社会貢献働き方

働く人の社会貢献的価値観

ダイバーシティや女性活用の文脈も含めて、働くことに対して、社会が大きく動いているように感じる今日この頃です。

人はなぜ、仕事に社会貢献の概念を求めるのでしょうか。なぜ、社会貢献的な働き方を志望するのでしょうか。

哲学的な話で個人の価値観が多様なため、限定した答えを出すことはできませんが、ビジネスパーソンや大学生の実態をデータから読み解きたいと思います。

働き方と社会貢献に関する4調査

就職人気企業ランキング

単に表面的な「好き・嫌い」の人気度を測るのではなく、この人気企業ランキング調査の最大の特徴は、5つの観点「仕事の魅力」「会社の魅力」「雇用の魅力」「社会的責任の魅力」「採用活動の魅力」から人気度をはかっていることです。

総合ランキングトップ10
1、電通
2、ANA
3、伊藤忠商事
4、JTBグループ
5、博報堂
6、サントリーグループ
7、ニトリ
8、資生堂
9、三菱東京UFJ銀行
10、JAL

16年度新卒 就職人気企業ランキング 総合ランキング

「社会的責任の魅力」という魅力的な調査項目があり、確かに100位までみると、各種CSR関連ランキングでもおなじみの企業が結構入ってます。学生の人気ということなので、ウェブでのCSR・社会貢献情報開示状況が良い企業が上にいきやすいということなのでしょうか。

昨年度よりランキングが上がっている企業も結構あり、入れ替わりが激しい状況。そもそも正社員で働いたことがない学生が「企業の社会的責任」を評価するというのが面白いです。企業は学生にも理解してもらいやすいような表現をしてかないと、情報感度の高い学生に選んでもらえない時代なのかもね。

ダイバーシティと働き方

外国人採用についても女性の活躍と同様に、「優秀な人材の確保ができる」「日本人社員への良い刺激になる」「異文化・多様性への理解が深まる」「海外拠点や取引先とのコミュニケーションが向上する」などポジティブな回答は圧倒的にバイリンガルユーザーが多いのに対して、「文化・価値観等の違いによるトラブルが増える」「言語の壁によるコミュニケーションの希薄化が進む」など一般就業者はネガティブなイメージを描いていることが明らかになりました。
「ダイバーシティな職場環境」や、「女性の活躍」、「外国人採用の推進」はよく耳にする話題ではあるが、このような取り組みが自分事になっているかどうかは、置かれている職場環境やこれまでの経験による影響が強いと考えられます。海外経験などの異文化体験が少なく、日系企業での勤務経験が長い一般就業者から「分からない」という回答が多いのは日系企業でのこういった取り組みがまだまだ浸透しておらず、どこか他人事になってしまっている表れでだと考えられます。
「ダイバーシティ」「女性の活躍」「外国人採用」に意識のギャップ

ダイジョブ・グローバルリクルーティング社の調査レポートです。海外で就業経験がある人は、日本のダイバーシティ推進にポジティブな反応をしている半面、日本人の多くはそのダイバーシティ推進の意義を肌で感じることが少なく、「特にない」、「よくわからない」という回答をしています。

女性も働きやすい職場を目指すことはとても素晴らしいとは思うのですが、その意義が従業員に浸透しているかというと、なかなか難しいようです。業種・業態によっても異なるでしょうが、ネガティブな面をどこまで解消できるかも、ポイントになるようです。

ダイバーシティ推進の求心力

5年連続で1位を獲得していたグーグルを2位に抑え、トヨタが6年ぶりに首位を奪還。営業利益・純利益とも2年連続で過去最高と好業績に加え、理系女子学生のキャリア構築支援を狙いとした「トヨタ女性技術者育成基金」設立(2014年)などのダイバーシティ推進も、女性を中心とした支持の拡大につながりました。
転職サービス「DODA」調べ 「転職人気企業ランキング2015」

またレポートでは、ワークライフバランスに優れた企業もランキング上位に来ていると分析しています。

あと、20代女性では、資生堂やオリエンタルランドなど、男女問わず働きやすく、女性の視点や企画力が活かせる企業が上位にランクインしているとのこと。当たり前ですが、「働きやすさ」は転職・就職先を選ぶ際に重要な項目になっているようです。

もちろん、中には戦略系コンサルティング・ファームの厳しい職場環境でもバリバリやるで!という人もいるのでしょうけど、多くの人は長く働ける職場を探しているのかもしれません。

『エン転職』ユーザーアンケート集計結果

年齢が上がるにつれ「社会の役に立ちたい」(同:17%、同:23%、同:26%) 、「仕事のやりがいを感じるから」 (同:20%、同:23%、同:24%)といった回答をした方の割合が高くなっています。年齢と共に社会貢献の視点が醸成されること、また仕事そのものの面白みを感じるようになるようです。
現在就業中の方に聞いた、今の仕事を選んだ理由。20代・30代は「やってみたいこと」、40代以上は「できること」を重視

上記の数字は「働く理由」です。「収入を得るため」がすべての世代で1番の理由なのですが、年齢があがると「スキル・経験を積むため」という成長性の回答が少なくなっています。

この調査で社会貢献意識がわかるのか微妙ですが、世代において仕事に求める価値が変わるのは間違いないようです。業種・業態によって変わるのでしょうけど、このあたりの従業員心理は、CSRの社内浸透のヒントになるかも、です。

まとめ

ワークライフバランスやダイバーシティ推進は、純粋な社会貢献ではないですが、少なからず転職・就職の際に見られているといえます。

CSR活動は採用活動にかなり影響を与えると色々な所で言っていますが、この傾向は今後も続きそうです。

企業のCSR担当者は今一度、従業員の働き方についてのCSR報告項目を見直して、より優秀な学生や転職者にアピールしていきましょう!

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