ソーシャルメディア時代のCSRがわかる良書「正義の会社が勝つ」

ソーシャルメディア時代のCSR

昨日、「正義の会社が勝つ–WHO CARES WINS」という、
CSRとソーシャルメディアに関する本を読んだので書評としてまとめます。

サブタイトルが、「ソーシャルメディア時代のCSR」というだけあって、
様々な事例から、ソーシャルメディアが普及した現代において、
CSRを意識したウェブコミュニケーションについて書かれています。

日本の事例は、東日本大震災くらいでしたが、
全章で、リスクコミュニケーションというか、企業のあり方を解説しています。

読み応えはあったのですが、著名な事例が多かったり、
何かユニークなオピニオンがあったりというわけでもなかったので、残念でした。

これから、ソーシャルメディアとCSRを学びたいという人にオススメですね。

CSRの3つの時代

本書では、CSRのステージを3つにわけで解説しています。
大きな流れではありますが、一部を簡潔に紹介させていただきます。

1、イメージの時代(90〜00年代)

環境問題を中心として、新しいイメージ戦略(コミュニケーション)が始まった時代。
実際に企業のあり方を変えるのではなく、イメージ戦略として、
コミュニケーションの手法が変わっただけに過ぎなかった。

だから、事実とは異なるイメージを伝える「グリーンウォッシュ」が広がったのです。

92年にグリーンピースがグリーンウォッシュ報告書という手厳しいものを発表し、
実態とそぐわない環境関連のコミュニケーションやマーケティングを批判したのです。

この時代の問題は、環境活動をしないこと、もそうなのですが、
詐欺に近いコミュニケーションによるイメージ戦略が横行していた、ということです。

2、アドバンテージの時代(00〜10年代)

インターネットの普及による、コミュニケーションの大きな変化があった時代です。

インターネットが普及し、嘘がすぐバレる時代となりましたが、
逆に真摯に社会的責任をまっとうしようとする企業を評価する動きも出てきました。

CSRがイメージ戦略であることにはかわりはないのですが、
ビジネスとの統合を模索し、企業のベクトルとしてCSRの考えを取り入れるようになったのです。

日本でもエコを中心に、企業戦略のパイオニアたちは他社との差別化を成功させ、
競争優位のポジションを獲得した時代です。

3、ダメージの時代(2010年〜現在)

第一の時代はイメージを作ることが重要で、活動そのものはどうでもよかった。
第二の時代はイメージも実際の活動も重視することに焦点があった。

第三の時代である現代においてはリスク回避としての時代に入ったという主張です。
僕もそれは同感ですね。リスク・ヘッジのためのCSRという側面もありますから。

昨今のブラック企業論のように、正解が何かは別として、
消費者や関係者に不安を与えるような企業活動は叩かれます。

まぁ、しかし、CSR推進企業と言われても、ブラック認定されることも多いので、
まさにコミュニケーションにより慎重になるべき時代とも言えるでしょう。

ソーシャル・マーケティング

また本書ではソーシャル・マーケティングについてもオピニオンがあります。

ソーシャルメディアの普及で、開かれた時代に突入しました。
消費者は、企業・ブランドが良い悪いというのもさることながら、
企業・ブランドの“行動”により注目するようになりました。

ブランドが有名だからファンになるということは少なくなり、
ブランドの“行動”に共感したから、ブランドのファンになる、というような流れです。

ブランディング論の詳細については割愛しますが、
ブランドの価値はより消費者よりになったと言えるのかもしれません。

このあたりも事例を交えて紹介されています。

ソーシャルメディアを中心としたウェブコミュニケーションが大きく変化した現代。
マーケティングのそのものの変化をきちんと見極めていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本書は、「正義の会社が勝つ–WHO CARES WINS」は、CSR関係者より、
マーケティングや広報、営業などの方にオススメです。

ソーシャルメディアによって変わったウェブコミュニケーション。
変わってしまった以上、それを嘆いても仕方がありません。

言い訳は通用しません。いつかバレます。

時代の変化を学びながら、自社のコミュニケーション戦略の参考にどうぞ。

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