コーズ・リレーテッド・マーケティング

あなたはコーズマーケティングという言葉を知っていますか?

コーズマーケティングとは、寄付付き商品・サービスのこと。

近年は寄付という形ではなく、ソーシャルビジネスに近い、
その商品の販売・流通こそが何かの社会的課題解決に貢献するという、
マーケティング・プランニングそのものを指す事もあります。
また、ソーシャルマーケティングと呼ばれることもあります。

さて今回は、コーズマーケティングのとある事例を紹介します。
テーマは「コンドーム」です。

世界最大級の保健機関が注目した事例

コンドームの使用量は、ソーシャルマーケティングを実施すれば、2倍に増える。アフリカをはじめとする途上国を悩ますHIV感染の予防にも効果的だ。
これは世界保健機関(WHO)が、サウスカロライナ医科大学(MUSC)、米系NGOファミリー・ヘルス・インターナショナル(FHI)、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部(JHSPH)と共同で実施した研究で明らかになったもの。インドとサバサハラ(サハラ砂漠以南の)アフリカに住む合計2万3000人をサンプルとする過去のデータをもとに割り出した。ソーシャルマーケティングとコンドーム使用量の相関関係を数値化した研究結果は世界でも今回が初めて。WHOブレティン8月号に掲載した。

これすごいことだと思うんですよ。

コーズマーケティングで良く事例に挙がるボルビックさんだって、
売上2倍までいっていなかったはず。
しかも、“世界最大級の保健機関”が実証したとなれば、効果は本物。

もちろん、コーズマーケティングが万能であるとはいわないけれど、
「何か社会貢献したい」といったフェーズの企業は、
本気で自社サービスの見直しをしていったほうがいいんじゃないかな?

コーズマーケティングの注意点

前述したように、なんでもかんでもコーズマーケティングの視点を
取り入れれば良いというわけではない。

では、どうしたらいいか。

僕は、コーズマーケティングは、
「価値の再発見」から始まると考えています。

もう商品ができあがっていて、
マーケティング・コミュニケーション領域においてのみコーズに取り組んでも、
消費者はストーリーの浅さに嫌気をさすかもしれないのです。

そうではなくて、商品そのものの開発ストーリー、そして、
その商品を通じて自社・顧客の枠を超えた第三者(社会)に、
どんな価値を提供し、課題解決になるのかを語る必要があるのではないかと。

今まで顧客メリットばかり訴求してきたかもしれませんが、
顧客メリットも第三者(社会)メリットもしっかり提示することで、
共感をよび、場合によっては、従来比で2倍の結果をたたき出すこともできる、と。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

コーズマーケティング(ソーシャルマーケティング)は随分前から提唱されながら、
なかなか実績が乏しかったマーケティング手法でもあります。

“共感”というワードがコミュニケーションのレイヤーで叫ばれるようになった昨今、
本格的なビジネスへの導入、新サービスの開発などに応用されるのかもしれませんね。

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