思いやり経営
先日、「思いやり経営指標」というものを知り、
皆様に紹介したく、今回はその解説をしたいと思います。
思いやり経営指標(Omoiyari Management Index)は、
思いやり経営の観点から、
組織の持つイノベーション能力(組織イノベーション力) を
総合的に数値化した指標です。
具体的には4つの徳性指標「自由創発(情熱)、共創調和(気配り)、
社会座力(務め)、未来先取(先見)」と、
それらを合計した総合指標で構成されるものです。
「思いやり経営コンソーシアム(委員長 金子郁容氏)」が提唱する考え方。
これはCSR云々というより、CSR視点を取り入れた、
経営診断ツールといったものになるのかもしれません。
徳性指標
第一指標:名称 自由創発(情熱)
組織に所属する個々人が持つ創造力を表す指標で、
創造力を生む自由な風土、個人の自主的な働きを促す前向きな意欲などで構成される指標。
第二指標:名称 共創調和(気配り)
個々人の連携によるチームの力を表す指標。
個々人の連携は、同じ組織内だけでなく、組織外との連携も含まれる。
外から見て組織が開かれているかを表し、
外部を気遣うことで共に成長を狙う力の指標。
第三指標:名称 社会座力(務め)
組織が、その場所から受けるメリットを引き出し、享受する力。
相応の社会への負担を果たしつつ、
同時に場所のメリットを引き出す、相補性の指標。
第四指標:名称 未来先取(先見)
組織が持つ本質を洞察する力。未来の利益から考えて、
今の利益を確保する行動を判断する志向性。
活動の長期的な持続力を表す指標。
まとめ
“CSR”や“フィランソロピー”という単語は、
関係者には使い古したもののように感じるが、
一般生活者まで浸透しているとは言い難いものではある。
しかし、このような日本的な思考から導き出された
フレームワークはカタカナ語ではないので、浸透は難しくとも、
馴染みやすいという点では大きく評価しても良いのではないだろうか。
また、思いやり経営は、あくまでも経営における指標であり、
CSRと深く関わりがあるというわけではないが、
こういった考え方はCSRに通じるものと考えてもよいのだと思う。
第四指標(未来先取)は、仏教の禅にも通じる。
やはり、日本流の経営は禅などの仏教的思想(宗教というより思想として)が
一番合うのかもしれない。
Apple社のスティーブジョブズ氏も禅に傾倒していたことで知られるが、
今回改めて実感した次第です。
※CSRジャーナル
より、修正・加筆をし掲載。