CSR部こそCSR以外のことにも目を向けるべき
あなたの会社にCSR部はありますか?
今回は「CSR部の未来」がテーマ。
先日、
「CSR部の大きな矛盾?経営におけるCSR・社会貢献の問題点とあり方」
という記事を書きましたが、
もうちょっと別の方向から考察してみました。
このあたりの組織戦略は、経営層の仕事ではあると思います。
まぁ、でも自分たちの仕事の“意義”を考えるにはいいかなと。
CSR部の問題点と未来の形
企業におけるCSR部の問題とは何か。
これは企業によって課題が異なると思いますが、
ざっくりいうと、企業のどのポジションにいくか、ということです。
まことしやかに流れる都市伝説(笑)では、
「CSR部がなく、営業マン・レベルでCSRが実行される」状態が、
企業として理想の形である、という話しがあります。
その論理でいくと、CSR部がある・ないに関わらず、
社内浸透していれば、それでOKということ。
「効果測定、社内浸透、代表理解」
というCSR部の課題3点セットは、
CSRが浸透している企業でもよく聞く話し。
飲料メーカーのキリン(キリンホールディングス株式会社)は、
「CSV本部」を設けて、その下にCSV推進部を設置。
※CSV=Creating Shared Value
CSV本部内に同列で、「コーポレートコミュニケーション部」、
「ブランド戦略部」を設置。
時代の変化に合わせて、
CSR関連の組織体制変更をしている企業も散見される昨今であります。
参照:国内綜合飲料新会社の設立に伴うグループ内会社分割に関するお知らせ(PDF)
参照:CSR部門をどこに置くか? イノべーティブな組織の中でこそ、「革新的CSR」が生まれる!
ソーシャルイノベーション
では、今後、CSR部の役割はどうなっていくのか。
経営企画部に吸収されるのか。
企業活動の周辺に置かれたままで、慈善活動が主な業務になるのか。
それとも、CSR部という概念は消えてなくなるのか。
CSRコンサルタントの竹井氏はこう言っています。
つまり、ソーシャルイノベーションにおいては、既存のCSR部の役割やイメージは関係ないのである。時代ごとに変わる社会のニーズをとらえ、CSR部も進化していくのだ。企業がイノベーションを起こしたいのなら、組織も凝り固まることなく、イノベーティブに進化していくべきだろう。
僕なりの解釈でいくと、
CSR元年と言われる2003年ごろから出来始めた、
CSR部という役割を再定義しようということ。
2010年のISO26000からCSRに対する概念が、
より現実的な文章として明文化されました。
CSR部はCSR推進のコアです。
そして、経営のベクトル・スタイルを決める舵取り役でもあります。
参照:ソーシャルビジネスが社内浸透すると、CSR部は消える? 求められる「CSR部の新たな存在意義」とは
参照:ソーシャルイノベーションカンパニー調査報告書(PDF)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
僕はCSR部の存在を否定しているわけではありません。
僕が言いたいのは、
CSR元年と言われる2003年ごろから出来始めた、
CSR部という役割を再定義しようということです。
欧州委員会や著名な先生たちのCSR論を参考にしつつも、
CSRを自分たちの言葉に置き換え、
自らの行動に落とし込んでいく必要があるのだと考えています。
CSR部がない企業、もしくは従業員が数人企業も、
自分たちの存在意義、つまり、
ミッション・ビジョン・バリューを今一度考え直してみましょう。
再考した結果、変える必要があるなら変えればいいし、
変える必要がなければ変えなければいいのですから。
外圧により行われていたCSR「シブシブCSR」から、
暗中模索ながらも自分の頭で考え、
行動するようになる「モヤモヤCSR」へと今年は進化できるのか。
ぜひ、社内有志などを集めて、
ディスカッションしてみて下さい。
必読:CSR部の大きな矛盾?経営におけるCSR・社会貢献の問題点とあり方
参照:企業のCSR活動における問題点を9個ピックアップしてみた