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事例から学ぶ、障害者雇用とダイバーシティマネジメント論

ダイバーシティマネジメント

ダイバーシティ・マネジメントの浸透へ

女性活躍推進の法制化でダイバーシティ推進が広がっている昨今です。

そして、ダイバーシティといえば“女性の役職者数”が注目されますが、障害者雇用もその流れで更に注目されている気がします。

そこで本記事では、障害者雇用のトップ企業事例、取組みの現状、障害者支援の社会貢献活動の課題、などについてまとめます。

障害者雇用率ランキング

1、エフピコ
2、アイエスエフネット
3、ヒューリック
4、ダイジェット工業
5、エイベックス・グループ・ホールディングス
6、リヒトラブ
7、極東開発工業
8、ツムラ
9、良品計画
10、ノーリツ鋼機
最新!「障害者雇用率ランキング」トップ100

2015年9月発表の東洋経済の障害者雇用率ランキングです。詳しいランキングは引用記事をご覧いただければと思います。

で、この手の話だと、障害者雇用を進める特例子会社の制度との兼ね合いで、色々な計測方法があり一概に何とも言えない状況であるものの、やはりCSR活動全般やダイバーシティ推進をすることで有名な企業の多くがランクインしています。

CSRランキングとは違い、これらのランキングや動向をどう見るか、CSR関係者でも意見がわかれるかもしれません。

障害者雇用に関するデータ

第一生命の障害者雇用に関する調査によれば、「障害のある従業員に対する理解・配慮を促すことの重要性」について、重要と答えた企業は92%、「障害のある従業員に対する理解・配慮を促すための取組みの現状」について、研修等を実施した割合は23%、マニュアル等を配布した割合は11%にとどまった、とのこと。

また、「障害者雇用の方針」について、実雇用率(雇用している障害者の割合)が法定雇用率以上でも障害者雇用を「増やす」と答
えた企業は多いそうだ。障害者雇用に関してもダイバーシティ推進重視の視点があり、重視している企業では実際に実雇用数が多い傾向にある、とのこと。

「障害者雇用や理解促進は大事」だけど、「実際には研修やマニュアル配布もほとんどしたことがない」という現実が。まぁ、この時代に「障害者雇用はウチには関係ない」なんていう企業はいないとは思いますので、全体的に右肩上がりの傾向はよい流れといえるでしょう。

ダイバーシティ文脈のCSRで言えば、女性活躍推進の「ジェンダー・ダイバーシティ」や、中高齢者支援の「エイジ・ダイバーシティ」などもありますが、ダイバーシティというロジックに無理矢理当てはめて整合性をとる形ではなく、企業のミッション・ビジョンなどとのストーリー性などが今後は求められるのかもしれません。

参照:第一生命ニュースリリース『上場企業に聞いた「企業内の障害者に対する理解促進の取り組み」』(2015)、『上場企業に聞いた「障害者雇用に対する取り組み姿勢の現状と変化」』(2015)

金融庁|障がい者等に配慮した取組みに関するアンケート調査

金融庁が、各金融機関に対し27年3月末時点での『障がい者等に配慮した取組みに関するアンケート調査の結果について』を行いました。

これは、障害者雇用の話ではなく、金融機関の障害者対応の話です。「障がい者等に対するCSRを意識した取組み事例、金融サービス利用者相談室等へ寄せられた声」という資料は、関係者には結構貴重なCSR事例として参考になると思います。

そもそも、官公庁がこういったアンケート調査をしているの初めて見たかもしれません。業界団体などでも、こういったアンケート調査やベストプラクティスのピックアップなどをしていただき、知の共有にご尽力いただくと、障害者対応含めた企業の意識改革につながるかと。

イベント後の悲劇

橋爪さんやイベントステージに立った聴導犬を連れた女性らが、一息つこうと同じフロアにあるカフェに立ち寄った時です。席について注文をしようとすると、店員がこう言いました。「ペットはお断りです」。「いえ、これは補助犬といって…」とさっきのイベントでも配っていたパンフレットを渡そうとすると、その受け取りも断られました。
同じことは別の店でも。「犬は困ります。ここは盲導犬も断ってるので」と言われました。橋爪さんたちは3店目のカフェでようやく入店できました。
阪急百貨店 補助犬の啓発イベントした直後「入店拒否」の仕打ち フェイスブックで問題提起「なぜ?」

このニュースは正直驚きました。僕は阪急百貨店さんの社会貢献活動は知っていましたし、(他の記事で紹介したこともあります)なおさらショックでした。

非常に残念なニュースですが、現実的なCSR課題として「マネジメントと現場の意識差」はよくあることであり、そのトラブル自体は不思議なものではありません。もちろん、許されることではないし、関係者の多くを失望させてしまった代償は大きいのではないでしょうか。今後の真摯な取組みに期待しましょう。

まとめ

今回の阪急百貨店の事例は非常に残念ですが、現実問題としてよくあるパターンなのかなと思っています。

障害者雇用やダイバーシティ推進なども、今回の件とまったく同様だと思っていまして、結局企業や組織が人事戦略的に進めたとしても、「現場」がそれなりに理解し、実際の場面に出くわした時に、コンセプトとは逆の行動を取ってしまう可能性もある、と。

というわけで、久々のこの台詞を。「CSRは会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ!」です。ダイバーシティはマネジメントが注目されがちですが、現場でのアクションが全て。

企業に、本当の意味で障害者雇用やダイバーシティ推進が広がることを期待しています。御社の現場は、ダイバーシティに関連するミッション・ビジョンを理解し行動していますか?

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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