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統合報告書アワード「第19回日経アニュアルリポートアウォード」(2017)

統合報告書アワード

先日、今年の「第19回日経アニュアルリポートアウォード」が発表されてましたのでシェアします。

2016年度の審査結果

また「審査基準」は興味深いので、統合報告書を発行していない上場企業の方もチェックしたほうがよいでしょう。「良い」「悪い」が明確なので基準がわかりやすいです。

私のようなCSR寄りの人間にとっては、ファンドマネージャーやアナリストという方と話をすることはないので、いろいろ勉強になりました。

アワード受賞企業

今年は、グランプリに中外製薬、準グランプリにアステラス製薬、オムロン、コニカミノルタ、三菱商事、特別賞に味の素、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスが選出されました。

優秀賞は、伊藤忠商事、ANAホールディングス、オリンパス、カプコン、住友化学、セガサミーホールディングス、豊田通商、ナブテスコ、東日本旅客鉄道、ポーラ・オルビスホールディングス、みずほフィナンシャルグループ、三井化学、三菱重工業、LIXILグループの14社が選ばれました。

ちなみに去年のグランプリも中外製薬。準グランプリはオムロン、TDK、三井物産、三菱重工業、の4社でした。企業名だけみると“取るべくして取った”感じです。これらの企業はどのランキングやアワードでも評判良い企業ばかりなので、驚きというよりは当然であります。

ただ、コメントが一部偏っている部分もあったり、当然ですが人によって感じ方は違うんだなと改めて感じました。コメント文字数も少ないから抽象度が高いワードになるのはわかるけど…ねぇ。

ちなみに、私は、想定読者(ステークホルダー)によって変わりますが「一気に読める面白い・読みやすいレポート」はNGだと考えてます。想定読者が一般消費者や一般ビジネスパーソンであれば褒め言葉ですが、シンクタンクや評価機関、専門家、投資家などが対象となると…。冊子の「読みやすさ」とステークホルダーの「行動変容」(コンバージョン)は必ずしも重なりません。難しいです。とはいえ、勉強させていただきます。それぞれの企業にコメントがされているので気になる方はチェックしてみてください。

統合報告書の今後

統合報告書自体は日本でどれだけ発行されているのでしょうか。「統合報告書発行企業調査2016レポート」(宝印刷、2017)によれば、2016年末で330社程度となり、2013年のIIRCフレームワーク発行後、急速に浸透しているとされています。

私の個人的な予想では、500社くらいまではどんどん伸びていくと思います。それ以上は……。CSR報告書発行社数よりは伸び率が良いと思いますが、鈍化していくと思われます。

このアワードで選出されるかどうか別としても、上場企業であれば投資家の視線は重視しなければならないし、どういうメディア戦略になるかわかりませんが、統合報告書やアニュアルレポートという形で、ESG情報を発信する必要はもちろんあります。アワードやランキングには参加費などがかかる場合があるので、統合報告書制作予算の中であらかじめ考慮していたほうがいいかもしれませんね。

まとめ

統合報告書の想定読者は誰か。そしてその成果は何か。成果とは報告書の品質だけではないはずですよね。

多くの企業では読者は「投資家・株主」となるのでしょうけど、こういうアワードを取るようなトップオブトップの企業では、シンクタンク・大学教授とかも読者になってきそうです。それくらい専門家でも読み応えがあるものになっているというか。

「評価機関に評価されるための統合報告書」は専門家ウケしますけど、投資家以外のステークホルダーの情報ニーズから離れてしまう可能性も大いにあります。特にCSR報告書を廃止し統合している場合は、投資家以外の視点も盛り込まなければなりません。

ESG評価は高いけどCSR評価は低い企業とか、笑えません。これらの企業様の事例を勉強させていただきながら、自社の報告書のブラッシュアップをしていきましょう。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]