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統合報告書アワード「WICIジャパン統合報告表彰」(2016)

統合報告書

統合報告書アワード

今年も発表されました統合報告書のアワード「WICIジャパン統合報告表彰」です。

第4回「WICIジャパン統合報告表彰」について

このアワードはかなりハードルの高いアワードで、他の統合報告系アワードなどを受賞している企業でもなかなか表彰されません。

逆に何年かすでに統合報告書を発行し、次のステップに進みたい、と考えている企業担当者には参考になるアワードとなるでしょう!一部リリースから引用し紹介させていただきます。

WICI ジャパン統合報告大賞

◯WICI ジャパン統合報告大賞
該当なし

◯WICI ジャパン統合報告優秀企業賞
日本精工株式会社
MS&AD インシュアランスグループホールディングス株式会社
伊藤忠商事株式会社
オムロン株式会社

◯WICI ジャパン統合報告奨励企業賞
日立化成株式会社

評価ポイント

評価ポイントの例として「優秀企業賞 審査ポイント」を紹介します。

1、IIRCが定めるフレームワークに定められた必須記載事項を反映して、当該発行体の価値創造ストーリーが簡潔明瞭に記されているか否か。
2、過去の事業活動で達成された成果と残された課題が整理され、それと今期の実績との繋がりを明確にすると共に、それを踏まえた将来の事業展開について、そのリスクと合わせて適確に見通せるようになっているか。
3、営む各事業活動の価値創造ドライバーを明確に示し、それを定量的にKPIとして表現することに挑戦し、経時的ないしピアグループ間で比較できるような形で提供しようとしている。KPIと開示する企業データとの繋がりが示されているか。
4、事業活動の長期にわたる持続可能性を支えるコーポレート・ガバナンスが当該発行体に相応しい形で保たれているか。
5、経営執行陣が自社の資本コストを自覚し、それを意識して、統合的思考により経営に取り組んでいるか。
6、企業の報告・開示は、主たるステークホルダーを意識するとともに、その他のステークホルダーに対しても、適確な開示メディアを選択活用してそれらの情報ニーズに応えているか。

結構難易度高い審査項目です。6番とか、現実社会でいえばもはや統合報告書自体を否定して……るわけないですよね。

総合的雑感

全般的な評価コメントを読んでいて思ったのは「トップメッセージ」への言及が多いことです。トップメッセージは重要なコンテンツだと僕は思っていますが、このアワードではかなり重要視されているようです。

あとは情報網羅性でしょうか。マテリアリティが重要。でも網羅性が必要。どっちやねん!と素人は感じるのですが、経済性と社会性の両立がテーマのCSRですから、それも頑張れば実行できるという審査委員の先生方の激励なのかもしれません(苦笑)

まぁ、セオリーとしては、CSR戦略にはマテリアリティ、CSR情報開示には網羅性、が求められます。実行するには相当な時間と予算が必要なので、すべての企業にオススメの戦略ではありません。こういうアワードのてっぺんを目指すとはそういうことです。

「予算ないんですけど評価上げたいです!なにか方法はありませんか!」と懇願されることが年数回あるのですが……なりません!ならなくはないけど、こういうアワードはガチな国内トップ100社くらいで争っているので、そう簡単には勝てませんよと。

あと、奨励企業賞では、SCSKと丸井グループというCSR評価右肩あがりの企業も候補になったそうです。今年2社とも担当者の方のヒアリングをさせていただきましたが、具体的には言いませんが、中の方のご苦労があってこその快進撃なのかもしれません。

まとめ

WICIに評価されたところで株価が上がるわけでもないし、逆に注目されて新しい取り組みが実行しにくかったり、アワード系はメリットとデメリットがあるので、表彰されれば評価も万全で優秀やで!とはいきません。難しいですね。

二次審査の項目は開示されていますので、冒頭のリンク先からダウンロードして確認してみてください。チェックリストしても優秀だと思うので、統合報告書の対外評価がよくないと感じている企業担当者はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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