IR担当の仕事術

IR担当の仕事術

久しぶりの読書メモは『IR担当の仕事術:資本市場と経営陣の信頼を得る全手法』(中央経済社)です。

内容は、タイトルどおりでIR担当の仕事術をまとめたものですが、いわゆる開示やエンゲージメントの手法ではなく“基本のき”から始まる、企業の少人数IR部門(場合によってはひとり担当)としての振る舞いみたいな解説がメインです。先日、出版記念セミナーにも参加させていただいたのですが、IR担当とサステナビリティ担当って、わりと境遇が似ているのだと感じました。

・少人数で株主向け開示の全責任を負う → サステナビリティはESG関連情報の責任を負う…
・IR戦略の指針を示してくれるマネジメントがいない → サステナビリティ戦略を示すマネジメントがいない…
・IRの重要性を理解しサポートしてくれる人がいない → サステナビリティの重要性を理解している人がいない…

いやー、わかりすぎるくらい状況は似ています。バックオフィス系は全般的に言えることかもしれませんね。

他には、IR視点でのサステナビリティ開示の話もあります。メインテーマではないのですが、IR担当がどのようにサステナビリティ情報を収集・発信すればいいのかを、基礎から統合報告書での発信までストーリーだててまとめられています。こういう基本的な話はわりと見過ごされがちであり、改めて文章にしてみると、特に初級者にはとても役立つ情報になっていると思います。

IR担当もサステナビリティ担当とかなり近い業務課題があり、また「成果の考え方」なども、アナロジー(類推)でサステナビリティ担当の参考になるかと思います。中堅中小の上場企業のIR担当者、広報・IR系のサステナビリティ担当者におすすめの書籍です。こういうサステナビリティ担当者版の書籍作りたいな…売れなそうなので企画会議で絶対通らなそうだけど。

IR担当の仕事術

著者:神山光,片桐さつき
出版社:中央経済社
発売日:2026/7/6

【目次】
はじめに :会社を動かす「全権大使」となるあなたへ
序章 激変するIRの現在地:なぜ今,あなたに武器が必要になったのか

第1章 IRという仕事の正体:0.015%の孤独と可能性
1 事実を「企業価値」に昇華させる:IR業務の再定義
2 「孤独な担当者」から「会社を動かす主人公」へ

第2章 IRの基礎を構築する
1 IR業務に備える基本スタンス
2 IRとしての禁忌(タブー)
3 IRに求められるスキル一覧
4 社内情報の獲得と流路の設計
5 「ひとりIR」をサポートするインフラ構築術(ツール・システム編)

第3章 IRの基本業務の最適化
1  四半期決算開示:「5回の会議」で完遂する
2  投資家取材対応:対話を通じた情報獲得
3  適時開示:東証と社内の板挟みを生き抜く
4  決算開示資料の進化:前例踏襲の呪いを解く
5  説明会運営:イベントの演出家となる
6  経営陣・社内へのレポーティング:情報のハブとしての地位を確立する
7  英文開示:ステップアップの順序

第4章 IR部門を立ち上げる技術
1  IR組織の標準形を知る:自社の現在地はどこか
2  IR担当者の採用・社内育成
3  IR活動の予算獲得:コストセンター評価を乗り越える

第5章 会社組織とIR部門の連携を深める
1  IR周辺の部門との協働モデル
2  全社総力戦の株主総会
3  危機管理対応:有事における世論との戦い方

第6章 IR業務を進化させる
1 投資家取材対応のチーム編成に挑む
2 業績予想と管理会計
3 公平開示の実現
4 中小型株の戦い方:売買高1億円の壁を超えよ
5 IRサイト:投資家の認知をリードする開示メディア
6  IR業務の成果の測定
7 株価とIRの付き合い方
8 IR業務への生成AIテクノロジーの活用
9 コミュニティへの参加:孤独な担当者をつなぎとめる絆

第7章 ESG、サステナビリティ、まずはここまでやろう
1 サステナビリティ情報開示は後回しにすると、もっと面倒になる
2 社内にあるサステナビリティ情報の見える化
3 小さな味方作りが「ひとりで抱え込まない体制」を実現する
4 いよいよ情報開示!完璧よりも「出す」ことが最大の価値になる
5 もう一歩踏み込んで,サステナビリティ情報開示を強化する

第8章 開示実務の先へ,未来を切り拓くキャリア開発
1 IRのキャリアは袋小路なのか?
2 IRのキャリアはどのように始まるのか
3 IRスペシャリストとしてのステージを引き上げる
4 マネジメント層へと進化する
5 IRに新たなキャリアを掛け合わせる
6 IR展開先の王道:CFOルートとコーポレート・コミュニケーションルート
7 年収とポジションの相場観 291
8 事業分野への進出:IR支援会社へのステップ
9 プロフェッショナルとしての独立・起業
10 キャリアは与えられるものではない、自ら獲得せよ

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※目次はAmazon商品ページより引用