女性の活躍で経済成長

先日、アベノミクスの「女性の活躍で経済成長」を真に受けてはいけない
という記事を読んで思うところがあったので、メモと雑感を。

CSR系のデータでいえば、
「女性役員が多い企業は業績が良い」みたいなのがあります。

これも議論が多くて、
「業績が好調→女性役員を配置できる」という構図もあるとかないとか…。

事実は事実としておおいに参考にすべてきですが、
事実が作られたプロセスは必ずしも想定した通りとは限りません。

では、そんな、結婚を一回もしたことがない僕が(笑)、
女性・家庭・自分について、ちょっと考えてみたいと思います。

タイトルは「オフセット的CSRなのかもしれない理由3つ」なのですが、
書きながら3つ以上思いついたので、ざっくばらんな書き方になってます(笑)

“女性の活躍”の裏表

どちらのレポート*1にせよ、大変大きな効果を見込んでいる。しかし、どちらのレポートにせよ、共通する大きな問題点がある。それは、女性の労働力増加の正の側面だけ捉え、その副作用や負の側面を全く考慮に入れていないという問題である。どちらも女性の労働人口増が、単純に移民の増加のように、天から降ってくる労働者として扱われているが、実際にはそうではない。

つまり、両レポートでは、日本の専業主婦層は、あたかも日中、何もせずに寝ているか、単純に遊んでいる人として扱われているのである。しかし、現実には専業主婦はそのような「遊休資源」ではない。その多くは、家事や買い物、育児や介護、社会貢献活動など、市場で賃金が得られる労働ではないが、立派に生産活動に従事しているのである。
*1 ゴールドマン・サックス「ウーマノミクス」、国際通貨基金「女性は日本を救えるか?」
アベノミクスの「女性の活躍で経済成長」を真に受けてはいけない(上)

以前、「正義だけでは救えない?ただの社会貢献が社会問題を解決できないわけ」という、社会貢献の負の側面の話しを書きました。

これらのレポートはもちろん、とても価値があるとは思うのですが、
これらのレポートのみを政策・企画実施のエビデンスとするのはおかしい、
という話しです。

社会貢献やCSRも、すれば良い結果に結びつきやすい、というのはいいのですが、
社会貢献を実施することで、別の社会的課題が生まれるということもあるのです。

やはり何かを語るなら、いくつかの視点から語らないとですね。

もちろん、倫理的な問題として、男女共同参画社会を目指すべき、男女の性別役割分担は望ましくない、女性は能力に応じて男性と同じ待遇であるべき等という観点は議論に値する。しかし、それは経済的な効率性とはやや別の観点から議論されるべき問題であり(あるいは、経済コストを負担しても、何らかの価値観からそれを是とすべきか考えて進めるべき問題であり)、効果の分からぬ「経済成長」問題に絡めて、誤魔かして進めるべき施策では無い。
アベノミクスの「女性の活躍で経済成長」を真に受けてはいけない(下)

とある。

「女性の活躍で経済成長」の話しは、内生性の話しというか、
関連はするが相関するとは言いがたく、
経済成長は他の要因も多大に影響する、ということ。

なので、「女性の活躍」と「経済成長」を同じ論理で語ると、
ロジックが破綻するんやでって、ところなのでしょうか。

ゼロサム → プラスサム

僕は、経済論者でもないし、アカデミックな仕組みはよくわかってないですけど、
実感値として、この記事には総論一理あると感じました。

これって結局、ゼロサム理論なんですよね。
この「女性の活躍」を経済成長ではなく、
ワークライフバランスやCSRと結びつけるのは、
プラスサムにつながるかもという視点が必要なのでしょう。

ある人の利益が必ずしも他の人の損失に結びつかないケースのことです。
他人・企業と協調することで、互いの利益が増す可能性があるので、
ビジネス環境であっても、協調を図ることが重要になるのでしょう。

夫婦のリソースをどこに、どうやって使うかという話しであって、
リソースを掛け合わせた結果、新しい経済が生まれる、というわけではなさそう。
夫婦は何かを失い、何かを得るという市場論理そのものであります。

僕は結婚したことないし、友人知人の話しを見聞きする程度の知識しかありません。

企業のCSRや福利厚生で女性の休暇やフレキシブルな働き方を支援するのはいいですが、
単純に女性を労働力としてみるのであれば、少子化対策への影響がすごそうです…。

まさに、記事にあるとおり、
「女性の労働力を使うこと」の負の面も合わせて考えるべきでしょうね。

オフセットなCSRでは、新しい価値は生まれませんから。
▶参照:これをCSR活動と言っていいの?オフセットなCSRのダメな理由3つ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

僕はどこかに偏った「女性の活躍で経済成長」論はございません。

正直、この問題のニーズがあるのかも知りたい所です。
女性一言で言っても、日本に5000万人以上います。

どれだけの人が、「子どもより仕事」を選ぶのか。
または別の2項対立の選択肢以外はないのか。

CSRで「女性役員を増やそう」論は大賛成ですが、
20代、30代の仕事も子育てもという人たちは、どう思っているのか。

答えが1つではないと思うので、僕ではなく、ぜひ、
職場の上司や同僚と話して見て下さい。

意外な所から新しい価値観に気付いたり、
子育てTipsを学ぶことができるかもしれませんよ?