日産CSR

日産のCSR活動「#猫バンバン」

先月特設サイトがオープンした日産自動車の「猫バンバン」。

「猫バンバン」は、冬に暖をとる猫が車の中に入ってしまうことがあるため、ボンネットを叩き猫がないか確認しましょう、という啓発活動です。

日産が、去年の11月にFacebookページで「猫バンバン」の紹介投稿をしたらあっという間に拡散。バイラル系メディアでもかなりシェアされていました。そこから色々な反響をまとめた動画として、2月に日産がYouTubeに啓発動画をアップ、特設コンテンツもオープン。動画のコメント欄には絶賛コメントたくさんありました。

本業でCSR、「消費者課題:消費者の安全衛生の保護」、コンテンツ拡散の方法、など、色々学びがある事例かと思います。

#猫バンバン PROJECT

#猫バンバン それは、ちょっとした思いやりで救える命寒くなると街の猫たちがエンジンルームやタイヤの間に入ってしまうことがあります。気づかずにエンジンをかけてしまった…そんな悲しい事故を防ぐのが、猫バンバン。猫も人も安心して過ごせる社会のために、日産はこのアクションを応援していきます。
猫バンバン|日産

車メーカーが、日常のユーザーや動物たちの課題を解決するための啓発活動をする。よくわからない植樹とか(それ自体はいいことですけど)する前に、目の前の課題解決に動いたほうが社会的インパクトが大きくなると、僕は考えています。実際、そうなったし。

こういう、一般的な認知を広げる価値のあるプロジェクトこそ、ちゃんとリリース出したり、ブロガーまわりに拡散してもらったりすればいいのに。すごく良いプロジェクトなので、もったいないと思います。こういった啓発活動は本来、慈善活動的であり成果を求めることが難しいですが、救えた猫の命とか、事故を未然に防げた件数とか測定できると、そうとう意義のある活動になるでしょう。

CSR情報開示におけるポジション

日産のCSRコンテンツ・社会貢献コンテンツも見ましたが、「猫バンバン」はどこにも載ってないみたいですね。トップページの「インフォメーション」からいかないと、アクセスできないのかな?

で、「反応がよかったからコンテンツページ作りました」という高速PDCAは素晴らしいと思うのですが、6月発行のCSR報告書には間に合わなくても、CSRウェブコンテンツのどこかでうまく紹介できるともっとよいですね。プレスリリースやインフォメーションと呼ばれるコンテンツは、フロー設計なので、情報をきちんとアーカイブしてすぐに確認できるようストック設計を考えるとなおよいでしょう。

あと、こういうパターンで成果につなげるのならば「NPO/NGOとのコラボレーション」もありでしょう。たとえば動物保護系のNPOに宣伝拡散をお願いすれば、一緒にやってくれるところあると思います。CSR活動をPRすることは、必ずしも自分たちだけ行なう必要はありません。

コンテンツは企業が作り、拡散は協力団体の皆さんと一緒にやる。こんな考え方もありますので、機会があったらチャレンジしてみてください。

まとめ

今回は日産の取組みを紹介させていただきましたが、こういう業界における課題というかライフハックというか、ドンドン教えていただきたいです。

誰かの命を救える、“困った”を解決できる、そんな取組みすてきじゃないですか。

ちなみに今回の事例はISO26000でいう「消費者課題:消費者の安全衛生の保護」というCSR課題に入ると思います。一般消費者に商品・サービスを販売するBtoC企業では特に重要な課題ですので、車メーカーさん以外の企業も今一度見直してみましょうね。

関連記事
倫理的消費と消費者教育とCSR
CSR調達と46%の倫理的購入を望むエシカル消費者たち
消費者意識調査とISO26000/消費者課題からみるCSRの現状