論語が目指す究極の目標とは?

論語を振り返りたくて『ハーバードビジネスレビュー 2009年10月号:「論語」の経営学』(ダイヤモンド社)を読み直したので読書メモ。

ふと読み返してみたわりには、言っていることが古くなっていなくてビックリ。そりゃ、2500年も生き残ってきた古典だもん、たかが6年間くらいでは古くさくなりませんね。CSRの目的とか意味とかを振り返るには論語がブレなくていいね。

論語を振り返りたかったのは、「企業倫理の究極の目的は何か」を確認したかったからです。

僕はCSRは「信頼される企業になるため」にするものだと常日頃から言っていますが、では“信頼される企業”になって、その先に何を求めるのか、と。

論語で重要なのは「仁・義・礼・知・信」という概念だとされていますが、結論、「君子」を目指せという話。これって、「企業市民」や「ジェントルマン」の考えに近いですよね。つまり、企業はゴーイング・コンサーンもだけど、ブランド(暖簾・アイデンティティ)を究極的に高めるために、CSR(企業倫理)を進めるのではないかと。

「三方よし」の江戸時代の商人の多くはこの論語を読んで商道徳を学んでいますし、論語からの三方よしからのCSRみたいにつながっている気がしてなりません。

あまりにも日本文化に影響を与えすぎた書なので、偉大すぎてコメントをしにくいのですが、1年に1回は、論語を振り返り、軸をブラさないでいきたいものです。企業倫理(経営倫理・ビジネス倫理)って重要っす。

CSR担当者の他には、マーケティング、経営企画、経営者の方などにオススメの内容です。「利を見て義を思う」です。あなたが稼ぐ利益(お金)に義(正義・大義名分)はありますか?

ハーバードビジネスレビュー 2009年10月号

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