アジアでのCSRの動き
最近、CSR関連の話題でも、アジアのニュースが多くなってきていると思いませんか?
というわけで、本記事ではインド・台湾・中国の3カ国をメインに情報をまとめます。インドの会社法改正(CSR義務化)についての続報記事なども紹介します。
CSRといえば、欧米、とくにヨーロッパは先進的な取組みが多いですが、日本以外のアジアでも色々進展しているようです。特にCSRコンサルティング会社が暗躍を始めたみたいですよ。事例を中心にまとめたのですが、ちょっと長めの記事になりますのであしからず。
インド
CSRの義務化
2014年インドCSR義務化は、当初の政府予想の半分程度の投資額となった。他方、義務化前の2倍近い資金が社会セクターに流れており、企業・行政・NPOによる社会課題解決に向けた協働がより加速すると考えられる。
インドのCSR2%義務化から1年が経過、その後の動向
CSRが急激に浸透する陰に、グローバル・コンサルティング・ファームの動きもあるようです。日本もそうなるのかなぁ。日本でも監査法人系がトップ・ファームになるのかな?
参照:India’s Top Companies for CSR 2014(英語)
中国
中国におけるCSR調達
「環境問題や社会問題に対処できない企業の商品は、買ってもらえない時代になりつつある。実際、CSRの管理がきちんとできない工場は品質上の問題や、労働者を安定確保できないなど様々な問題があることが分かって来ました。きれいごとではなく、自社の環境管理や労務管理が高い品質や強いコスト体質を作ることをサプライヤーが理解し、実行してもらうことで、私たちの商品の競争力は高まるのです」
中国「残酷工場」は、すでに過去の話なのか
人権・労働慣行の領域は日本以外では非常にナイーブで重大なリスクなので対応が必須です。だからって、記事にある通り、従業員の不正行為を野放しにしなければならないというわけではありません。最低限の規律をどう構築するのかがポイントなのでしょうか。
記事では、富士ゼロックスのCSR活動におけるサプライチェーンマネジメントについて書かれています。根気よく、CSRの重要性を中国企業に訴える、と。日本企業の工場も多いだろうし、富士ゼロックス以外の企業の動向も注目ですね。
台湾
すべての上場企業ではないようですが、それでもCSR報告の義務化はインパクトでかいですよね。世界中の証券取引所ではCSR/ESG情報の開示を義務化する所も増えているようですし、それらの企業と取引をする日本企業もデューディリジェンスというか、CSR監査がより厳格になるんでしょうね。
世界的にはSRI投資やESG投資が日本と比べ物にならないくらい大きいマーケットなので、こうでもしないと将来的な企業価値向上と投資家の呼び込みができないのでしょう。
日本はいつ義務化されるんでしょうね。CSRがあまり進まず、日本のマーケット自体が外国人投資家にネガティブ・スクリーニングされないといいのですが…。
まとめ
今回は、アジアの、特に中国・インド・台湾の3カ国の流れをまとめてみました。
インドみたいに法制化されたり、中国みたいにかなり顕在化した形を目の当たりにして国がアクセル全開でCSRを進めたりすると、ものすごい早さでCSRが浸透していきますよね。新興国のパワーはすごいっす。
あと感じたのが、「GRI/G4」ですね。CSR報告の国際的ガイドラインですが、ISO26000より世界では重用されているみたいです。日本企業のCSR報告も、ISO26000からの移行を検討すべきタイミングなのかもしれませんね。もちろん、中身が伴わず、空欄ばかりのGRI対照表をCSR報告書に載せてもしょうがないんですけど。
CSRコンサルタントとしては、CSRが広がることで、CSR支援のマーケットも広がり、よりCSR活動の精度や品質向上が見込まれるという良いスパイラルが生まれる事を喜ばしく思います。
日本でこういった動きはまだまだなさそうですが、今の20代が40代になる頃には日本もCSRが何歩も先に進んでいるのでしょうか。もしくは、社会問題に押しつぶされて企業が身動きができない社会になっているのでしょうか…。
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