カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト
エコでブランディング(企業価値向上)ってできるもんなのですかね?
で今回は、そのブランディングにもつながるCSRインデックスの一つ、CDP(カーボンディスクロージャープロジェクト)の、CPLI(クライメート・パフォーマンス・リーダーシップ・インデックス、気候変動パフォーマンス先進企業)とCDLI(クライメート・ディスクロージャー・リーダーシップ・インデックス、気候変動情報開示先進企業)についてまとめます。
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトとは、機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクト。このプロジェクトは2000年に開始し、主要国の時価総額の上位企業に対して毎年質問表が送付されており、企業側からの回答率も年々高まってきているみたいです。
回答された質問表は基本的には公開され、取組み内容に応じたスコアリングが世界に公表されており、環境活動における企業価値を測る一つの重要指標となりつつあります。日本のでも認知度は随分高まっている印象。
統合報告を含めて、投資家向けの情報開示要求が高まっているのが原因とも言えるかもしれませんね。
気候変動パフォーマンス先進企業
2014年10月発表の「CDPジャパン500気候変動レポート2014(PDF)」で、調査対象となった日本企業500社のうち24社は「気候変動緩和の活動における優れた企業」として、CPLI(気候変動パフォーマンス先進企業)に選出されています。また、CDLI(気候変動情報開示先進企業)にも選ばれ重複している企業は以下の15社です。
日産自動車、積水化学工業、トヨタ自動車、 キリンホールディングス、サントリー食品イ ンターナショナル、イオン、東芝、小松製作所、TOTO、商船三井、大成建設、IHI、川崎汽船、コニカミノルタ、日本電信電話(NTT)
各種CSRランキングの常連企業もいくつかいますね。確固たる環境活動がバックボーンにある企業はとくに強いのかもね。
特に、コニカミノルタはエコマーケティング(エコブランディング)というか、サスティナブルマーケティング(エコロジカルマーケティング、グリーンマーケティング)というか、環境経営を全面に出している企業ですからね。コニカミノルタの姿勢はすごいな。
投資家向けの環境情報開示
LRQAジャパンの冨田さんによれば、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)やGRI/G4などの枠組みと同じ定義での枠組み作りなどが進んでいるとのこと。まったく別の枠組みに対応するというものではなく、全社的な環境におけるCSR活動として捉えることができるみたいですね。
現在日本では、FTSEジャパンインデックスを基本とする大手企業500社の企業がCDP質問書送付対象企業に指定され、投資家への影響力があることから、調査票回答率は半分近くにまで達しているそう。むしろ回答していない企業がどういうところなのか知りたい所…。
2014年10月には、世界同時開催の報告会があり、大手企業の社長レベルが参加したそうで、重要視する企業が増えているということの裏付けとも言えます。以下のページは日本語ですので詳細を知りたい方はぜひ。特にCDPサイトの日本語ページは必ずチェックして下さいね。
■CDPとCSRの新しい潮流:CDPの本格化
■CDP 2014 日本報告会
まとめ
CSR領域の第三者格付けはいくつもあるのですが、ランキング・格付け・インデックスはあくまでも指標です。
CDPもそうですが、格付けやインデックスに入ったからといって、企業価値が上がるのかというと何ともいえません。調査票の回答や、積極的な情報開示の予算・時間の投入など、手間のかかる部分も少なからずあります。
ただ、特に上場企業は、CDPの動向を注視し、調査票がきたらそれなりの対応をしたほうがよさそうになってきています。
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