水リスクとは
今回の読書メモは「水リスク 大不足時代を勝ち抜く企業戦略」(久保惠一・監修、有限責任監査法人トーマツ・編、日本経済新聞出版社)です。
本書は、タイトル通り「水リスク」に関するものであり、その具体的な対応などを解説しています。
水リスクとは、水を中心とした社会課題や企業の経営課題・リスクのことです。
サプライチェーンマネジメントや環境問題が専門ではない方にもわかるレベルで書かれており、グローバルリスクを学びたいCSR担当者から、サプライチェーンを強化したい企業担当者にもオススメと言えるでしょう。
企業がグローバル環境で戦うにあたり、「水リスク」をどのように考え、それを企業戦略へとどのように取り入れるべきか。「水戦略」をリスク評価から始め、どのようにビジネス・チャンスとして取り組むか。
事例として様々な企業が挙げられていますが、サントリーの水問題に対する事例は興味深いです。
先日、僕もサントリーの水に関する教育プログラム「水育」(みずいく)や水問題に対する取組みを、担当者の方からお聞きしたのですが、「ステークホルダーエンゲージメント」や「コミュニティエンゲージメント」という視点からも、非常に有効な手段だし、水リスクに対し包括的に対応できている感じでした。
CSRにおけるサプライチェーンマネジメント、グローバルリスクマネジメントの非常に良い参考書だと思いました。
水問題に関する参考記事
・CSRのリスク対応として把握すべき水問題7事例
・世界で深刻な水問題(ウォーターフットプリント)で、日本人が知るべき3つのこと
水リスク 大不足時代を勝ち抜く企業戦略
水は21世紀の希少資源で、伝染病の蔓延よりリスク影響度が高い。危機感の薄い日本だが、経済のグローバル化で否応なしにリスクにさらされる。水リスクへの対応とリスクをビジネスチャンスに変える企業戦略を紹介。
これまで水不足に無縁だった日本企業。しかし経営のグローバル化で水問題を避けて通れなくなった。水リスクをどう評価し、水をビジネスに活かす戦略を先進企業から学ぶ。