CSR報告書

CSR情報はいかに発信すべきか

CSR報告は、CSR報告書だけで完結するものではありません。

ここ5年くらい、年間100社以上のCSR報告書を見ていますが、最近、そのCSR情報開示にも多様性があることに気付きました。国際的なガイドラインはあるものの、企業によってCSRの情報発信は異なって良いと思っているので、改めてその意味を再確認しております。

というわけで、3社のCSR報告の事例を紹介したいと思います。奇抜でオリジナリティがある、というよりは、なるべくしてなったのかも、というCSR報告となっております。

もしかしたら、CSR報告書の未来は、様々なコーポレートコミュニケーションへの統合であり、単独で発表される報告書の体裁は減っていく一方なのかもしれません!?

CSR報告の様々な形と企業事例

村田製作所の事例

村田製作所では会社案内、CSRレポート を統合した冊子「Murata Report」を皆様に提供しております。ぜひご一読ください。
CSRレポート

村田製作所の事例ですが、ここは2010年より「会社案内+CSR報告書」というスタイルで、CSR情報開示を行なっています。

僕が最近大注目のCSR報告の形です。『CSR報告書の未来は、統合報告ではなく会社案内にある!?』という記事にも書きましたが、そもそもCSR情報って会社案内のコンテンツと相性いいんですよね。上場企業でも、このスタイルは数年以内にトレンドなると、勝手に予想しています。

京阪電車の事例

当社は平成16年より「環境報告書」を発行してきましたが、平成19年より掲載分野を拡充し、「CSR報告書」として幅広い情報開示を行ってきました。本年は昨年同様、鉄道事業法により公表を義務づけられている「安全報告書」を兼ねており、安全に関する情報を充実させるとともに、社会、環境への取り組みについても幅広く掲載しています。
京阪電車|CSR報告書2015(安全報告書)

京阪電車の事例ですが、業界の法定開示書類を統合させてCSR報告にまとめているそうです。

僕は先日、「CSR報告書は会社案内と統合される」という未来予想図を紹介しましたが、CSR報告を含めたコーポレート・コミュニケーションには様々な可能性があるようです。

コニカミノルタの事例

コニカミノルタ
SOCIAL ACTIONS

コニカミノルタの事例ですが、直接的なCSR報告という話ではないものの、こういうCSRプログラムにフォーカスして、情報開示していく例もあります。

こういう形は予算がないとできないので、すべての企業が取り入れられる手法ではありませんが、会社のCSR情報というより、プログラムとステークホルダーの関係性をうまく発信できるし、有効な方法の1つであると言えるでしょう。

まとめ

常々このブログでも書いておりますが、CSR報告で重要なのは「読者視点」です。

発行するCSR報告書は「読者は誰で、どこにいる人なのか」をそもそも決めなければいけません。

そして、その想定読者の理解を遮るような表現を使っていないか、日々使っているメディアにリーチ(情報到達)できているか、読んでもらった後の行動を促せているかなども合わせて、CSR報告書の現状分析・効果検証しなければなりません。

自分たちの言いたいことが先行しすぎて、読者の誤解を招くような表現をしてしまっている企業って結構ありますので、お気をつけください。以下のまとめ記事も参考にどうぞ。

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