CSR環境

クールビズと従業員の環境意識

今年も「クールビズ(COOL BIZ)」の季節がやってきました。もうクールビズのお買い物はお済みですか?

環境省のキャンペーンサイト「Fun to Share」によれば、2015年5月1日〜2015年10月31日の6ヶ月間がクールビズの期間になります。6月1日からは「スーパークールビズ」として更なる軽装が推奨されます。

東日本大震災以降、ガチンコで節電に迫られてから数年たち、首都圏でも随分浸透してきたクールビズ。そもそもクールビズとは2005年(平成17年)夏から始まり、今年で11年目となる環境省の気球温暖化対策の取組みです。

以前までは6〜9月までだったのが、「スーパー・クールビズ」となり、前後1ヶ月間の期間延長をして今の形になったようです。さらに温暖化が進むと「超スーパー・クールビズ」とか、名称もインフレ化していってしまうのでしょうか。それはそれで楽しみだったりますが。冗談ですけど。

クールビズの成果

平成22年11月中旬に、チャレンジ25キャンペーンが実施した「COOL BIZ」の実施状況に関するアンケート調査では、「COOL BIZ」の認知度は88.2%でした。また、「COOL BIZ」開始以来、冷房の設定温度を高く設定している企業は52.9%となっており、この割合をもとに推計したところ、二酸化炭素削減量は約169万トン-CO2(約393万世帯の1ヵ月分のCO2排出量に相当)となりました。
平成22年度の「COOL BIZ」の成果について

少し前のデータですが、そこそこ効果がありそうですね。CO2が169万トン削減できたら、どうなるのかというアウトカム(成果)のデータが見当たりませんでしたが。多分効果があるのでしょう。会社の電気代もバカにならないし、エコしようぜ!ってことでしょうか。

冷房温度28度とは、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」及び「労働安全衛生法の事務所衛生基準規則」において定められた範囲(17度以上28度以下)の室温の設定です。オフィスなどのすべての事業所で、夏の冷房の設定温度を26.2度から28度に1.8度上げると想定すると、大きな削減効果が期待できます。
クールビズについて

ウェブでサラッと調べたくらいですが、クールビズやウォームビズなどの取組みを実施し、ウェブサイトにその旨を掲載している企業は何十社とあります。微々たるものでしょうけど、従業員のエコ意識向上とか、節電による温室効果ガスの軽減効果などもあるだろうし、取組み自体は良いことだと思います。

CSRの社内浸透が進まない、というCSR担当者の方は多いですが、こういった官公庁主導の社会的なムーブメントに乗ってしまえばいいんじゃないですかね。座学のCSR研修よりよほど従業員の環境意識は高まると思いますよ。きっかけとしてはクールビズはかなりチャンスかもしれません。

ということで、来月以降、企業のプレスリリースでクールビズ開始のニュースを見たら、クールなのに温かい目で見守っていたければ幸いです。

クールビズの理想と実態

環境分野が専門ではないので、気候変動への影響まではよくわからないものの、節電・節エネルギーになる取組みは決して悪い事ではないと思います。

全世界的に環境問題(気候変動)はメガトレンドとしてCSRのトピックスに挙がっています。どの企業評価でも環境の項目がない、なんてことはないくらいです。しかし、皆さんお気づきの通りCSRの文脈における環境対策でクールビズが話題に上がることは皆無です。

実施している企業はあるものの、BtoB企業の場合、客先に訪問することも多く、なかなか半袖ポロシャツのまま、というわけにはいかないのが現状。僕も結局ジャケット着用してます…。コンサルティング業務になると、なかなかカジュアルな服装が着れませんね。

先方から「弊社はクールビズなのでネクタイ・ジャケットなしでもOKです」と言ってくれればいいけど、コンサルタント側から提案するのも変だし…。CSRという領域なので「御社もノーネクタイ・ノージャケットでクールビズしましょう!」と言えなくもないけど…。さて今年はどうしたものか…。

まとめ

CSRとして本来意識すべきは、本質的な気候変動への対応です。

企業の環境部門や、CSRや人事などの部門だけが動けばよいというわけではなく、従業員全員で取り組む必要があります。それぞれの部門だからできるエコ的発想って絶対ありますからね。

日頃スーツの皆様も、クールビズの服を購入する時に、一歩踏み込み環境問題を少しでも意識する機会が増えるといいなと思った今日この頃です。一応5月1日からクールビズがスタートなのでクールビズ・ファッションのご購入はお早めに。

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