企業価値向上とCSRの、相関関係と因果関係からKPIを考える

CSR企業価値

企業価値向上とCSR

あなたは、本気でCSR活動が企業価値向上につながると思っていますか?

今日は「相関関係と因果関係」についてまとめます。といっても、学術的にどうこうではなく、CSR活動において考えます。

最近は、「CSR企業評価」の仕事もさせていただいており、CSR活動が企業経営に与える実際のインパクトやKPIについて興味があります。

そんな中モヤモヤしている所があったので、自分の考えを整理する意味でもまとめます。

相関関係と因果関係

相関関係があるだけでは因果関係があるとは断定できず、因果関係の前提に過ぎない。「相関関係は因果関係を含意しない (Correlation does not imply causation)」は、科学や統計学で使われる語句で、2つの変数の相関が自動的に一方がもう一方の原因を意味するというわけではないことを強調したものである(もちろん、そのような関係がある場合を完全に否定するものではない)
(ウィキペディアより引用)

つまり、「CSR活動を積極的にするようになってから、企業評価が上がった」という相関関係は逆の事象である「企業評価が上がったのは、CSR活動を積極的にしたからだ」という因果関係を示すものではないということです。

「売上が伸びている会社は、トイレがキレイだ」という統計があったとしても「トイレがキレイな会社は、売上が伸びる」とは言えない、ということです。普通に考えれば成り立たないのがわかります。

しかし、CSR界隈ではこの因果関係と相関関係がごちゃごちゃに語られているケースも多いのが実情です。

因果の逆転

「因果の逆転」(因果関係の逆転)とは、上記のCSR活動の例やトイレの例のように、統計上の相関関係があるからといってそれがCSR活動の企業価値への貢献が起きているとは言えないのです。

「CSR推進をしたから売上が伸びた」のか、それとも、「売上が伸びたからCSR推進ができるようになった」のか。「女性活躍推進をする企業は成長性が高い」のか、「成長性が高い企業は(リソースに余裕があるため)女性活躍推進ができる」のか、実際の所はわからないということです。

CSR界隈ではESG投資なども含めて、この「因果の逆転」がまさかの正論として語られることが多いので、僕はちょっとした危機感を感じています。

日本のCSR先進企業でさえも、CSRの経営効果をまともに測定できてない現状で因果関係を語ることは、ステークホルダー利益の毀損にもつながる大いなる勘違いなのではないか、と。

これらの課題の根幹には、CSR活動の効果測定や実際の社会的インパクトができてないこともあるんじゃないかと感じている最近です。

まとめ

結論、言いたいことは「CSRの指標(KPI)」の設定は、ちゃんと決めた方がいいですよということです。

たいして検証できていない相関関係からCSR活動の指標を決めると、因果関係につながる実際のインパクト(影響)やアウトカム(成果)に差が出てしまう可能性が高いからです。

僕はアカデミックな人間ではないので、学問的な相関と因果の関係については深くわかりませんが、最近モヤモヤしていたKPI設定の原因はこれが問題なのかなと思います。

CSRの年間活動計画やCSR報告書などのKPI設定は第三者のアドバイスも含めて、適切に設定しCSR活動のインパクト最大化を目指していきましょう!

関連記事
「CSR/ESG経営と報告は企業価値向上につながる」という思考停止
「健康経営」で企業価値向上を目指す3つのポイント
CSRコミュニケーションがもたらす企業価値と企業評価向上



■お知らせ■
・最新著書『創発型責任経営「新しいつながり」の経営モデル』予約発売中! 詳しくは→【Amazon書籍ページ】

csr