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CSR調達を変える新潮流–持続可能な調達「ISO20400」(2017)

ISO20400の発行

先日、持続可能な調達「ISO 20400:2017」が発表されましたのでシェアします。

the first International Standard for sustainable procurement just published
ISO20400.org

以前から2017年前半には発表されるということでしたが、待ち遠しかったです。これで、CSR実務に大きな影響を与えうる規格として、2010年の社会的責任「ISO26000」以来7年ぶりに規格ができたことになります。

概要

ISO20400は、持続可能な調達のための世界初の国際規格であり、組織が持続可能な購買実務および政策を策定し実行するのを支援することを目的としています。持続可能性を組織の調達戦略と事業プロセスに統合するためのガイドラインを提供し、説明責任、透明性、人権尊重、倫理的行動などの持続可能な調達の原則を定めています。

持続可能な調達は、組織・社会・環境に利益をもたらす方法で組織のニーズを満たす購買決定を行うことでもあります。企業のサプライヤーが倫理的に行動し、購入した製品やサービスが持続可能であり、購買意思決定が社会的、経済的、環境的問題に対処するのに役立つことの保証にもつながります。

特に社会的にはサプライヤーが勤務条件やリスク管理から環境への影響まで、健全で倫理的な慣行を確保することは、ビジネスの改善だけでなく、地域にいるすべての人の生活を改善する可能性を秘めています。

来月以降、日本でもISO20400に関する様々なセミナーが増えてくるでしょう。多分、CSR支援側の人間は参加できないので、調達担当者の方は自力で探してみてください。私はそれらのおこぼれ情報をいただきとうございます。

また概要はプレビューできますので「ISO 20400:2017 Sustainable procurement — Guidance」のページで確認してみてください。英語版はすでに購入できるようです。

ISO20400の日本語版書籍も、じきに発売されるだろうし(ISO26000は、2010年11月発表・2011年1月日本語書籍発売)、2018年発行分のCSR関連報告書から、なにかしらのアナウンスが必要になってくるかもしれません。ちなみに冊子が出るかどうかも知らないので、気長に待ちましょう。

GRIスタンダードでもそうですが、トリプルボトムライン(経済・社会・環境)の概念が改めて注目されています。日本政府のSDGsへの言及でもトリプルボトムラインの話あったと思います。古くからある概念ですが、CSRも決して新しい概念でもないですから、当然なのかもしれません。

イメージ


「ISO 20400:2017(en) Introduction Figure 1 — Schematic view of the content of ISO 20400」より引用

調達で変わるCSR

製造業関連の業界には、業界の調達規格があるところが多く、CSR調達の規格は今更感があるかと思いますが、国際的かつ業界を問わないCSR調達の枠組みというのは当然重要なものであり、調達をする側・される側の共通言語ができたことは、CSR調達の世界的な浸透が進むきっかけとなるでしょう。

実務的には、今のCSR調達における「方針」や、調達先への「調査アンケート」の改定の検討が、直近のタスクになるのでしょうか。このあたりは専門ではありませんが、リスクマネジメントにおいても重要な概念なので、しっかりと調整を行いたいですね。

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まとめ

BtoB企業のCSR活動の多くはCSR調達にある。私はそう考えています。それは事業リスクの多くが、サプライチェーン(バリューチェーン)にあるという事実もあるからです。

ISO26000もそうでしたが、ISO20400もまずは国内大手企業の数十社程度が参照し、数年かけて国内大手数百社が評価プロセスやCSR活動のチェックリストのブラッシュアップなどに使っていくのでしょう。

今月、日本語版が発表されたGRIスタンダードも含めて、2017〜2018年は新規のガイドライン対応がCSRのトピックスになるのかもしれません。もちろんSDGsやGRIもあるのですが、ISO20400の方が戦略云々の前に、現時点の実務(CSR調達ガイドライン)に影響を与えるものなので浸透が早いでしょう。

本記事では速報的にまとめましたが、今後も随時アップされていく情報(まだ英語が多いと思うけど)を、キャッチアップし、どこかのタイミングでまとめて記事にしたいと思います。



執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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