企業寄付はCSRとして成り立つのか? 戦略的フィランソロピー

企業寄付

企業寄付はCSRとして成り立つのか

企業の戦略的な寄付・募金で、CSRはよりインパクトの出せるものになるのでしょうか。

今回は企業寄付まわりの話を。企業寄付でも戦略性やメリットを重視した「戦略的フィランソロピー」が、社会的意義も企業側のメリットも大きい活動として注目されています。

そこで、世界の寄付事情のデータ、企業寄付の事例、企業寄付の形、をまとめてみます。

御社の戦略的な企業寄付のきっかけになれば幸いです。

世界寄付指数、日本は何位?

2014年版の「世界寄付指数」(World Giving Index)によると、「他の人のために与える行動を最も多く行った国」のランキングにおいて、アメリカとミャンマーは同率1位となった。
世界的に見ると、見ず知らずの他人のために自分の時間を割いたり、ボランティアを行う人は増加しているが、金銭的な寄付を行う人の割合については、わずかな減少がみられる。この低下の原因は、世界の国内総生産(GDP)成長率の低下に関係していると考えられる。
日本は総合指数26%で90位。アジア諸国内では、中国(128位、指数18%)カンボジア(108位、指数23%)に次いでワースト3位となった。日本の場合、金銭的な寄付やボランティア指数は比較的高いが(それぞれ62位と39位)、「見知らぬ人を助ける」指数が134位で、カンボジアに次ぎ、世界ワースト2位となっている。
「寄付やボランティアを積極的に行った国」ランキング、日本は何位?(調査結果)

アメリカは、過去1カ月以内に「金銭的な寄付を行ったか」・「ボランティア団体の活動に参加したか」・「見ず知らずの他人を援助したか」という、3つの基準すべてについて上位10カ国に入った唯一の国だそうです。さすが、寄付大国アメリカ。

日本は相変わらず下から数えた方が早いのか。っていうか、「見知らぬ人を助ける」という項目がダントツで悪いってのが、なんとなくイメージできちゃう自分が怖い。都市部とか、マンションの隣人に挨拶すらしない人が多いくらいだもんな。

ってか、ハフポストのこの手のデータは結構良い記事だよなぁ。あっ、僕もハフポの書かなきゃ…。

Yahoo!JAPANの寄付事例

「寄付の行方」Vol.1
「寄付の行方」Vol.2
「寄付の行方」Vol.3

Yahoo!JAPANがCSRコンテンツでこういうまとめをするってのは非常にいいですね。僕は好きですよ。アクセスは少なそうだけど…。

2011年の東日本大震災14億円近くのお金を集めたけど、寄付先がない。迅速性、公平性、透明性、という多くの課題を突きつけられた時、Yahoo!はどう動いたのか。などなど、ネット系企業(メディア企業)の寄付について多くの示唆がある事例かと思います。

っていうか「課題解決エンジンレポート」はCSRとはほぼ関係ないから、別コンテンツでしてほしいな。なんか、動線が多い分、この特集までアクセスが誘導できない気がする…もったいない。ぜひお時間ある時に、読んでみてください。1記事数分で読めると思います。

企業寄付の形

Yahoo!のように、課題はありながらもサクサク進む企業は、日本企業ではごく一部でしょう。

普通は、ただ寄付して終わりでしょうね。「寄付金の行方」なんて追っている所は少ないでしょうね。もちろん、企業寄付としてもありますが、助成金、奨学金、補助金という形もあります。基金を作って運用するという形もありますね。

節税とか損金算入の話もあるのですが、企業寄付では「損金算入限度額|国税庁」という制限があります。計算式が複雑なので、計算が面倒です。一度算出してしまえば、そこまで変わらないようにも見えるのですが、企業の一部では損金算入云々は面倒なので、請求書ベースでサクっとやりたいという人たちが一定数いるのです。

ただ企業寄付って、現実的には損金算入できるとかできないとかって話より、NPOに寄付するくらいなら広告費にでもまわしたほうが得じゃん、というような心理が大きく影響しているように思います。

他には、NPOは「いいじゃん寄付してよ!」ってスタンスですが、企業担当者の話を聞く限り、それでは上司の決済はおりないと。

だからNPOが企業寄付を直接受ける場合、きちんとメリット・デメリットを提示し、企業寄付が税金対策・節税対策以上の効果を発揮するようなプログラムを作るべきなんでしょうね。そうすることで、企業側も戦略的な寄付となり、より社会的インパクトにつながる、と。

まとめ

寄付だろうが、CSRだろうが、事業活動である以上、戦略性を持ちやるからにはしっかり結果を出したいものです。

企業寄付を含めた、寄付まわりの情報は「日本ファンドレイジング協会」が詳しいので、ご興味がある方はぜひ。ここが発行している「寄付白書」の今年のは2015年夏頃の発売だそうです。

以下の記事もお時間がある時にぜひチェックしてみてくださいね。

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