社会貢献のインパクト
企業の社会貢献活動では、「体験」と「インパクト」が重要となるでしょう。
今回は、社会貢献効果が大きそうな、企業の社会貢献活動を3つほど紹介します。
すぐに結果が出そうなものから、来年のキャリティシーズンに向けての、テスト・マーケティング的なものまであります。
従業員への福利厚生や、ボランティア支援、一般顧客を巻き込んだ動きなど様々ですが、御社の社会貢献のヒントになれば幸いです。
企業の社会貢献活動事例
1、東芝グループ
当社グループは、国際ボランティアデーとなっている12月5日(金)に、当社グループ従業員20万人が参加する「東芝グループ 社会貢献一斉アクション2014」を開催します。当社グループは、CSR経営の推進を経営方針の1つにしており、「科学技術教育」や「自然環境保護」などの社会貢献活動を行っています。今回のイベントは、従業員の社会貢献意識のより一層の向上、連帯感の醸成を目的に世界各地での社会貢献活動を一斉に行うもので、グループとして初めての開催となります。
東芝グループ 社会貢献一斉アクション2014の開催について
ひえー、グループ全社員の20万人が参加したんですか。どういう結果になったか今後のレポートが楽しみですね。
以前、某車メーカーさんのCSR担当者の方が、「ウチは関連会社も含めて人数が多いので、何か行動すればそれなりにインパクトが期待できます」と言っていたのを思い出しました。金額とかもすごいけど、人数が多いというのは素晴らしいですね。
ちなみに、僕の実家の町は4万人くらいです…。東芝の5分の1…。すっ、すごい。
2、パソナ + ジャックス
パソナとジャックスは、パソナのエキスパートスタッフ(派遣登録スタッフ)およびパソナ社員を対象に、カード利用ごとに利用額の0.2%が社会貢献活動に寄付されるオリジナルクレジットカード「パソナジャックスカード」を2014年12月1日に発行すると発表した。パソナは、エキスパートスタッフ(派遣登録スタッフ)に対し、さまざまな福利厚生サービスを提供している。今回、パソナがジャックスと発行する「パソナジャックスカード」は、通常のクレジット機能に加えて、社会貢献機能と福利厚生機能を付帯した多機能カードとなる
パソナ社員およびパソナ登録スタッフ向けカードを発行(ジャックス)
記事によれば、「カードショッピング利用金額の0.2%が、利用者本人の負担なくパソナを通じて社会貢献活動に寄付される」とのこと。カード会社としてはショッピングをしてくれればいいわけで、そのための販促費「0.2%」なら、まぁいいだろう、みたいな感じでしょうか。
んー、いや、この0.2%はパソナ側が払うのかな?まぁ、利用者はそこまで意識することない、ということでしょうね。
このあたりは、社会貢献マーケティングというか、カード会社にもメリットがあるし自社にもメリットがある良い取組みです。
ただ実際、どれくらいのパソナ社員の方が申請するか、というとあまり多くないのでは?とも、思わなくもないのですが…。まさか強制なのかな?中の人に聞いてみようかな。
他のカード会社も、同様の社会貢献型カードを発行していますし、日本全体を考えれば、結構大きな金額が動いていそうですけど、誰か詳しい数字を知っている方いたら教えて下さい。
3、Square
スマートフォン/タブレットを使ったクレジットカード決済サービスを提供するSquareは11月25日、カードリーダーを装着したiPadを使って「国境なき医師団日本」に寄付できる「SWIPE for the world」を、都内7カ所のSquare加盟店でスタートした。Squareのカードリーダーを装着した募金専用のiPadを店内に配置。寄付者が直接iPadを操作し、クレジットカードをスワイプして寄付する。寄付金額は100円、300円、500円、1000円から選べる。12月19日まで受け付ける。
iPadが募金箱に 「Square」で寄付を募る「SWIPE for the world」
来週一杯までやっているSquare社のキャンペーン。前述のカード会社を含め、こういう決済システム運営側のアクションって、かなりインパクトに期待できますよね。
寄付金額もそうなのですが、その場で寄付するという“体験”もありますので「カード利用でその一部を寄付」よりは実感がでるかなと思います。
寄付者からみる社会貢献は、その金額による規模より、「いいことしたぜ!」という達成感を求めている気もしますから。
まとめ
CSRでも社会貢献でも、重要なのは最終的にどれだけ社会に良い影響を与えたか、ということ。
パラドクスですが「社会の何の役にも立っていない”社会貢献活動”」だってあるわけで、アウトカム(成果)とかインパクト(影響)にもっとフォーカスしてもいいと思っています。
本業とは関係ない、ボランティア的なCSR活動が悪いと言っているのではなく、企業活動だからこそ、経済的・社会的な結果を求めていきましょう、というのが僕の結論。
くれぐれも以下の記事のように、社会貢献活動が“新たな社会問題を起こす”とか起きないよう、お気をつけ下さい。