CSR事例

本を寄付する、新しい仕組み「チャリボン」

あなたは、チャリボンという、
本を寄付するサービスをご存知ですか?

今回、チャリボンを運営する、
バリューブックスさんにお伺いさせていただき、
CSRや活動についてお話を聞いてきました。

バリューブックスは、古本販売業の会社です。

お会いさせていただいたのは、事業企画担当のHさん。
インタビュー中には「ウチはCSRができてない」とおっしゃってましたが、
いやいや、そんなことはありませんでした。

CSRというインパクト

約15万冊。このプロジェクトで一ヶ月に集まる本の数です。
失礼ながら、ここまで実績が出ていると思っていませんでした。

先月末で、累計300万冊を超えて、まだまだ伸びています。
サイトによれば、累計寄付金額は6,000万円を超えています。

マジか…。6000万円の寄付となると、
消費財大手のコーズマーケと同レベルなんじゃないの?
これは本当に評価されるべき事だと思います。

そして、チャリボン・プロジェクトより、
ブックギフトプロジェクトというチャリティ・プロジェクトが先にあったそうです。

もともと、古本として再販できない(値段がつかない)ものがあり、
通常は処分するのですが、もったいないので、必要な人に届ける、
というフローのチャリティ・プロジェクトです。

創業から2年で始めたプロジェクトだったそうで、
創業当初からソーシャルな企業だったのがわかります。素晴らしい。

中小企業のCSR

僕は、ここが非常に重要なCSRのポイントだと思ってます。

小規模事業者や、中小企業がすべきCSRは環境活動、コンプライアンスなどではなく、
本業近辺での「稼げる」CSR活動なのではないかと。
いや、コンプライアンスも重要ですけどね。

リソースに限りがある状況の中で、CSR活動といっても、
やれる範囲がかなり狭くなる。ではどうしたらいいか。

大手企業のCSRのように、全方向でのCSRは到底できないので、
ランチェスター経営のように、一点突破しかないと思うんです。

バリューブックスの場合は「チャリボン」というプロジェクトだと思うのです。
環境活動だけが中小企業のCSRではないのです。

キレイごとや、なんとなくでしていたCSR活動は、
東日本大震災から丸2年という中で一段落してます。

これからは企業の経営結果につながるようなCSRがより、
求められていくでしょう。その傾向はすでにあります。

CSRにおける「正しい問い」

中小企業のCSRとは何かという記事を以前書きましたが、
やはり、“正しい問い”を持っている企業は強いですね。

参照:よりインパクトを出す為に!中小企業がCSR活動する前に実行すべき3つのコト

「私たちはどんなCSRをしたらいいですか?」って、
質問をする企業のレベルだと、大企業も含めて、
どんなCSRをしてもうまくいきません。

例えば、パタゴニアは創業者がもともと、
環境オリエンテッドの考えを持った人でした。
だからこそ、今のCSR先進企業として存在しているのでしょう。

こう言ってしまうと元も子もないのですが、
寄付もNPO活動もしたことがない代表・役員の会社って、
相当柔軟な若い人たちじゃないと、CSRは浸透しないと思いますよ…。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

僕自身、色々勉強になったのと同時に、
中小企業がすべきCSRとは何かと改めて考えるよい機会となりました。

チャリボンでは、企業や団体からのまとまった本の寄付も受けているそうです。
お金はないけど、NPOの支援したいという企業の方は、
CSRコンテンツとしても良いので、寄付してみてはいかがでしょうか。