世界で最も持続可能な100社
2017年もスイスで行われた経済会議である世界経済フォーラム(ダボス会議)期間で発表された「世界で最も持続可能な100社」(Global 100 Most Sustainable Corporations in the World、Global 100 Index、Global 100)。
カナダのコーポレートナイツ社が選ぶ「Global 100」は、世界の主要企業約4,000社を対象に、ESGに関する取り組みから持続可能性評価をしインデックスするもの。2005年から毎年、ダボス会議に合わせて発表されています。
今年は、日本からは、武田薬品工業、シスメックス、アステラス製薬、日本電気の4社がランクインしました。内容を簡単にまとめてシェアします。
ランキングの評価方法
今回のランキングの評価方法として、全企業共通の評価ではなく、業界ごとの「キーイシュー」を重視する形になったようです。まぁ、製造業と非製造業がまったく同じ評価項目というのが、現実的には適切でなくなってきている、という判断でしょうか。
ちなみに、このランキングも日本の東洋経済新報社のCSR総合ランキングと一緒で、財務を一定数評価軸に組み入れてます。当然ですが、どんなにCSR評価が高くても、財務が“ギリギリ”な企業はサスティナブルなわけないですよね。
そもそもこのランキングは「CSR関連情報の開示量」が大きなポイントとなります。日本ではあまり馴染みのない指標(納税、役員報酬、革新性、リーダーシップなど)もあるので、ここにランクインされたい場合は、評価項目をあらかじめピックアップしておく必要があるでしょう。
ただ“評価機関に評価されるCSR”がすべてのステークホルダーにとって良いこととは限らないし、調査と開示にリソースが必要なため、予算や人員が配分できる企業でないと、このランキングに登場することはできないようです。
「CSR関連情報の開示量」と「財務の健全性」は、CSR活動自体よりCSR関連ランキングに評価として大きな影響を与えます。もちろん、CSR担当としては、日頃の活動そのものが企業価値向上への最初の一歩であることには間違いないので、開示だけではなく、足元をきちんとしてくことが大前提となります。
まとめ
このランキングは、グローバルなCSRに求められる重要な項目で評価していると感じています。
日本国内でも、ここ数年でやっと労働慣行・労働環境に関する情報が開示されるようになってきましたが、まだまだ開示が遅れている大手企業(主に上場企業)はたくさんいます。その情報開示レベルでよく「グローバルで戦います!」って言えるよね、なんて企業があるのも現実です。
CSRランキングは実態の企業実態を評価していないと言われる中、財務面も考慮したCSRランキングは、逆に無形資産を含めた総合企業評価になりえるんじゃないか、と思っている今日この頃です。
CSR評価を上げたい企業は確認してみてください。
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