サスティナビリティ戦略構築の3つのポイント
先日、フォーチュン・グリーンカンファレンス2012のレポートという、
記事を読んだので、メモと雑感を。
消費者・食・経営の3つのポイントにまとめました。
いやー、重要な示唆がありすぎて、
自分の考えを整理するのに時間かかりそうやで…。
1、消費者
・消費者は、サステナビリティに力を入れる層(母親・若年層など)とグリーン嫌い(グリーン・ハーシング)とに二分している。
・低所得層は、サステナブルであっても高ければ買わない。
・消費者は、ホッキョクグマなど自分の便益に直結しないことを言われても動かないが、雇用と健康を訴えれば行動に直結する。
・サステナビリティの真の意味を理解すれば、ロイヤルティは高い。
・企業の対策として、透明性を高め本物であり続けること、プロモーターとなる顧客を大切にすることが重要である。
・事業自体がサステナブルでなくても、消費者に気付きを与えることはできる。
「サステナビリティの真の意味を理解すれば、ロイヤルティは高い」ってのはわかる。
僕も仕事が終われば、一般生活者であり、1人の消費者です。
“お気に入り”のブランドは、サスティナビリティ戦略と実践をしている企業を優先します。
「事業自体がサステナブルでなくても、消費者に気付きを与えることはできる」ってのもわかる。
社会的課題解決のためには、まず、それが問題であることを認識してもらう必要があります。
啓蒙活動というか、社会的課題の認知向上も立派なCSR活動の一つですよね。
このあたりのCSRコンサルティングの実績はあまり多くないですが、
矛盾を内包している企業活動もあるので、気をつけたいポイントです。
2、食・農
・オーガニックフードビジネスは、コンベンショナルよりコストがかかるが、流通、包装等他の努力で削減可能。
・オーガニックブランドはロイヤルティが高く広告費を掛ける必要がないため、コンベンショナルに比べ、粗利は低いが純益は高い。
・途上国の農業はオーガニックが適している。土壌が育つまでに5-6年掛かるが、それ以降は生産性を上げられる。
・人口増加、生活向上により、今後食品需要が高まることは間違いない。生産性向上とサステナブルな生産が鍵を握る。
・世界中に飢餓に苦しむ人がいるので、食品事業は唯一成長が可能な業界。
・途上国にとっては、安く高カロリーな食品を作ることが重要。
・廃棄される量が多いことが問題。有効利用・分配が必要。
オーガニック・ブランドのロイヤリティが高いのはわかる気がする。
オーガニックコットンの使用など、意識している人はそれ以外買えなくなる。
食に関する問題は、廃棄が多いなど、
先進国問題と言われる部分は多々あります。
エシカルなどの流れも考えると、
5年ー10年後の生産体制を見据えて、
今からオーガニックな潮流に乗り込むのも必要かもね。
もちろん、この流れは食・農と関係ないビジネスの、
企業にもあてはまると考えています。
3、経営
・サステナビリティの実現に最も必要なのは、環境コストを測定、管理、公表すること。環境コストが分かれば対策が取れる。現在、イギリスとシンガポールの企業から情報提供してもらい、環境コスト算出のツールを作っている。時間がかかるが、実現できれば多くの企業が利用できる。
・小企業も大企業も、多かれ少なかれサステナビリティ対策を行っている。
・CSRはブランド力向上と差別化に有効。
・ウォールストリートが求めているものとの乖離があるが、サステナビリティでも企業経営でも長期的視野が必要であることを訴える。短期利益に執着しないメインストリートの投資家も増えてきた。
・変化に必要なのはCEOの勇気と従業員教育。
・社会的損失(自然の経済的不可視性)を訴えることが必要。
・NGO、NPOとの協業により、サステナビリティに関する大きな効果が期待できる。
・NGO、NPOが企業にプレッシャーを与え、企業戦略を変えることも多い。
・企業の取組も必要だが、政府の規制も非常に重要。
「CSRはブランド力向上と差別化に有効」というのは、
方々で言われているので、だよねって感じ。
「NGO、NPOとの協業により、サステナビリティに関する大きな効果が期待できる」
というのは、日本ではまだ事例が少なくてよくわからん。
でも僕はその通りだとは思ってる。
何にせよ、CSR経営における効果測定の開発は必須ですよね。
参照:思考に歴史あり!マイケルポーターの「FFA-CSR-CSV(creating shared value)」の遍歴再考
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ものすごく学びがある記事でした。
ただ、学びはあるけど、「で、何しようか?」状態。
トピックがすごく大事なのはわかるけど、
この記事で一番グッときたのは、
「変化に必要なのはCEOの勇気と従業員教育」という項目。
もし、今のビジネスモデルのままで10年後も安泰という企業ならいいですが、
多くの企業はそうではないはず。
日本では10年で9割の会社がなくなりますからね。
ダーウィンが言ったように、生き残る者とは、
「強き者ではなく、変化できる者である」っちゅうことですかね。
だとしたら、ビジネスにおける重要トピックは様々あるけど、
「変化に必要なのはCEOの勇気と従業員教育」という示唆は、
非常に重要なポイントの一つなのかも。
人材教育をないがしろにする企業に未来はないっす。