NPOマーケティング

今回の読書メモは「NPOのためのマーケティング講座」(長浜洋二、学芸出版社)です。

献本いただいて読んでいたのですが、CSR関係者にも学びがありそうなので紹介いたします。

で、なんでこの本をCSR関係者に紹介したいかというと、NPOの行動原理と原理原則が理解できるからです。

NPOとは何ぞやみたいな書籍は、偉い先生方がさんざん書籍にしているのですが、マーケティングつまり、現場的な経営やマネジメントの本って意外にないんですよね。

NPOマーケティングを何年もやっているプレイヤーがそもそも少ないのはあります。あと、多分売れないからだとは思いますが(苦笑)そういう意味では、学芸出版社さんは英断だと思います。

僕自身の話ですが、官公庁や自治体主催のCSR研修やCSRセミナーで「企業とNPOの連携」について話す機会が増えています。

企業がNPOを、NPOが企業を学ぶきっかけって実はあまり多くなく、セミナーでもケーススタディだけで終わってしまうことが多い領域です。現場を知っている人だからこその学びがあります。著者がNPOマーケティングの最前線にいるということも大きいでしょう。

また、企業によってはCSRプログラムでも、他社から寄付を集めるモデルを採用していますし、CSR担当者も非営利プログラムのマーケティングを知っておくべきです。

NPOマーケティングをCSR担当者が学ぶことで、インパクトが最大化しうる、双方のマーケティング領域を見つけられやすくなるのかなぁと思っています。1冊手元に置いておくと何かと便利かもしれませんね。NPO関係者はもちろんのこと、NPO連携を強化したいCSR担当者にもオススメの一冊かと思います。

ちなみに、NPO関連では同じ出版社から同時期に、「NPOのためのIT活用講座 効果が上がる情報発信術」という書籍も出ており、著者の山田さんから献本いただきました。こちらもオススメです。

他の出版社が、この領域が売れないからと諦めている所を狙い打った学芸出版社。やるね。ただ、この2冊の著者はセミナー回数がハンパじゃないので、手売りも含めれば、1年以内には増刷できそうですけどね。

NPOのためのマーケティング講座

NPOが増加し、新寄付税制など活動を支援する法制度が整うにつれて、NPO自身の事業目的を遂行する実力が問われる時代になってきた。組織のポジションを見究め、ターゲットのニーズに基づいた事業を企画・実施し、成果を測定しながら改善サイクルを確立する…など、NPOマーケティングの基本と実務を豊富な事例をもとに解説。