CSR的なブランド体験プロセス

今回ご紹介する本は、「エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング」(朝岡崇史、ファーストプレス)です。

エクスペリエンス・ドリブン・マーケティングとは、顧客のブランド体験にフォーカスしたマーケティング戦略のこと。マーケティングの話はもちろんのこと、ブランディングの話もメインとなります。

さて、なぜ当ブログで本書を紹介するかというと、全編にわたって、CSR的なブランディングのアプローチの話が出てくるからです。

ブランディングやブランドという概念は、CSRと切り離せないものです。僕は、CSRは「信頼される企業になるため」にする、と考えていますが、まさに、その「信頼される企業」の具体的なものがブランドなのかなと。「CSR ≒ 信頼される企業 ≒ ブランド」という構図でしょうか。

最近、ブランディング関連の書籍がよめてなかったので、色々学びがありました。

特に興味深かったのは、ブランド体験プロセス(カスタマー・ジャーニー)の重要なキーワードとして、「SOLE」というフレームワークです。

SOLEとは、「ソーシャル(S)」、「オリジナリティ(O)」、「長さ(L)」、「エモーション(E)」です。

僕は、CSRのステークホルダー・コミュニケーションにおいて重要なマーケティング・フレームワークとして「3E」というフレームを使っています。3Eとは「Emotion(感情)、Experience(体験)、Engagement(つながり)」です。この3つ点を起点にすることで、よりインパクトを出せる仕組みを構築できると考えています。

知っておいて損はない!CSRマーケティングの決定版、共感マーケティングメソッド「3E」

かなり近いフレームであり、僕の考えは間違いではなかったと感じました。「SOLE」もパクって使っていきます(違っ)

話が変わりますが、最近至る所で電通の方がCSVを連呼しているので、社内でそういう勉強でもあったのでしょうかね?

僕が良いとか悪いとか言える立場でもないのですが、電通の方はCSVが好きですよね。僕としては、電通パワーで日本にCSRでもCSVでもいいので、どんどん概念を広げていただければと思っています。

マーケティング関係の方はもちろんのこと、CSR部や、CSR支援をしている人も興味深く読める一冊だと思います。

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エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング

エクスペリエンス・ドリブン・マーケティングの奥義とは、顧客のスパイラルインをブランド体験価値の改善に役立て、結果としてポジティブなスパイラルアウトを発生させることでブランドのフロー価値の拡大再生産サイクルを作って行く。