SDGs関連調査
定期報告しているSDGs関連調査ですが、またたまってきたのでシェアします。
SDGsの関連調査はそれなりの頻度で発表されているので、最近は3〜4ヶ月ごとに調査まとめ記事を書いています。今回も就活生からマーケティング関連まで、さまざまな視点のSDGs調査を集めました。
意識調査/認知度調査がまだ多いですが、結果からいいますと、これだけSDGsが盛り上がっているのに、実践ができていない企業はまだまだいますね、という。もったいない。
SDGs調査15選
日本インフォメーション
・「エシカル消費」の実施者は全体で4割。ただ「価格やポイントがお得なら買う」が多数を占め、サステナブルな取り組み自体に付加価値を感じる層は1割未満。
・「SDGs」に取り組む企業の商品を「選択・購入したい」と回答した方に、純粋想起で思いつく企業名を挙げてもらった。サントリーが最も多く、トヨタが続く結果となった。
・「SDGs」の認知者のうち、「SDGs」に取り組む企業の商品を選択・購入している人は7割。
SDGsって何? エシカルな消費活動の実態調査
ベイニッチ
・企業のSDGsへの取り組み、約9割が「企業選びに影響した」と回答
・22卒就活生の約7割が「SDGsについて知っている」
・半数以上が「会社説明会・インターンシップ」からSDGsへの取り組みについて認知
22卒就活生の約7割が、SDGsについて認知 企業選びにも影響し「将来性の指標になる」の声
学情1
・2023年卒学生の「SDGs」認知率は95.9%、20代社会人よりも20.4ポイント高い結果。
・7割を超える学生が「SDGs」に取り組む企業は志望度が上がると回答。
・「SDGs」に関する取り組みを、就職活動において意識すると回答した学生が6割に迫る
【2023年卒】7割以上が、「SDGs」に取り組む企業は、就職活動で「志望度が上がる」と回答。20代社会人よりも、22.6ポイント高い結果に。「SDGs」認知率は、95.9%。
学情2
・「SDGs(Sustainable Development Goals)」の20代認知率は、75.5%
・20代の81.2%が、「SDGs」に取り組む企業に「好感が持てる」と回答
・半数以上が、転職活動において、企業が「SDGs」に取り組んでいることを知ると「志望度が上がる」と回答
【20代意識調査】半数以上が、「SDGs」に取り組む企業は、転職活動で「志望度が上がる」と回答。一方、「実際に取り組む内容が重要だと思う」の指摘も。20代の「SDGs」認知率は、75.5%。
日本の人事部
SDGs実施の理由は「ブランディングの効果があるから」が62.4%と最も多く、以下、「ステークホルダーからの評価が高まるから」(58.0%)、「人材の採用につながるから」(40.8%)、「新規事業の開拓につながるから」(28.0%)、「新規取引先の開拓につながるから」(23.6%)と続きます。
人事白書調査レポート2021 注目の人事課題 SDGsで採用効果を期待する企業が約4割
日本立地センター
SDGsに関する検討や取り組みを始める際の最も大きな判断要素については、「代表取役の判断」が構成比68.3%と大半を占める。中小企業における意思決定は、代表取締役の判断に負うところが大きいことが分かる。一方、「取引先企業からの提案・要請」も19.5%となり、取引先との関係性を考慮して取り組みを始めた企業も一定数見られる。
2020 年度 中小企業のSDGs認知度・実態等調査
帝国データバンク
自社におけるSDGsへの理解や取り組みについて、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は14.3%となり前回調査(2020年6月)より6.3ポイント増加するなど、「SDGsに積極的」な企業は同15.3ポイント増の39.7%と前年より大きく増加した。一方で、SDGsに取り組んでいない企業は50.5%と半数を超えている。
SDGsに関する企業の意識調査(2021年)
イメージナビ
「あなたの組織はSDGsの取り組みをどのようにPRしていますか?」
1位:会社案内・広報誌
2位:CSR/サステナビリティレポートや統合報告書
3位:求人・採用サイト
SDGsの取り組みを会社案内・広報誌でPRする企業は約3割! 「SDGsプロモーションに関するアンケート調査」実施
損害保険ジャパン
・10代は、「よく知っている」と回答した人が50%を超えており、学習指導要領の改訂により、小・中学校での教材に組み込まれるなど学校教育で学ぶ機会などもあり、他の世代より認知度が高い結果となりました。
・50%以上の人が、「SDGsの達成」や「社会課題の解決」に向けて取り組んでいる企業の製品・サービスを使用・購入したいと回答しました。
SDGsを意識した経営がマストの時代へ 「SDGs・社会課題に関する意識調査」から見えてきた傾向
日本リサーチセンター
「SDGs」の認知経路(認知者ベース)については、「テレビ」(57.0%)が最多。次いで「新聞記事」「インターネット」が3割前後で、前回同様、上位は 『メディア』が占める。次いで、「職場・仕事を通じて」が2割、「テレビのCM」が1割半ばとなっている。 選択肢数や内容が前回とは異なるが、「テレビ(番組)」の比率は前回から2倍以上、「新聞(記事)」は1割弱ほど増加している。
社会的課題に関する生活者意識調査結果~大阪・関西万博とSDGsに関する意識~
日経リサーチ1
SDGsの認知率(「知っている」と「聞いたことはあるが、内容はよく知らない」の合計)は87%と、言葉としてはとても浸透しています。ただ、「興味・関心がある」となると認知者のうちの53%にとどまります。
【2回連載】日経リサーチ、ビジネスパーソン「SDGs」調査
日経リサーチ2
一方で、半数のビジネスパーソンがSDGs活動をしていないと回答しています。実践していても『特にないが、ゴミの分別くらいはしている』『あたり前のことだが、節電を心掛けている』など控えめな回答も散見され、以前から行っていたあたり前の行動を「SDGs活動」という事に抵抗を持っている人が少なくないと感じました。
「SDGs課題解決への貢献活動」を実践する人としない人の違いは?
日経BP
マーケティング分野の「SDGs」をはじめ、消費分野でも「サステナブル消費」が将来性スコアを大きく伸ばしました。また、新たに追加したキーワードでは、消費分野の「サーキュラーエコノミー」、技術分野の「カーボンニュートラル」も将来性スコアが高い水準です。SDGs関連の取り組みは、もはや企業にとって避けては通れないもので、消費者にも響くキーワードとして期待を集めています。
日経クロストレンド「トレンドマップ 2021上半期」を発表◆技術、マーケティング、消費の全分野で「SDGs」関連キーワードが躍進 ◆コロナ禍の注目キーワードは、「ワーケーション」「D2C」「クラウドファンディング」など
クロス・マーケティング
商品やサービスに、SDGs関連商品とわかる表記が”ある”場合と”ない”場合、どちらを購入するか聞いたところ、「品質・機能も価格も同じなら」「品質・機能も価格も高いなら」SDGs関連商品を購入するとした割合がやや高い。”SDGs関連商品の表記”は、選定時の決定力としては、現時点ではまだ弱い。
SDGsの認知率は67% 2年間で約4倍に 実現には疑念の声も 個人でもできる活動の選択肢の広がりが課題か
雑感
SDGs関連調査は常にウォッチしておりまして、それをまとめてシェアしているのは日本で私だけ(面倒なので誰もやらない)なわけですが傾向が変わってきたように思います。
調査種類としてはいわゆる認知度調査が多いですが、これが、大学生・若者・20代・10代・Z世代、という低年齢層での調査も増えています。まぁ、そもそも40〜50代の認知度や転職時の企業評価ポイントを調査するものなんて見たことがないですが。
あとは、求職者の視点でSDGsが評価に使われるというようになってきたというのは興味深いです。10年以上前から、サステナビリティ推進はホワイト企業への有効手段であり、リクルートに大きな影響がある(しかも即効性がある)と言われていました。それがSDGs視点になってきたと。
操作というか、そう質問したら割合はSDGsにポジティブなイメージをもつ回答が増えるようなぁ、というものも多いのですが、それでも、大学生や転職者がSDGsを企業評価の一つとする、ということは悪いことではありません。加えて、企業側もSDGs関連情報開示で、採用の印象アップを狙うとか、推進する立場としては非常に良いスパイラルが生まれ始めるので。
最近は「SDGsと企業価値」や「SDGsの企業ランキング」など、より高い次元での調査・格付けもでてきました。一部の調査は、調査自体がSDGsウォッシュでしょ、というものもなくはないですが、多くの人々がSDGsを通じて、企業のサステナビリティ側面をよく見るようになるのはよいことです。
まとめ
今回もSDGsについて様々な視点の調査をシェアさせていただきました。気になる調査がありましたら、詳細をチェックしてみてください。
私としては、より多くの企業がSDGsに向かってサステナビリティ推進を行い、経営のボトルネックとなるESG課題を一つでも解決していくことを願っています。そして企業は、求職者が必ずチェックするであろう、コーポレートサイト(ウェブサイト/ホームページ)での、SDGsに関する開示を丁寧にしていきましょう。
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