中身は「国連グローバル・コンパクトの10原則」として、4カテゴリー10項目で区切られるものが有名です。カテゴリーとは「人権・労働・環境・腐敗防止」の4つです。認証規格といいますが「この宣言に署名する」という形で加入する枠組みです。

ですので、署名企業は必然的に、CSR報告書もグローバル・コンパクトの方針に沿った形になります。ちなみに、署名の多くは大手企業ですが、中小企業も加入することはできるみたいです。

原則01: 人権擁護の支持と尊重
原則02: 人権侵害への非加担
原則03: 組合結成と団体交渉権の実効化
原則04: 強制労働の排除
原則05: 児童労働の実効的な排除
原則06: 雇用と職業の差別撤廃
原則07: 環境問題の予防的アプローチ
原則08: 環境に対する責任のイニシアティブ
原則09: 環境にやさしい技術の開発と普及
原則10: 強要・賄賂等の腐敗防止の取組み

グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク

4、環境報告ガイドライン

環境省ガイドライン。2012年に改訂がありました。こちらも、2000年代前半の「環境報告書全盛期」時代に大変よく活用されたガイドラインです。

ちなみに、前述のGRIガイドラインも加味して作られたみたいなことが書いてあります。“環境の話”だけではなく、守備範囲を広くしたぜ!って感じです。といいつつも、環境に関する視点の割合が多いので、CSR報告書のガイドラインとしては、参考程度にという所が増えるのかもね。

どちらにせよ、一読する価値は高いので、ぜひ一度目を通すことをおすすめします。

環境報告ガイドライン(2012年版)|環境省

5、CSRチェックリスト

さいたま市が発行する「CSRチェックリスト」なるガイドラインもあります。「さいたま市CSRチャレンジ企業認証制度」の一環として発行されているのでしょうかね。

ちなみに、このイベントに先日参加してきましてレポートとまとめを「中小企業のCSRの本質は何かを考えるための3つのポイント」として書いてます。

国際的なガイドラインや、省庁のガイドラインは絶対一読すべきなのですが、汎用的すぎて大手企業しか準拠したCSR報告が出せないのが難点なのです。

さいたま市の今回の取り組みとチェックリストの策定は個人的にとても好感度が高いです。「現場的」なガイドラインにもなる冊子って、なかなかないですからね。

あと、これは読み物としても結構面白いです。もちろん、委員の方の色がよくでているというのもあると思うのですが。

CSRチェックリスト|さいたま市(PDF)

6、東商企業行動規範

東京商工会議所が出している、中小企業向けのCSRチェックリストというものがあります。様々な事象を網羅していますが、チェック項目は少なく、確認しやすいものとなっております。

以下のリンクページには「ソーシャルマーケティングの勧め」なるレポートもあり、8事例が掲載されています。僕は正直、汎用性がなく、ただのケーススタディで終わりそうなきがしているのですが、読んで損はないと思います。

恩藏先生の話は個人的に大好きなのですが、現場的な解釈は少ないため、実行には難しいかも…。何はともあれ、一読してみましょう。

中小企業経営者のための社会的責任(CSR)対応チェックシート

7、統合報告書

あとは、ガイドラインというかメガ・トレンドとして、「統合報告書」があります。

統合報告書とは、企業の売り上げなどの財務情報と、環境や社会への配慮、知的資産から、ガバナンスや中長期的な経営戦略までを含む非財務情報を投資家などへ伝えるためにまとめた報告書のことです。

2013年12月9日、IIRC(The International Integrated Reporting Council)から「国際統合報告フレームワーク」が公表された。統合報告は、企業の財務情報とESG(環境、社会、コーポレートガバナンス)情報とも呼ばれる非財務情報を統合して開示するものです。

また、東洋経済の調べでは、以下のような発行企業数になっています。

「あり」:12.7%(118社)
「なし」:73.4%(680社)
「作成予定」:5.9%(55社)
「その他」:6.5%(57社)
統合報告書を発行している会社は12.7%の118社(2014)

メガ・トレンドとはいえ、数年でどうこうするものでもなさそうです。CSR報告書でさえ、日本の420万社ある法人のうち2000社に満たない企業しか発行してないのですから、微々たる数です。

発行数は微妙でも、投資家等に与えるインパクトは大きいです。ですので、経済的なインパクトは今後も急拡大するのでしょうね。

まとめ

上記に挙げたガイドラインは、CSR報告はもちろんのこと、日々のCSR活動における過不足を確認するフレームワークとして活躍します。

中小企業の場合は、リソースの関係上すべての項目に準拠することは不可能ですが、CSRとは何か、そしてCSR活動ですべきことは何かを確認するのに便利だと思います。現実的には5番のCSRチェックリストがCSR報告・CSR活動のフレームワークになるでしょう。

あと、一番気をつけるべきは、これらはあくまでもガイドラインであって、実際の活動そのものの直接のヒントになることは少ないという点です。

あくまでもガイドライン。そこにとらわれすぎず、自分たちの目指す未来に向かって日常の事業活動に勤しんでいくことが大切です。ガイドラインにふりまわされないよう、お気をつけ下さいませ。

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