|カテゴリ:消費者課題 , 調査統計/企業評価

消費者との“溝”をCSRは橋渡する–72%の社会的責任を意識する消費者

CSR消費者

ステークホルダーとは誰か

CSRコミュニケーションに関する仕事をさせてもらっていることもあり、BtoB企業でもBtoC企業でも「ステークホルダーの特定」(≒バウンダリ特定)の支援業務をさせていただいています。

で結論からいいますと、主要なステークホルダーとは、企業と直接金銭のやりとりがある利害関係者がピックアップされることが多いです。上場企業であれば「株主・投資家、顧客、取引先、従業員」の4者です。

この4者を考慮しないCSRはありえません。この4者に、業界特性を考慮しても、「環境」や「地域社会」「NPO/NGO」「監督官庁/地域行政」などが加えられるパターンが多いです。

さらに言えば、BtoC企業にとって特に重要なステークホルダーは顧客(消費者)です。上場していれば、株主・投資家もほぼ同列で2トップとなるでしょう。声の大きなステークホルダーには特に注意を向ける必要があります。

というわけで、本記事では「消費者動向」や「意識調査」に関する情報をまとめます。

消費者意識調査事例

企業と消費者のコミュニケーション

CSR消費者

「企業が社会的責任を考えて活動したり、社会貢献をすることは重要だと思う」にあてはま るとした割合は72.3%でした。また、「社会や環境に良くない活動を行っている企業のモノは買いたくない」にあてはまる とした割合が70.6%であるのに対して、「社会や環境に良い活動を行っている企業のモノは積 極的に買いたい」にあてはまるとした割合は63.3%となっています。

参照:関東・関西在住の20~69歳の男女2000名に聞いた「企業と消費者のコミュニケーション」~消費者における「情報のフィードバック」と「企業のCSR活動を見る目」|第一生命

身の丈にあった消費行動

ソーシャル消費、ソーシャル・コミットメント(意志をもって社会 に関与・行動していくこと)、日常のソーシャル行動、の3つの領域に関与度が高い人々は全体の4割強(42.2%)に達し、3つの領域すべてにおいて関与度が高い人々「ソーシャル高感度層」が 14.2%、3つのうちの2つに関与度が高い人々「身の丈ソーシャル層」が28.0%、存在することがわかりました。
(『電通、ソーシャル意識と行動に関する生活者調査を実施-ソーシャル潮流拡大のカギを握る3割の「身の丈ソーシャル層」に注目』、より引用)

環境配慮商品

・「環境問題への配慮と生活を楽しむことは両立できると思う」という意識は、2009年では56%だったが、この5年間で着実に高まり 66%となった。
・「環境に配慮した商品やサービスでも、お得なものや快適なものを選びたい」という意識も、この5年間で13%伸びており(37%→50%)、今年は初めて5割を超えるスコアとなった。
(『「電通グリーンコンシューマー調査 2013」を実施-エコと楽しい生活の両立へ。8 割以上が「買うなら環境配慮型」、 スマートハウス、エコカー、エコ家電に注目』、より引用)

消費者が望む企業の社会的責任

企業が負うべき最も重要な責任は何か。雇用機会の提供、環境責任、株主への配当などの14項目から最も重要と考える項目を3つ選択してもらいました。その結果、グローバル(22の国と地域)で消費者が最も重要と考える企業責任は、「優良な雇用機会を提供すること」で、次いで「質の高い製品・サービスを提供すること」、「環境責任を負うこと」であることが明らかになりました。
企業責任に対する消費者のグローバル意識調査

市民の社会貢献に関する実態

内閣府|平成27年度 市民の社会貢献に関する実態調査

こちらは消費者という枠の調査ではありませんが、一般市民の社会貢献意識に関するまとめが載っていますので紹介しておきます。

消費者相談の概況

経産省|平成27年度における消費者相談の概況をまとめました

こちらの調査は、CSR的にはリスクマネジメントの領域になりますが、「消費者相談」の内容についてのまとめです。CSR的に、消費者との関わりを再考するのによい資料だと思います。

ポケモンGO

ポケモンGOでの歩きスマホ事故は誰の責任? CSRの新領域を考える

記事では「ポケモンGO」「自動運転車」「口コミサイト」「AirBnB」の消費者課題についてまとめられています。企業は消費者に対し、どのような社会的責任を取るべきなのでしょうか?

消費者庁

日本の消費者動向を把握するには、まず消費者庁のデータを確認しましょう。

消費者白書(平成28年度)
消費者意識基本調査(平成27年度、PDF)

いわゆるCSRに関わる部分は多くありませんが、BtoC企業の直接顧客と関わらないであろうCSR担当者であっても顧客の動向を把握しておいて損はないと思います。お時間があるときにチェックしてみてください。

まとめ

ほぼすべての人は会社を一歩出れば、社会において「消費者」という顔を持っています。生まれてこのかた1回も買い物をしたことがない、という人はいないはずです。

僕は1人の消費者として、やはりCSRの姿勢などを気にします。たとえば衣食住の「衣」を考えれば、服を買うメーカーは児童労働や強制労働、環境負荷の高い製造方法などで、製品を作っていないか、など。中の人で知り合いはいない場合がほとんどなので、ウェブでCSRの情報開示をしている企業しか買い物ができません…。

開示が皆無な企業の店舗には基本的に行きません。ただし、家族の全員を強制はできないので、まずは自分からという段階ではあります。

僕がよく買い物をする無印良品は、評価機関のCSR評価はたいして高くないものの、CSR/社会貢献活動の情報開示はそれなりにしており、一般生活者向けに共感を一部引き出せているかと思います。やることやっていると思うので、体系的な情報開示をすればもっと評価上がるのに、ともったいとは日々感じています。

というわけで、CSR担当者は、営業・広報・マーケティングなどの顧客と接点の多い部門とも連携し課題解決に取り組みましょう。色々な情報に左右されやすい消費者ですが、本記事で紹介したデータや事例などを考慮し、より良い関係づくりをしていきましょうね!

関連記事
倫理的消費と消費者教育とCSR
CSR調達と46%の倫理的購入を望むエシカル消費者たち
消費者意識調査とISO26000/消費者課題からみるCSRの現状



セミナー案内:更新済み2017年12月以降のCSRセミナー[→詳細]

執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]