CSR/SDGs広報をサステナビリティ経営に活かすための3つのポイント

CSR/SDGs広報

CSR/SDGs広報のポイント

先日、とある広報系のイベントに参加させていただき、広報活動や広報戦略の中でもCSR/SDGsという文脈が注目されているんだなと感じました。

当ブログにも書いているのは「CSR的広報 ≒ PR(パブリックリレーションズ)」ではないか、ということです。CSRもPRもマルチステークホルダー・プロセスであり、視点・視座は非常に近しい部分がありますので。ただし、広報は良くも悪くも広報でしかないので、そのあたりはCSRや経営企画の部門がオペレーションを支えるようにしたいところです。

というわけで本記事では、CSRやSDGsの文脈における広報術をまとめたいと思います。

広報担当者の興味

・「SDGsへの関心あり」85.8%
・「ESGへの関心あり」69.4%
(広報会議編集部「企業の広報・PR活動に関する調査 2020」)

広報部門が、より社会やステークホルダーのニーズに対して感度を高めている、ということなのでしょうか。当然、CSRやIRの部門から積極的な情報発信を促されている、などの社内事情も影響しているかもしれません。一部上場企業であれば、それなりに外部から開示圧力があるでしょうから。

ただ、上場企業であればIR担当者がいるので、広報担当者にとってはESGよりはSDGsの方が関心度が高い、となっているのでしょう。

1、ニュースバリューの視点

CSR/SDGs広報で、気を付けるべき点の一つは「その情報は社会およびステークホルダーにとってどのようなニュースバリューがあるのか」です。つまり、ステークホルダーの情報ニーズに対応できていますか、と。ステークホルダーでも、投資家と消費者では求める情報が異なります。細かくいえば投資家の中でも情報ニーズが異なるくらいです。

理想でいえば、各ステークホルダーを“その他大勢”ではなく、個人の人格としてみているのかという点に注意することです。例えば、消費者というステークホルダーは厳密にはいません。一人一人異なる消費者という数万人のステークホルダーがいるというわけです。もちろん、BtoC企業になれば数千万人の顧客となるステークホルダーがいる場合もあるでしょうし、現実的な対応は不可能ですが、それくらい雑にステークホルダーを扱わない、というスタンスがあるかどうかです。

ではそれらの情報ニーズはどのように把握すればいいのでしょうか。

その一つが、ステークホルダー・ダイアログであり、広報でいう「公聴」になります。企業側がステークホルダーの意見をどこまで聞けるのか、ということです。エンゲージメントもダイアログもですが、双方向もしくはステークホルダーのヒアリングが重要なのであって、企業が一方的に情報発信をする場ではないということです。

社会の潮流を捉えて、そこに自社の活動を重ねていくアプローチ。広報では、自社サービスとマストレンドとの接点を作ることがCSR的にもよいです。イメージとしては、自社の新商品・新サービスの単なる紹介ではなく、社会課題解決にこの新商品がどう貢献できるのか、顧客満足を高めながら同時に社会問題解決にどう貢献できるのか、をアピールするイメージです。

こういう社会の文脈にのせて自社の商品・サービスの情報発信ができると、CSR/SDGs広報と呼べるプロセスが作れます。

2、ローカライズという課題

現在課題になっているのは広報の「ローカライズ」です。グローバルな視点で語られているSDGsやCSR/ESGをどこまで、国内、そして自社の活動に落とし込めるかがポイントです。

たとえば、グローバルイシューであるSDGsをそのまま日本の従業員に紹介しても理解できる人はいません。イメージがしにくく腹落ちしにくいからです。ですので場面によってはSDGsという単語を使わず、ステークホルダーがより理解しやすいワードを使う必要があります。私はこれを「相手の単語を使う」と言っています。ぜひ覚えておいてください。

ビジネスにおけるSDGs対応の本質は「グローバルな地域で展開される“ローカル課題”への対応」です。ここに潜む価値をどのように見つけて、どのように最大化するかを考えるべきなのです。 特に広報の場合は、形こそ色々ありますが本質は「伝えること」なので、当然伝わりやすい形に情報加工をする必要があります。

また、広報の役割の一つは「言語化すること」です。つまり自社が取り組むべき社会課題を明確にすることで、そもそも何が問題かを明確にすることができます。

3、「問い」を持つ

CSR/SDGs広報は、以下のような問いを常に持つと軸がブレないでしょう。

・どれだけインパクトを社会に生み出せるか
・どれだけ市民の社会的関心に応えられるか
・どのような企業価値向上に貢献しているか

CSRやSDGsの範囲が広く具体的なイメージがしにくいからこそ、方向性を見失わないようにすることがポイントです。「社会的インパクトを創出する」「ステークホルダー・ニーズに応える」「価値創出にフォーカスする」という3つの役割を広報が担うことができたとすれば、相当に強い組織になるのだと思います。私のイメージでは、CSR部門はオペレーション、広報部門はアクセレーター、みたいな形です。

まとめ

広報やマーケティング領域では、まだまだ「グリーンウォッシュ」や「SDGsウォッシュ(レインボーウォッシュ)」な企業が多いですが、やり方によっては、かなりビジネス成果を出せる方法論だと考えています。

私は実際に広報部門の方とする仕事も多いですし、広報の役割や意味合いの重要さに改めて気づいたここ数年です。

CSRでは「統合思考」という、部門横断の組織力で乗り切る、みたいな姿勢が重要視されていますが、ESG投資の非財務情報開示と相まって、広報やIRの部門とCSRの部門の連携が進んでいます。(一部の企業では、ですが)

今回紹介した3つのポイントをふまえて、今一度、広報は、戦略的にCSR/SDGsに取り組む、ということの意義を明確にし、まずはどうやって社内を巻き込むかを考えたほうがよいでしょう。ご参考までに。

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