領域を超える経営学
最近は、CSR関連書籍だけではなく、経営学の書籍もきちんと読むようになった僕です。こんにちは。
今回紹介するのは「領域を超える経営学」です。タイトルが重厚ですな。うん。
いわゆるグローバル経営について書かれた書籍なのですが、CSRに関する記述もあったのでそこの部分をご紹介します。『「企業の倫理」が未来を変える』という章があり、そこで、企業倫理(ビジネスエシクス)を取り上げています。
競争し、成長することで生まれる負の側面に企業はどう対応すべきなのか。「MBA的なCSR(社会規範・道徳・倫理)を学べる本「10日で学ぶMBA」」の書籍でもありましたが、本書でも企業倫理の“相対主義”の話が出てきます。MBA出身の人はみんなこれを学ぶから?ということなのでしょうかね。
相対主義とは、「人にはそれぞれを選択するさいの独自の基準があるという主張」、「公的な顔(人格)と私的な顔を区別するという考え方」、「人は倫理的判断をくだす時には社会規範を軸にするという考え方」、「すべての倫理に通じる社会規範は存在しないという立場」というような枠があるとする考え方です。
要は、倫理とひと言でいっても、人によってその基準が大きくことなりますよってこと。ほんとざっくり言うとそんな感じかな。
本書では、マイケルポーター氏(+マーク・クラマー氏)のCSV(Creating Shared Value、共有価値創造)も取り上げています。著者は、CSVは十分な事実や研究によって支持されているわけではないので、今の実現可能性が低いであろうとしています。
そりゃ、そうだ。日本人のCSR関係者はCSVが大好きなようですが、世界的にみれば、まだまだ新しい概念であると。概念と言うか、むしろ“提言”のレベルじゃね?って話なのかもしれませんね。
個人的に興味があったのは、実業界に多大なる影響を及ぼしたマイケルポーター氏が、学術論文をわずか7本しか書いていないという話。欧米での経営学の講義でマイケルポーター氏の話題は、日本人が思うより圧倒的に少ないと聞いた事がありますが、論文の少なさみたいなものも影響しているのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
CSRとは経営そのものである、と常々口にしておりますが、CSRとはなんぞや?というトーンのCSR関連本ばかりではなく、CSR関係者の方には経営学の書籍も色々読んでいただきたいと思った、今日この頃です。