ホワイト企業とは何か

いつからから、ブラック企業の対義語はホワイト企業やろ!ということで、まことしやかに都市伝説となっていたホワイト企業。

去年よりワードが出回るようになり、省庁までホワイト企業というワードを使う時代に。

そんな戦乱の現世において、ホワイト企業をはっきりとした総合的なエビデンスで評価する動きも活発になっており、非常によい流れかと思います。

ブラック企業問題やホワイト企業論がCSRではないという人もいますが、従業員をステークホルダーに入れずして何を語るんだい?と僕は思っているので、CSR文脈の範疇であると認識しております。

ホワイト企業関連の書籍3冊+α

書評

CSR的な企業評価ガイド「本当のホワイト企業の見つけ方」(岸本吉浩)
女性が安心して働ける会社をまとめた良書「ホワイト企業」(経済産業省)
人材育成からみる企業価値とCSR「ホワイト企業」(高橋俊介)

何ができたらホワイト企業?

では、そもそものホワイト企業の定義というか、評価方法を振り返ってみましょう。エビデンスに定評がある東洋経済の考え方が参考になりますので紹介します。

今年3月に東洋経済が『新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ300ー最新版「新卒3年後定着率」ランキング』という記事を発表し、話題になりました。2013年に「ブラック企業」は流行語大賞ノミネートして一般認知も広がったものの、ほぼ対義語のホワイト企業というのが改めて認知されるきっかけになった記事です。

その後、これらの情報をまとめた本が東洋経済から出版されたのですが、詳細は後ほど。まずは、関連記事からホワイト企業の本質に迫っていきましょう。

ちなみに、その評価方法と指標はいかの通り。幅広い企業情報からが判断基準となります。

評価項目は、東洋経済『CSR企業総覧』に掲載する人材活用(38項目)、環境(26項目)、企業統治(34項目)、社会性(27項目)の4分野で幅広く設定。たとえば、人材活用は「女性管理職比率」、「障害者雇用率」、「有給休暇取得率」、「従業員の満足度調査」、「新卒入社者の定着度」といったデータを使っている。新卒入社者の定着度が、全体の評価項目の中の、一部分を取り出したものだ、ということがおわかりいただけるだろうか。
こうした多くの項目を使い、4分野の各評価得点を算出(企業統治と社会性は合計点)し、これらを合計する。人材活用、環境、企業統治+社会性という分野に分かれていることで各企業の強い分野、弱い分野もわかる。さらに、3年平均のROE(自己資本利益率)10%以上というフィルターをかけて、資本効率や財務なども考慮したのが、「ホワイト企業総合ランキング」だ。
本当のホワイト企業、”トップ5″はどこかー新入社員に優しいだけでは、真のホワイト企業ではない

ではランキングを紹介します。

○ホワイト企業「総合」ランキングトップ5
1位・東芝、2位・日産自動車、3位・JT、4位・ブリヂストン、5位・旭硝子

○ホワイト企業「総合」ランキング【中堅企業版】トップ5
1位・アシックス、2位・SCSK、3位・アンリツ、4位・ツムラ、5位・イオンモール
本当のホワイト企業、”トップ5″はどこかー新入社員に優しいだけでは、真のホワイト企業ではない

従業員にも社会にも配慮している企業。経営陣が何を考えているかは別として、現場が大切にされない会社で働きたいと思わないですよね。

以下の記事も参考になるのでどうぞ。

自分に合ったホワイト企業の探し方とは?ーランキングを上手に使いこなそう
「ホワイト企業」、お得度高い中堅トップ20-データを読み込んで、インターンシップに行こう

なお、拙著『この数字で世界経済のことが10倍わかる–経済のモノサシと社会のモノサシ』でも、一部ですが、ホワイト企業的な項目について書いてあります。

ホワイト企業は、CSR的にも好評だし推奨されるべき概念だと思います。お時間がある時に、振り返ってみて下さい。

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