CSR関連のコンテンツサイトの課題

必要なコンテンツだと分かっていても、
どのようなコンテンツをどのように見せればよいのか不明瞭なのが、
「CSR」に関する情報提供でしょう。

大企業の経営破たん・倒産、企業の不祥事がもたらす社会的な影響、
ISO26000(SR/CSRの国際規格)などを背景に、
日本だけでなく世界各国でCSRに取り組む企業が増えており、
もはや企業として必須とも言えるほど必要な取り組みになりました。

「CSR報告書」のPDFをただWebサイトに掲載しているだけでは、
決して「成功するCSRサイト」には成りえません。

「成功するCSRサイト」にするためには、何をすれば良いのでしょうか?
以下、3点にまとめましたのでご参考までにどうぞ。

「CSR=プロモーション」ではない。

この意識をまず持つこと。グリーンウォッシュ(うわべだけの表現)にならないために、
本当に大切なことです。担当者はわかっているようでまったく理解していない人が多いです。

CSRページなのに、サクラを使い、
ソーシャルメディア・アクション(「いいね!」「リツイート」など)を、
通常ありえない数字にしたり。それが本物ならいいのですが、
どうも怪しいという大手企業のコンテンツページがどれだけ多いことか…。

また、CSRに対する理解は企業ごとに格差があります。
「環境に考慮していることやゴミ拾いをしていること」
「地域のお祭りに参加していること」などの紹介ページを作り、

情緒的で詩情豊かな文章で飾られたエンターテイメント的な要素として
CSRコンテンツをWebサイトに掲載しているケースもしばしば見受けられます。

これらは「CSR=イメージ向上プロモーション」という
誤ったとらえ方をしていることが背景にあります。
これらは間違いではありません。

しかし、御社でなくてもできる活動で、
御社のCSRマーケティングができるとは考えられません。
そこには必然性だったり、様々な要素が必要だと思うのです。

さて、そんなこんなで、CSRの意義を正しく理解したうえで、
自社がどのような活動を行っているのかを把握し、
それらの告知チャネルとして有効に機能させることが
企業のWebサイトに求められます。

プロモーション(商品価値向上)よりも、
ブランディング(企業価値向上)を目指すべきなのです。

「Webサイトのユーザー」を広げて考える

CSRのページを見るのは、
例えば「株主・専門家だけ」だと思っていませんか?

多くの場合、CSRの対象となるユーザーを狭義にとらえがちです。

しかし、あなたの会社のCSR活動で対象となるのは、
あなたの企業を取り巻くステークホルダー全体なのです。

Webサイトを企業のコミュニケーションチャネルとしてみた場合、
ユーザーになりえる人はそれだけ多方面にいて、
それぞれのユーザーに対して最適な情報を提供することで、
はじめてCSRサイトが「コミュニケーション」のためのツールに成りえるのです。

ただし、ただ広げればよいわけではありません。
企業は政府ではありません。
国内で起きるすべての事象の責務を負うのは不可能です。

マテリアリティ(重要項目選定)という考え方を使い、
自社の役割を果たし報告する範囲を広げつつも、
本当に果たすべき役割にフォーカスしなければなりません。

このあたりは、普通のウェブ制作会社さんでは、
経験・CSRリテラシーがないので、ご注意下さい。

CSRサイトの制作実績があったとしても、
御社のCSR活動を本当に理解できるだけのモノがなければ、
構築は実際難しいと思いますよ。

ユーザーに対してどれだけ貢献したのか

CSRコンテンツ制作を行っても、多くの場合、社会的責任と言われても、
そのコンテンツを読む一個人にとっては「大きすぎてピンとこない」のが実状です。

貢献内容にもよりますが、貢献の全体像を記載するのと同時に、
その企業がある地域の住民一人に対してどのような貢献をしたのか、
一個人へどのような良い影響を与えているCSRなのかを、
コンテンツにわかりやすく記載することも重要です。

人間、ジブンごとではないことには共感できません。
ですので環境活動も「地球のために!」ではなく、
「富士山のために!」みたいなフォーカスをすることで
イメージングしやすくするのです。

これはすべてのウェブサイトに言えることですが、
ウェブでのユーザーエクスペリエンスをこれでもかというくらい、
考え抜き、形にしなければなりません。

ユーザーエクスペリエンスをターゲットユーザーに合わして、
ジブンごと、と感じてもらえるような情報掲載をすれば、
御社ウェブサイトへの共感も高まり、
結果ブランディングにもつながっていくでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

言われてみれば、当たり前じゃないか!みたいな部分も多いと思います。
世の中、どれだけ当たり前ができていないのか…。そんな気分になります。

CSRはプロモーション(商品広告)ではありません。
ユーザーを第三者的に想定していく必要があり、
貢献(エクスペリエンス)をどう提供できるかを考えるべきです。

御社のCSRサイト、ベンチマークしている企業のCSRサイトは、
上記3点は完璧にクリアーしていますか?

参照:コカコーラのCSRコンテンツが“メディア化”しとる!CSRコンテンツの未来考察