CSRとしての「ミッション・ビジョン・バリュー」という企業価値

自社の理念を知ってますか?

毎朝、社訓を大きな声で唱和する。

そんな営業会社に勤めていたことがあります。売上目標などもありますが、一般社員だった僕には、会社が目指すゴールは見えてきませんでした。

今回は、CSRを推進する上で、再重要項目の理念体系「ミッション・ビジョン・バリュー」を解説します。そんなの知ってるよ、という人もいると思いますが、復習も兼ねて今一度見直してみましょう。

経営層ではないから関係ないや、と思ったそこのあなた。これらは、個人の活動にもあてはまることです。そういう方は企業を自分に置き換えて考えてみて下さい。

経営の3点セット「ミッション・ビジョン・バリュー」

ミッション

企業の使命や存在意義を示すもの。経営理念。企業が日々業務をすることで、どんな社会創りに貢献するのか。

企業のゴールですよね。これなくして、企業とは言えません。中小企業でも社員が一人でもいれば立派な組織です。経営トップの思い描く未来を言葉にして共有する必要があります。

ビジョン

企業がある時点までにこうなっていたいという達成像を示すもの。

ミッションをどう実現するかを具体的なゴールとして示すもので、ミッションに具体性をもたらすものとも言えますね。通常は、具体的な達成期限とともに示されます。

従来、経営ビジョン、環境ビジョン、CSRビジョンなどは、別々に示されていることも多いです。でもそれはNG。そんなにたくさんの道筋を辿っていたら、ゴール(ミッション)に到達することはできません。もちろん、細かい指標は様々なものがあってもいいと思います。

バリュー

ミッションを実現するために社員が持つべき価値観、行動規範を示すもの。

企業が本当に重視する価値観、行動規範をシンプルに示したもの。このあたりは、リッツカールトンのクレドのようなものと考えればよいでしょう。コンセプトとか、具体的な理念もバリューの領域と考えて良さそうです。

なお、元GE会長のジャック・ウェルチは、ミッションを作るのは経営トップの責任だが、バリューの策定については、できるだけ多くの社員が参加すべきだとしています。

実施段階別取り組み

ステップ1

最初ステップは「マーケット調査」です。

社会や市場が長期的にどう変化していくかを、様々なフレームワークを用いて整理し変化を洞察します。ステークホルダーや有識者などとの対話も重要ですね。また、自社のCSR活動の長期目標設定を確認することも重要。

ステップ2

次のステップは「現状分析」です。

自社が綿々と培ってきた、自社ならではの強み、提供価値について、社内議論を中心に改めて整理します。僕は「宝探し」と呼んでいます。まったく社会の誰の役にも立たない企業というのはほとんどありません。今までの事業活動を通じ、誰の何に貢献してきたかを見直すことで、その社会性に気付くことができます。

ステップ3

そして、3つ目が「ビジョン策定」のステップです。

「社会・市場の変化」と「自社ならではの強み」を突き合わせ、自社の将来の姿を描き出していきます。今後重要となる社会課題と自社ならではの、解決策を組み合わせる作業と言ってもいいでしょう。「自社ならではの強みを活かした提供価値を通じて、社会をどう変えたいか?」と、問うことが重要です。

社会を変える。今の社会に大満足している人は皆無だと思います。だったら自分たちは、社会における誰の何の“困った”を解決できる、商品・サービスを提供していくのか。

まとめ

ちょっと難しい話しでしたが、結論、理念体系見直しましょうということです(笑)

お金を生む作業ではないので避けられがちですが、理念を見直すことで、創業の頃の想い、経営者の熱き想いを知る事がきでるかもしれません。

社会が大きく変化している中、漫然と目先の利益を追求していくのは、極めて危険なことです。時代が変化している以上、“今”に留まることは得策ではありません。

あなたの会社の事業活動が、誰の何に貢献し、どのような社会を作っていくのか。

数年後、数十年後、社会に必要とされる企業として残るのは、あなたの会社なのか、それとも競合企業なのか。決めるのはあなたではなく、消費者・取引先・社会を構成するステークホルダーです。

事業とは別に社会貢献をするのではなく、ブランド(企業)を強く意識し、CSR理念を構築してみてはいかがでしょうか?

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執筆者安藤光展/CSRコンサルタント
CSR/SDGs経営の専門家。著書は『創発型責任経営-新しいつながりの経営モデル』(日本経済新聞出版社)ほか多数。日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」主宰。1981年長野県生まれ。

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安藤光展のプロフィール
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