復興系ビジネスをするCSR事例12選

東日本大震災から丸3年。

3月が終わらないうちに、復興支援系の企業のCSR活動をまとめておきます。

3月11日前後で、もうただのボランティアや支援は終わったよね、みたいな論調をメディア見た人も多いでしょう。それはたしかにあります。

しかし、そんな中、“支援する”だけではなく、“一緒に動く”仕組みを作り、CSRとしている企業も数は少ないですがあります。

そんな企業をちょっとですがまとめましたので、震災関連の関連数字と一緒にご紹介したします。

数字でみる東日本大震災のその後

■仮設暮らし「10万2650人」
仮設住宅暮らしをしている人は10万2650人(2013年12月現在)。1年前の11万2996人より1万346人減。

■復興住宅「2%」
災害公営住宅の整備が完了したのは509戸(1年前は0.1%)。着工したのは61%で1万3231戸(1年前は27%)。

■集団移転「5%」
防災集団移転、いわゆる高台移転。復興工程表に基づき面整備事業を行う335地区のうち、造成工事が完了した地区数は18地区(1年前は1%)。着工は64%で215地区(1年前は12%)。高台移転が完了したのは宮城県南三陸町や岩手県野田村の地区など。

■防潮堤「14%」
被災した地区海岸数471地区のうち、防潮堤を含む本復旧工事が完了したのは65地区。着工は269地区で57%。

■がれき「91%」
災害廃棄物(がれき)は、2014年11月末現在、全体の推計量の91%にあたる1515万トンの処理が完了(1年前は34%)。津波堆積物は全体の82%にあたる894万トンが完了しています。

■鉄道「89%」
岩手、宮城、福島の被災3県の鉄道で、被災した路線の総延長2330.1キロメートルうち、運行を再開した路線の延長は1月17日現在、89%にあたる2079.7キロ(1年前は88%)。

■農地「63%」
青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県で津波に被災した農地2万1480ヘクタールのうち、2013年12月時点で1万3470ヘクタールの営農再開が可能となる(1年前は38%)。

■漁港「37%」
被災した漁港数319漁港のうち、陸揚げ岸壁の機能が全て回復した漁港数は118漁港(1年前も36%)。岩手、宮城、福島の被災3県の主要な魚市場の水揚げを金額ベースでみると、被災前に比べて約75%まで回復(1年前は70%)。水揚げ量では69%の回復。

この数字も、関連する数字も諸々入れたら、もっとヒドい数字になるかも。とにかく自宅再建が全然進んでいないと、聞いたこともある。ここに関しては、民間でどうこうできる部分ではないからなぁ…。

(参照:復興住宅「2%」漁港は「37%」……数字で見る「震災復興」)

企業視点でみた、東日本大震災

では、帝国データバンクの「東日本大震災関連倒産」の数字も見てみましょう。

東日本大震災発生から3年、「東日本大震災関連倒産」は累計1485件発生。同じ3年間で比較すると「阪神大震災関連倒産」(394件)の約3.8倍となっている。負債総額は、1兆4627億4100万円となり、同期間の「阪神大震災関連倒産」の約13.0倍。倒産企業の従業員数合計は2万1262人。
「東日本大震災関連倒産」(発生から3年)の内訳と今後の見通し

東日本大震災により直接的な被害(物理的損傷等)、または間接的な被害を受けたことが取材で判明した企業倒産を「東日本大震災関連倒産」と定義し、震災直後から集計を開始しているのが帝国データバンクです。

とても大きい数字なのですが、もはや何がなんだかよくわかりませんね…。

2013年に行った第9回東洋経済CSR調査では、2013年6月末時点の取り組みについて聞いた。有効回答は722社で、「行っている」421社(58.3%)、「行っていない」276社(38.2%)、「検討中」19社(2.6%)、「その他」6社(0.8%)という内訳だった。
復興支援を継続する、志のある企業

上記の引用記事では、有効回答中60%近くの企業が2年以上経過した昨年夏時点でも取り組みを続けているというわけです。これを多いとみるか、少ないとみるか…。

復興支援・復興ビジネスで地域を盛り上げる企業

では、前置きはここまで。(長っ!)

本題のCSR事例の紹介です。非常にわかりやすい企業事例も紹介します。

ドコモがNPOのファンドレイジングの仕組みを公開、ソフトバンクがスマートフォンでNPOを支援できる仕組みを、それぞれ公開しました。庶民からしてみると、わざわざ同じ日に発表しなくてもいいのにと思ったり…。

だってメディアでの露出量は、ソフトバンクが圧倒的だったもんね…。どちらにせよ、両社の取組みは非常に注目しております。

あれ?そういえば、僕はauユーザーなのですが、auって、4年目に向けて何かやるんだっけ…?

日本初の募金プラットフォーム! ソフトバンク「かざして募金」
ファンドレイジングを活用したNPO支援プログラム等を開始-東北復興新生支援プロジェクト「笑顔の架け橋 Rainbowプロジェクト」

他には、

トヨタ自動車は「地域の自動車産業の振興」、NTTドコモ「東北復興新生支援室を設立」、富士フイルムホールディングス「写真でつながるプロジェクト」、キリンホールディングス「キリン絆プロジェクト」、JT「自社NPO助成事業」、蝶理「ガラス風鈴無料配布」、ファンケル「美と健康のSave the東北プロジェクト」など。

Yahoo! JAPAN「東日本大震災 復興支援事業」、セブン&アイ・ホールディングス「東北かけはしプロジェクト」、JAL「東北応援プロジェクト」、などなど。こちらも有名な事例たちでございます。

他にもCSR事例を知りたいという方は、先日事例をまとめた記事を参考にして下さい。

復興支援事業に取り組む企業のCSR成功事例113選
2013年に行われている東日本大震災被災地でのCSR活動事例19選
経団連企業のCSR教育プログラム事例42社

まとめ

いかがでしたでしょうか。

まだ3年。もう3年。時間で区切っても意味がないと分かっていますが、この節目の年になってみて思うことも色々あるのです。

上記では、企業のCSR(復興支援活動)を結構紹介させていただきましたが、来年の3月に、また同じだけの情報量をまとめられるか、というと、もうここまで話題になることはないのかも、と思ってます。

僕が日頃東京にいて思うのは、風化防止とかどうでもよくて、どれだけの人が自分ごととして、継続的に東北に関われる仕組みがあるのか、ということ。

風化防止は不可能だっつうの。現実的に。誰だって、何かをいつか忘れてしまうんですよ。根性論・感情論で記憶力が仙人レベルになるわけではないのです。

だったら精神論の風化防止ではなく、地縁でつながったビジネスであれば、案件がある限り、東北と関わりを持てます。

ちょっと、言葉が荒くなってしまいましたが、僕もただ待っているわけではありません。

まだ3年。もう3年。

僕らは、誰のために、何が出来るのでしょうか。