アフターコロナ時代のSDGs/サステナビリティでやるべきこと

コロナSDGs

コロナとSDGs/サステナビリティ

アフターコロナ時代となる、2020年下半期からのCSR(ESG/SDGs/サステナビリティ含む)はどうなるでしょうか。

先日もアフターコロナに関するCSRの話か書きましたが、CSRの基本的な考え方は依然と変わらないのですが、オペレーションの話は結構変わると考えています。結論から言いますと、「コスト削減」と「労働安全衛生」あたりがポイントになります。

本記事では、具体的な対策についてまとめます。

コスト削減

コロナショックで「コスト削減もでき、成果が見える化しやすく、社会貢献度も高いCSR活動」みたいのが注目され始めています。意味合いからすると、マテリアリティのようなものですが、2020年度は特にコスト(予算・時間)が抑えられると思いますので「優先順位が低かったけど惰性で継続してきた取り組み」は、この機会に整理することになるでしょう。

また、ある調査では9割の企業が売上減となっている、という報道もあるくらいで、CSRの活動予算は、かなり厳しくなるでしょう。2020〜2021年のCSR活動は、担当者にとっては難しい舵取りが求められます。2020年発行分の統合報告書/サステナビリティレポートは、昨年から準備してきた企業も多いと思うので、なんとか発行できると思いますが、問題は2021年発行分です。予算削減の波を受けて、統合報告書とサステナビリティレポートを二本立てで発行していた企業も、冊子は統合報告書だけにして、サステナビリティ紹介情報はウェブのみにすると言う企業も、今まで以上に増えそうです。

CSR活動自体も、マテリアルな活動をやめるわけに行きませんが、優先順位の低い活動は、一旦保留が妥当でしょう。もちろん、昨年以上にやり切れる、という企業はそのままいけばいいと思いますが、一旦立ち止まって、コロナショックによる影響を振り返ってから始めてもいいのではないでしょうか。

公衆衛生の課題

公衆衛生からの、労働安全衛生の課題は人権・労働慣行の超重要課題であり、CSRの本丸です。CSRとして医療機関への物品寄付や、マスク・フェイスガードの製造販売もいいけど、まずは足下を固めましょう。他人を気にするがあまり、足元をおろそかにすると、コロナの第二波・第三波によって二次災害も起きかねません。早急に対応しましょう。

コロナで、投資家がESG評価項目として「従業員エンゲージメント」「危機管理」「サプライチェーンマネジメント」などが重視するところも増えているようです。どれもコロナで事業変化があり、より事業継続のリスクが上がった分野でもあります。とくに従業員の命を考えると、制限される行動も多く、エンゲージメント含む従業員まわりの配慮は優先していきましょう。

各国政府が、新型コロナウイルスまん延への経済対策にあわせ環境保護の取り組みを進めています。いわゆるグリーンリカバリーです。当然、企業の外からは絶対的正義の理想論がどんどん飛んでくるでしょう。今は環境活動をする必要はないと言いませんが、2020年春夏はテレワークの継続実施を含めて、コロナに対応できる労働環境整備が先でしょうね。

事業所の対策

では労働環境についてですが、企業におけるコロナ対策は経団連のガイドラインが一つの指標となるでしょう。講じるべき具体的な対策を11項目にまとめてありますので、自社の対応策のヒントにしてみてください。

>>オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインオフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン

個人視点では厚生省の「新しい生活様式」が参考になるでしょう。エビデンスもある厚生省の指針なので、組織から個人向けに情報提供するのもよいでしょう。

>>新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」

既存の取り組み

既存のCSR活動に対してすべきことは「優先順位の高いものからする」に切り替えることです。そんなの当たり前と思いきや、意外にコストもかかり成果もたいして生み出していない活動も“慣習”として継続されることが多いです。最低限の調査と計画を行って問題/課題の全体像を掴み、施策の優先順位を付けるのが重要です。

・実施プロジェクトの精査
優先順位の高い取り組み(マテリアルな活動)に集中し、低い活動は一旦保留する。

・ステークホルダーの精査
優先順位の高いステークホルダー(株主、従業員など)から重点的にフォローしていく。

・外部評価対応の精査
優先順位の高い外部評価から対応する。やむをえないが回答しない評価を決める。

・コスト削減
経済危機に対抗すべく、コスト削減(省エネなど)に貢献するCSR活動を重点的に進める。広報IR部門と協議し、対応する(調査回答する)格付け等を絞る。

・影響把握
「ミクロ/ローカルな影響」と「マクロ/グローバルな影響」を自社のビジネスモデルと比較し、コロナによるインパクトを把握する

SDGs対応

たとえばSDGsの一丁目一番地は「貧困解決」です。しかし、コロナショックにより、世界中で合計1億人以上の失業者が生まれているともされており、セーフティネットにギリギリ止まる人や、そこからこぼれてしまった貧困層は増え続けています。ただでさえ解決不可能と言われていた課題でしたが、2030年までに解決できる可能性はこれでなくなりました。諦める必要はありませんが、コロナの影響はとても大きいです。ただでさえ国連も予算不足でしたが、世界中の経済不況の中で、特に2020〜2021年はSDGs対応の予算は全世界で削減されてしまうでしょう。

短期的には「自社の持続可能性の確保 > SDGs(社会・環境への配慮)」となります。実際には2030年にどうこうではなく、まずは2020年を乗り越えなければなりません。大企業であれば2020年は大丈夫でも、様々な課題が顕在化した2021年を乗り越えなければなりません。そういう、どうしても短期的な目線で見ている状況で、SDGsが個別企業に与えるインパクトは不透明です。

そういう状況の中で、世界のトヨタが改めてSDGs推進に舵を切ったのは、経済界へのインパクトはとても大きいでしょう。これをきっかけに、SDGsを進める機運が落ちないようになってくれればありがたいです。

まとめ

コロナの混乱下の中でSDGs/サステナビリティはどうなるのか。理想論ではなく、理想を目指しながらも現場でもがく担当者やコンサルはどこを目指せばいいのか。

コロナショックによる騒動はいずれ終息します。しかしその後も、騒動前から日本企業や社会が抱えていた問題は何一つ変わっていない、それどころか悪化している課題が増えている、ということが判明ことでしょう。

コロナで人の移動や活動が限定された結果、環境問題(特に大気汚染など)が緩和されたという報道もありましたが、限定的なものである調査も最近増えています。でしょうね。実際に中国のあるエリアでは、活動自粛期間の大気汚染著しく改善されたが、活動再開をした今は以前よりも大気汚染が進んでいる、という報道もあり、このような傾向は全世界的にあるようです。

当然、予算・時間があれば今まで通りにPDCAを回すべきですが、新規のSDGs対応などは2020年中に絶対すべきこと、とは私は思えません。そのためにマテリアリティがあるわけで、経営戦略にSDGsが組み込めていないなら、今すぐに取り組むというものではないでしょう。特に、経済危機の状態では、まずは「従業員」を守るべきです。従業員の雇用と健康(安全)以上に重要なことはありません。

他人を助けるために自分も巻き込まれる“二次災害”は絶対に起こしてはなりません。まずは、自社の体制を立て直し、足場の安全を確保してから、ステークホルダーとのエンゲージメントに行きましょう。CSR活動のヒントになれば幸いです。

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