現在の壁

CSR活動における問題とはなんでしょうか。

CSRアジアで「Next level CSR」という記事があったので、自分なりに翻訳・コメントをまとめてみました。

日本だけでなく、アジアの企業(CSR部)では同様の悩みがあるようです。例えば、以下の5点。

・投資に対するリターンを証明できない。
・予算を得られない。
・支社独自のCSR活動ができない。
・役員の個人的なコミットの域をでない。
・社内の理解が得られない。

実際、企業のCSR担当者の方からお聞きする悩みと同じです。うーん、CSRにおける社内の課題はアジアでも同様なんですねぇ。

もちろん、課題が明確であれば、解決策も見つけられるはず。ではそのフレームワークも一緒に考えてみましょう。

ファースト・ステップ

まずは、「現在のCSR達成レベルを評価する」ことです。

ISO26000などのガイドラインを使い、各項目のレベルを確認する所から。まずは、現状把握。これは何をするにしても重要なポイントですね。外部圧力からせざる得ないというのはありますが、できているかは別問題ですから。また、CSRにも競争があります。競合他社とまったく同じ内容・水準で、自社の優位性は確保できません。

利害関係者からの圧力も日増しに高まってきています。コンプライアンス崩壊など危機があったら、企業価値は一気になくなります。パニックが起きてからCSR対応を強化するのでは遅すぎます。

また、CSRに価値を見出せていない企業は、CSRを過小評価し、リソース投入を躊躇します。そうやって、CSRに関するすべてが、後手後手になる。御社のCSRレベルはどんなもんでしょうか?

セカンド・ステップ

第二歩目は、「“次のレベルのCSR”とは何かを特定する」こと。

“次のレベルのCSR”は、ビジネスのための明確な意義・数字があり、CSRを行う正当性がなければなりません。

持続可能性戦略、革新性などが必要とされ、ビジネスや企業の優れた性能をもたらし、自社と社会の両方の共有価値を創造するための新しい方法を見つけることがポイントとなります。

机上の空論で、「CSRとはなんぞや?」を知ってもほとんど意味がないと僕は思います。“自分たち”にとって、CSRとはなんであるかをまず知る必要があり、それを実行可能なレベルまで落とし込む必要がありますね。役員レベルのコミットは置いといて、社員一人ひとりの“役割”を明確にすることも大切です。

まとめ

何と言っても、KPIというか効果指標が超大事ってことですね。

誰かを批判しているわけではないですが、CSRという領域を語ると、大体数字が出てこないのは日頃から疑問があります。通常のビジネス・プロジェクトだと、収支見込も含めて数字が出てくるはずなのに。

投資するには結果がイメージできないと積極的にはなれない。CSRは経営・ブランドと直結しますので、的外れでも実験的にやるというのも正直難しい。

外からの圧力(社会的要請)があって、CSRを本格的に始めるというのではなく、社内の空気からドライブされたものである必要があります。ビジネスを後手後手で進めて、うまくいくことなんてほとんどないですからね。誰が、誰に、何をして、どうやって結果を出すのか。

CSRを見たり、行ったりする時は、「数字(価値・意義)」に注目していきましょう。

参照
CSR部こそCSR以外のことにも目を向けるべき!?CSR部の問題点と未来の形
「Next level CSR | CSR Asia」