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CSR活動による企業価値創出の3つのポイント

CSR企業価値

CSR活動による企業価値創出

CSR活動に関わらず、企業活動として費用対効果がすべてのタスクに求められます。

ただし、CSRなど中長期視点で成果の計測をすべき事象に、四半期などの短期の成果を求めるのは限界があります。そんなこと言ったら、CSR活動なんて何もできないやん。

ではCSR活動における「合理的な価値」とはなんでしょうか。必ずしも経済合理性に直結しないCSR活動は、企業にとって「悪」なのでしょうか?

本記事では、当たり前のようで見逃されることが多い「企業価値」のプロセスとフローについてまとめます。

1、CSRと価値の関係

お金を払うだけが顧客ではありません。信頼してフォローしてくれる人が本当の顧客であり、企業は「信頼」が商品であるとも言えるでしょう。

では、商品・サービス以外の御社の「価値」ってなんでしょうか?会社の歴史・沿革?トップの熱意?人材の厚さ?充実した福利厚生?

まぁ、これらのほとんどは非財務領域と呼ばれるカテゴリーのものが多いです。で、非財務領域の概念は一般的に「CSR情報」なんて形でくくられる情報群となります。つまり、価値創出のエンジンたりうるカテゴリーは必ずも通常の事業活動だけではないのでは、ということです。

CSRでは、商品・サービス自体の良さは前提でしかなく、それらのできあがる過程や自社以外に与えるインパクトなどが重要視されるのです。

たとえば人権・労働問題とかは商品・サービスと直接関係ありませんよね。つまり、企業は商品・サービス以外の体験価値をどれだけ上げられるかがポイントになるのです。

価値をステークホルダーに伝え行動を促すこと、価値提供を通じステークホルダーと関係性を強めること、そして、価値を伝えられるコミュニケーションを突き詰めること。こんなところが、企業価値の最大化につながるのかもしれません。

2、バリューチェーンの社会性

CSRでは、サプライチェーンやバリューチェーンと呼ばれる、商品・サービスの製造から販売までのプロセスにおける社会性が求められている。

プロセスの中で、過度な環境負荷をかけていないか、人権・労働慣行が守られたビジネス慣行を順守しているか、コンプライアンス順守は当然として倫理観のある公平・公正なビジネスを行っているか、などなど。

変な話、法律を遵守(適法)しているかより、社会に適切であるかのほうが多くの人には関心があるんですよね。だから不祥事の初期対応で「我々は法律の範囲内で活動をする被害者だ」みたいな発言をする大バカ社長が過去の上場会社にはたくさんいましたが、実際の被害者(多くは一般生活者)となるエンドユーザーの心象を逆なですることになるのです。

そういう意味で昨今の不祥事の二次不祥事はこの倫理観あるトップの姿勢が問われるようになってきているとも言えます。

謝罪の前に「言い訳」をする人は一般ビジネスパーソンにもたくさんいますが、CSRは特に“相手”を立てるようなスキームですので、「今行っている事業活動やCSR活動はどんな価値をステークホルダーに提供できているのか」という基本的な軸はブラさないようにしたいものです。

3、1位至上主義の弊害

日本で1番になる。世界で1番になる。CSRでの目標でこういった事業目標的なものが少ないのはなぜか考え方ことはありますか?

僕は、これは“CSR的”ではなく、1番を狙うということは、競合がつぶれようが業界が廃れようが構わないということにもつながるからだと考えています。「ナンバーワンよりオンリーワン」というか。

もちろん、この場合はナンバーワンはオンリーワンの手段の一つであり、バリューチェーンの中ですべてのステークホルダーが主役であり、表立って他社を蹴散らすような目標を立てるのは“野暮”ってものなのかもしれません。

前置きが長くなりましたが、経済合理性だけを追求するのであれば、グレーゾーンのビジネスや“ギリギリアウト”の労働慣行で突き進めばいいんですよ。でもステークホルダーがそれに納得するわけはないので、自社以外への価値提供という意味では最低な行為となります。

CSR活動の目標で1番を目指すのはいいですが、それが最終的なゴール(ミッション・ビジョン)にならないよう気をつける必要があるのかもしれません。

まとめ

企業価値創造について、3つのポイントにまとめてみました。ざっくりですみません。

僕の考えが正しいかどうか別として、CSR的な発想でいくと「ナンバーワンよりオンリーワン」な存在になることで、その価値を最大化できるのは間違いありません。

価値の方向性や、どのステークホルダーにどのような価値提供をするのか、を考えて突き詰めるのはビジネスの基本です。

僕はそのためのツールやフレームワークがCSRだと思っています。“何か社会に良いこと”という“なんとなくCSR的なこと”だけにとらわれず、適切な事業活動としてのCSR推進がされることを期待しています。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]